VS鳥
すみません、なんか投稿できてませんでした。
「食らえ、空前空上連打!」
「強い技を知ってそれを一生擦り続ける初心者やめろ」
「スマーッシュ!」
ガンツのキャラが画面外に吹っ飛んでった。
今まであいつとの試合は勝率半々くらいだったが、今回は3ストック残して勝てている。
これがミワの力か。
「クソ、もう一回」
「何回でもやってやんよ」
もう一回同じキャラで試合開始を……
「おい、全員揃ったゾ」
「……あと一戦だけ」
「とっとと用意しロ」
「あ、手が滑った(ブチッ)あああああああああああああ」
コード抜くなよ……。
仕方ないので、今まで着ていた甚平を脱いでキャスィーツを羽織り、[海馬組]のメンバーに合流した。
「で、何すんの?」
「……アプデ内容見てないの?」
沙織さんの件で色々あったせいで、アプデ内容はまだ確認できていない。
すると、アプデ内容を確認していたラチックが、
「第四の町に行くのよ」
反転都市ルネ肆アへ。
◇
遥か上空の参テルから、下に伸びる水の道の入口へ。
「どんなモンスターが出てくると思う?」
「いえ、今回のは……」
「面白そうだから黙っておこうぜ」
何か企んでいるガンツの言葉に反応しようとすると、急に視界が真っ白になって……謎の場所に飛ばされた。
え、ここどこ?
ほぼ真っ白の空間に、一人だけ浮いている人がいたので、近づこうとすると……見えない壁がある。
「は?」
視界に文字が浮かび、3、2、1
『デュエル開始ィィィ』
……とりあえず、あの羽が生えてる奴に決闘で勝てばいいんだな!?
遠距離への攻撃手段を持っていないので、すぐに近づこうとして……相手はすごいスピードで上に飛んで行った。
スピード型か。
多分ここにも天井があるから、追いついてから加速で攻撃しよう。
少し経ってから、相手は天井に着いたみたいで、上からこっちを待ち構えている。
そして、相手が槍を突き出しながら降りてきて……速い。
右に避けてカウンターを食らわせるつもりだったが、こいつ俺の加速と同じくらい速く、俺の反撃は足にちょっとカスっただけになってしまった。
相手のスキルも素早さ関連か。
「〈急降下」
「っつ、〈部分加速〉」
また上に飛び上がって槍を突き出し……まだ加速はできないから、右腕だけ部分加速させ、槍の先端を掴んだ。
指の半分くらいまで切れ目が入ったけど、捕えた。
その時、
「翔具[回振雅 ドリラス]」
槍が回転して右手がえぐり取られ、心臓の部分に槍が迫り……柄を弾いてなんとか心臓は回避した。
危ねえ!
思いっ切り貫通力を上げて、ヒット&アウェイで戦う感じか。
また上に飛び上がるが……攻撃時よりもスピードが遅い。
UAOにおいて、無条件であの加速ができる可能性は低い。
おそらく、加速に条件がついてるハズだが……技名と今までの行動からして、下に下る時に加速できるのか?
となると……やることは一つだな。
全力で上に向かって泳いだ。この空間の上限までいけば、もう上から攻撃されることはなくなる。
相手も俺の意図に気づいたらしく、回転する槍を突き出して……
「かかったな。〈樹手〉」
スキルを【リーフィーシードラゴン】に切り替え、腕から木を生やして相手を絡めとる。
さっきから直線的な動きしかしていなかったし、切り替え直前に加速を使った体感時間の増加もあり、簡単に捕まえられた。
「いい試合だった」
「ああ、ありがとな。〈木錬成〉木刀」
左手に木刀を作り、相手の頭を潰して勝った。
視界が真っ白になり、次に目を開くと新たな町、ルネ肆アに着いていた。
反転都市の意味が分からなかったが、重力の向きと逆に建物が建っていて……ちょっと酔いそうなんだけど。
設定で変えられるみたいなので、一瞬で重力の向きを変えた。
「ダーリーン♡」
「うん、タイマンならお前はいるよな」
他にも、ファニー、アンペル、シェンラさん、ラチックはいたが……ガンツ、ギコー、Rex、マドカはいない。
タイマンで負けたのか。
「シェンラさんとかどうやって勝ったの?」
「ある程度ステータスで相手と対戦形式が変わるんですよ。耐久型の場合は、ボスが出てきて、その攻撃に長く耐えた方の勝ちらしいです」
なるほど。まあ、シェンラさんみたいに継続回復を持っている人同士だったら、マジで一生決着つかなそうだし、良い仕様なんじゃないか?
「ってか、相手に羽あったんだけど」
「あれはSkyの住民よ」
あれは鳥の能力だったのか。
アイテム欄を見てみると……ハヤブサが入ってた。
あと、これ全員で一緒に挑む必要なかっただろ。
【ハヤブサ】
・降下時加速
鳥の能力。
急降下で狩りをして、その速度は時速400キロに近い。