You already crazy for me.
「負けて悪かっタ」
「だから、選出と相性の問題なんだから、もう気負うな」
幸い、最低限欲しいと思っていた景品は取れたし、大した問題ではない。
「まあ、結果はあんまり振るわなかったけど……打ち上げでもするか」
「そうね」
「ああ」
さて、打ち上げ何しよう?
◇
「カンパーイ」×9
カン
パーティーグッズを買い集めて、20歳未満はジュース、20歳以上は酒を片手にお菓子をつまむ。
また映画でも流そうかと思ったけど、いい感じに全員が知ってる映画がなくてやめた。
……なぜかいつまで経っても見ないアンペルのために、レールガンでも流しとくか。
「なんかゲームでもしようぜ」
「えー、でも大体のゲームは1位ミワ2位マドカだし……」
「じゃあ、これならどうだ?」
そう言って、俺が取りだしたのは……モモ鉄。
しかも複数。
「……どうして複数持っているの?」
「出来るだけ合体技をしにくくさせるため、クラン拠点の集合地にばら撒いた」
「……番外戦術させたらピカイチね」
「ってか、そのゲーム4人までしかできないだろ」
確かに。
じゃあ何しよう?
「まあまあ。たまにはこういうのはどうでしょう?」
そう言って、シェンラさんが取りだしたのは……「第一印象ゲーム」?
「俺ルール知らない」
「私も」
「簡単だから大丈夫ですよー」
ルール
お題を決める
お題のイメージに合う人を一斉に指さす
選んだ理由を言う
「やっていれば分かりますよ」
「そうだな。最初のお題どうする?」
「私が決めたイ!」
面倒だし、威勢がいいアンペルでいっか。
「じゃ、どうぞ」
「題して……この中で一番可愛いのハ?」
初っ端から空気が凍った。
一番可愛いか。
震える全身を抑えて、ミワの方を見ると……わー、凄い笑顔だぁ。
まるで、自分が選ばれることに、全く不信感を抱いていないみたいに。
「決めたカ?せーノ!」
俺が指さしたのは、もちろんミワ。
だって、指さなかったらカッターで手が落ちそうだったし……。
結果は割とバラバラだったが、4票のファニーが一位だった。
まあ、お題は可愛いだから、綺麗系のシェンラさんやラチックとは合わないんだよなぁ。
言い出しっぺのアンペルは指しにくいし、マドカは……うん。
「じゃあ、次はファニーさんがお題を決めて下さい」
「えー、どうしよー?」
……なんでこっちをチラチラ見るの?
「じゃあ……こ、この中で結婚するとしたら?」
だから爆弾投下すんな!
はいはい、ミワさんですね。
「せーの!」
結果は……なんか指の先端が沢山見えるぞ。
ほとんどの人が俺を指していた。
……まあ、男女比率終わってるし、一応リーダーだから、なんとなくで選ばれることもあるのかな?
ギコーはもっと票会ってもいいと思うけど。
「あれ、ギコーさん、指す相手が違うんじゃないですかぁ?」
「うっせえ、仕方ねえだろ」
ギコーが選んだのは、シェンラさん。
やっぱ……そういう関係だったか。
ちなみにシェンラさんの相手はミワ。百合百合してますね。
「じゃあ、イグノがお題を考えて下さい」
「そうだなぁ」
ちょっとこの終わってる流れを変えたい。
ここはまともなお題を。
「……一番強い人」
これなら、票も分かれそうで、面白そうだ。
俺の投票先は……ファニーかなぁ。
突撃、時間稼ぎ、タイマン性能、いろいろ考えてやっぱり強いんだよなぁ。
だが、
「あい、せーの」
ほとんどの人は、ラチックを指していた。
「バフは大切ってことかな?」
「あー、お前らはアレを見てなかったのか」
「え、何があったの?」
「なんでもないわよ」
「そろそろ違うことしようぜ」
気づけばもう1時間くらい経っていた。
これ以上は俺のライフが持たない(ミワのせい)。
いや、「二番目に好きな人」ってお題で他の人を指したら、「一番も二番も三番も私でしょ?」って言い出すんだぞ?
女心は分からん。
ちなみにガンツはしっかりファニーを指してた。
「そうっすね。次何します?」
「んー、スタンダードに王様ゲームでいいのぜ」
……絶対ギコー酔ってんじゃん。
ゲーム内の方がやれること多いし、面白いかもしれない。
何より……王様ゲームって陽キャっぽくね?
ルール
1~10の数字が書かれたくじを引く
10の人が好きに命令できる
命令は数字を使う
やってれば分かる。
「王様だーれだ!」
全員で割りばし製のくじを引いて、
「私が王様ね」
ラチックが10番の割りばしを持っていた。
「じゃあ、5番が6番を全力で褒めて」
……なるほど? 温かい命令ですね。
俺は3番だったからどうでもいいのだが、
「私が5番ダ」
「私6番」
アンペルがファニーを褒める……っと。
「では、どうぞ」
「ま、まあいい機会だからナ」
彼女は深呼吸して、
「あの時……私が初めて会った時、パーティに入れてくれてありがとウ。もし、お前が受け入れてくれなかったら……今はなかったんだっテ」
「アンペル……」
……いい話だなー(最初に受け入れなかった人)。
「……よし、これでもう気負うことないナ」
「え?」
「これからは、自由にさせてもらウ」
そう言って……何故か俺に引っ付いてきた。
元から自由にやってると思ってたが、どこか心の奥底で引っかかってたのかもしれないな。
「ちょっと褒めるとは違ったけど、まあいいわ」
「次いきますよー」
「王様だーれだ!」
10番のくじを引いたのは……マドカだった。
「じゃあ、1番の人、全力のイケボで何か言って下さい」
……俺じゃなくてよかったー。
誰だ1番。
「私ネ」
Rexかよ。
「いきます。『もっと熱くなれよぉ!(某松岡さん)』」
「……お前、イケボって知ってるか?」
「これが私の全力だ」
まあ、俺もできないし。
「……じゃあ、次いきますか」
「王様だーれだ!」
10番の割りばしを持っていたのは……ミワ。
「私が王様だよ!ダーリン、Kiss me」
「め、命令は番号でするんだよ」
「えっと……7番だよね。私と7番Kiss」
え、どうして分かったの(7番)?
まあ、王様の言うことは絶対ってことで、目を閉じてキス待ちをしているミワの顎をクイっとし、
「キャー」
You already crazy for me.
長かった3章はここまでです。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
たまには感想を書いてくれるとありがたいです。
なんと、筆者が喜ぶというメリットがあります。
さて……実は筆者のリアル中間テストが迫ってまして……さらに最近は執筆や体調不良で、あんまりできておらず、まあ、そういうことです。
2週間ほど(10/24くらいまで)休ませて下さい。絶対に再開します。
新しい試みもするつもりなので、楽しみにしておいて下さい。
……ブックマークしてると再開が分かりやすいですよ(コソ)。