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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
80/110

VS《MOLLUM》

 昨日はすみませんでした。

 最近の異常気象で体調が崩れた。

 《MOLLUM》の意味は軟体動物。

 さて、《幻想怪物》を打ち破って、控室にワープしたのだが……一つ、やることがある。


「……勝手に50万も使ってしまい、すみませんでしたー!」


 〈加速土下座〉!

 このイベントではスキルとかのストック、MPなどは戻るが……矢や爆弾などの消費物は戻らない。

 つまり普通に50万普通に消費した。

 まだまだ資金は残っているが、50万は50万。

 50万ボルト!


「あの盤面だと仕方ないと思いますけど……絶対50万も要りませんでしたよね~」


 やっぱりシェンラさんは気づいてたか。

 25……いや、アンペルの〈電気纏い(エレキ・ポーター)〉まで考えたら20でよかった。


「……いやー、そのー、えっと」

「こいつは数字とか適当だから。小銭とか全然使わないせいで、1円玉がアホみたいに溜まってるぞ」


 よく分かってますね、ガンツ君。

 

「前も勝手に全資金を出していたし、資金管理は他の人がやった方がいいかもしれないわね」

「ついでにリーダーごと代わってもいいよ」

「それは却下」×9

「さいですか」




 とにかく、資金管理はちゃんとしてそうなラチックに任せて、次の選出を考えよう。


「どーする?」

「とりあえずあなたは出禁ね」

「はい……」


 まあ、さっきの試合で選出されてない人が多い、ガンツ、アンペル、シェンラさん、Rex、マドカのガチ前衛2人+後衛3人の構成でいっか。

 相手のクラン名は《MOLLUM》。





 観戦室に移動して、戦場を見守る。

 今回のフィールドは、砂で茶色く濁っている水場のようだ。

 ちょっと視界が悪いけど、まあどうにかなるレベルだ。

 そして、相手の構成は、普通に前衛2、中衛2、後衛1のスタンダードなもの。

 前衛の一人は、なんか見覚えがある気がするが……やっぱり人の顔を覚えるのは苦手だわ。


『デュエル開始ィィィ』

「〈700ボルト〉」


 開始と同時に、アンペルの先制電撃が走って……全く知らない方の前衛に当たったが、効きが悪い気がする。

 他のメンバーが中心になって攻撃して欲しいな。

 そして、見覚えがある男が、


「〈(ウィット)〉」


 墨を吐いて……思い出した、タコだ!

 墨を吐いて、そこそこ速い8本触手で攻撃してくるタコだ。

 そのタコ君が、笛を咥えて、


「[黒墨笛(コクボクテキ) ウィルート]」


 笛の先端から、大量の墨が出てきた。

 元から砂で視界が悪かったのに、タコ野郎の墨のせいで、5メートル先も見えなくなる。

 後衛三人に近づけれては不味いので、前衛のRex、マドカは下がって、全員で密集する。

 でも、ここまでしたら、相手もこっちの位置分かんねえだろ。


「〈奏付螺(スプラ) ポルトソナー〉」


 薄い膜のようなものがフィールド中に広がり……避けれる訳がなく、触れたメンバーに白いインクが付着し、ガンツが一回死んだ。

 とりあえず怒られるからスプラはやめろ。

 瞬間、


「ッツ、散開!」


 ガンツが声を荒げ……さっきまで密集していた場所を、巨大な触手が通り過ぎた。

 耳がいい(DAOプレイヤーの特徴)ガンツのお陰で助かったが、相手にはこっちの位置が分かっているのか?

 ……いや、多分あのインクのせいか。

 なるほど、墨で相手の視界を塞いで、自分たちはインクのマーキングで相手の位置が把握できるっと。

 シンプルながら強くてウザい戦法だな。


「……分かってるよな?Rex」

「しっかり気づいてるみたいよ」


 墨が段々と離れていく。

 Rexの油で墨の混じった海水を押しのけているのだ。

 これで、ある程度の視界は確保できる。

 そこに……二回目のインク膜。

 マーキングは定期的に行われて……ガンツは定期的に死ぬのか。

 多分、マーキングの装置がどこかに置かれている。さっさと破壊しないと、ガンツが死ぬぞ。


「……全員、数学の点数を言エ。77」

「14だ」

「84です」

「……言いたくない点数アル」

「70っす」


 ガンツ君点数低すぎな。

 Rexもヤバそう。

 ちなみに俺は98(自慢)。


「これ聞いてどうするアル?」

「波動の広がりから、装置の位置を逆算するんだヨ。ブラハがスキル使ったらどこにいるか大体分かるだロ。あれダ」

「そういう計算はイグノが得意だぞ」


 うん、毎回ブラハとかカモだわとか思いつつ、毎回返り討ちにされてる。

 ……アドバイス権使うか。


『座標で表すと、アンペルの位置から(42,56,‐21)だ、破壊しろ』

「え、左側じゃないの?」

『右だ、俺を信じ……』


 あ、制限時間切れた。

 まあ、座標は伝えたし、大丈夫だろ。


「〈エレクトロ・ディスチェンジ〉」


 アンペルから誘導電流が放たれ……横に42、縦に56、下に21メートル。


ドカン


 爆発音がして……インク膜は来ない。

 あれは左前から来ているように見えたが、インク付着のしかたは、右側からだった。

 おそらく、相手に幻影を見させるスキル持ちがいるな。


「これで相手にもこっちの位置が分からないハズダ。行方を眩ますゾ」

「ああ」×4


 近距離戦に強い奴がいない分、まだこっちの方が不利だ。

 墨が無い場所まで撤退する。


「墨から出てきたところを攻撃すル。Rexは温存、ガンツは私に合わせロ」

「ウィー」


 さて、墨から出てきたのは……タコ野郎!

 墨を再展開されると戦いにくいため、最優先目標と言っても過言ではない相手だ。


「インデュース・カレント」


 ガンツの矢とアンペルの電気が交わった、合体技。

 黄色の矢がタコ野郎を貫いて……ミワのデコイみたいに、チカチカっとなって、消えた。

 あいつの能力ではないし、鱗器は墨を増幅させる笛だった。

 やっぱ幻影能力者がいるな。

 そして、次に墨を抜けてきたのは、大量の白いインク。


「〈拡盾〉」


 攻撃力自体はあまりないのか、シェンラさんが簡単に盾で防ぎ、


「〈粘毒〉」


 インクの影から出てきた、電気があんまり効かなかった人に毒を食らわせられた。

 不味いな。

 このゲーム、結構隠しステータスがあって、珊瑚は生存できる環境が限られているせいか、毒に弱い。


「マドカ、シェンラと交代。多分毒以外にロクな攻撃手段なイ。広範囲を守れるシェンラはインク待機」


 アンペルさんはしっかり司令官やれてますね。

 毒の人(電気効きにくい人)は、交代を阻止しようとしたけど、ガンツの牽制でなんとか交代できた。

 マドカの方は、スキルが毒持ちのヒュドラだからか、毒は効きにくい。


「〈巨蝕〉」


 墨の中からデカい触手が薙ぎ払われて……ギリギリでシェンラさんが防いだ。

 しかし、これで自由に動ける前衛はいない。

 そこに……白色の線!

 

「〈リッター7K〉」


 狙われたのはRex……ライフで受けれないガンツや、バイクで逃げれるアンペルではなく、ライフで受けるRexである。

 普通に6割くらい食らった。

 さらに、マーキングされたのか、8本の触手……いや、幻影も混じって16本まで増えた触手が迫ってきて、


「うわー、触手がー。凌〇されるー。同人誌みたいにー(棒)」

「ねえ、〇辱って何?」

「……ちょっと何言ってるか分かんない」


 おいRex、純粋な中学生ファニーに変な言葉を吹き込むな!

 ガンツ(シスコン)が聞いてなくてよかった。


「よくもうちの可愛い可愛い可愛い(中略)妹に変な言葉吹き込んだなァ!」


 ……予測でキレんな。

 一本の矢を取りだして、自分の心臓を貫き、生き返る。


「〈捧命矢〉10」


 彼のライフが10個減って、矢が光り輝く。

 あいつバカじゃねーの?


「やれ、Rex」

「〈ラウド・コンフラグレイション〉」


 対戦序盤から撒きまくっていた油を一気に着火させて、タコの足を燃やしつつ、墨を薄める。

 そして……見えた、隙の糸!

 本体と幻影で二人いるが、ガンツ君は分かっているみたいだ。

 ライフを10支払った、光り輝く矢がタコの一人を貫き……タコをドロップしたから、合ってたみたいだ。


「まだまだ、〈捧命矢〉19」


 ……おい、19ってあとストック一つしか残らないぞ。

 さっきよりも強く光り輝いた矢が、マドカが相手をしていた毒の人を貫いた。

 ……少しは頭残ってたんだな。

 毒の人は魔法全般の効きが悪く、今回のメンバーではガンツしか突破出来なかったんだ。


 残りは、インクの人と、巨大触手と、幻影の人か。

 こっちはまだ全員生存しているので、有利にも見えるが、


「〈インク爆弾〉」


 正四面体の物体が投げ込まれ、Rexが蹴っ飛ばそうとしたが……幻影。

 その影に、本物の爆弾があって、


ドカン

 

 白いインクが弾けて、ストック1まで捧げていたガンツと、HPをかなり削られていたRexは死んだ。

 アンペルはバイクで逃げれたけど、アタッカーはもう彼女しかいない。


「〈700ボルト〉」


 インクの人に、電撃を放ち……幻影の人が代わりに受けた。

 入り方からして幻影の人は耐久型、巨大触手の人は前衛のどちらかがいたらなんとかなるので……アンペルとインクの人、どっちが先に倒せるかの勝負。


「〈リッター7K〉」


 インクの人の射線上にマドカが入り、籠手で防いだ。

 できれば盾を持っているシェンラさんの方がよかったが、巨大触手に邪魔されて、交代する時間まではない。


「〈エレクトロ・ディスチェンジ〉」


 今度はアンペルの誘導電流が、真っ直ぐに飛んでいき……幻影の人が防ごうとしたが、ギリギリで回り込んで背後から電流を当てる。

 流石にワンパンはできなかったけど、確2(確定2発)はとれてる。

 もう一発食らわせれば勝ちだ。

 その時、相手は新しい武器を取り出して、


「〈ハイドラン〉」


 ガトリングガン。

 砲身が回り始めて……マドカでは大量の連射は受けきれない。


「〈エレクトロ・ディスチェンジ〉」


 二回目の誘導電流が、幻影の人を迂回して、インクの人に直撃し……幻影。

 ミワの十八番、ステルスデコイか。

 そして、ガトリングの回転が止まり、


「発射!」

「乗って、マドカ!」


 無数のインク弾が発射され、アンペルはバイクで回避運動をとる。

 マドカが半分くらい受け止めるが、体にインクが付着していき、


「アンペルさん、前!前!」

「え……ア」


 いつの間にか進行方向に巨大触手があり……アンペルがやられた。

 まあ、要するに……負けです。





「……ごめんなさい」

「いや、相性と構築が悪かった」


 魔法が効きにくい人がいるのに魔法アタッカー二人だったり、思いっ切り視界を悪くされたりな。

 結果論だが、前衛の一人を攻撃もできる俺かミワにするか、後衛の一人をギコーかラチックあたりにすれば、まだよかったかもしれない。

 《タイムスリップ》には勝てたんだがなぁ。


 【ウミウシ】


 能力:毒喰い 電気、炎耐性 持続回復……


 海に住む鮮やかなナメクジみたいなやつ。

 実は、筆者の一番好きなポ〇モンは、トリ〇ドン(東の海)で……優遇されてますね。

 あの声良くね?

 電気、炎耐性はポケ〇ンのせい。


 【イカ】


 能力:インク魔法

    マーキング


 普通に考えたらほとんどタコと一緒になるから、スプ〇能力になった。

 3楽しー。


 【クラーケン】


 能力:巨触手


 伝説の巨大なタコ、もしくはイカ。

 攻撃力と範囲が大きいため、触手は二本までしか出せない。

 ギリギリまで1本までしか出せないように見せかけてた策士。


 【(しん)


 能力:蜃気楼


 中国の伝説巨大ハマグリ。

 蜃気楼が出せる。

 ミワのデコイとは違って、自分以外のニセモノを作れる代わりに1度に1つしか使えない。

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