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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
8/110

友達、参戦

「今からログインする」

「いいか、美味しい魚だぞ、美味しい魚」

「分かってるよ」


 ついに、東間と妹の統華(とうか)がプレイ開始するらしい。

 笑いながらパーティを組んで狩りをしてたリア充どもを、後ろから殴り飛ばしてやろうかと悩むこともなくなるのだ。


「じゃ、初期リスで待ってるぞ。赤い髪が目印だ」

「おう。お前より良いスキルを引いてやるからな」

「美味しいのだぞ」


 そう送ってメールを閉じ、俺もログインした。


 二人ともあんまり設定を凝るタイプではないので、そこまで時間はかからないだろう。

 メールの通り初期リスの周りを歩き回っていたら(止まってる判定対策)……急に自分のファッションに自信がなくなってきた。

 客観的に言うと、赤髪に黒スーツとサングラス(某ケイドロ番組のハンターみたいなやつ)だからなあ。

 近くの食料屋で聞いてみた。


「すみません、これから友達が来るんですけど、このコーデで大丈夫でしょうか?」

「完璧だよ。文句の付けどころがない、実にエレガントなコーデだ」


 少し笑ってるような気もするが、店番のNPCは満面の笑顔でそう言ってくれた。


「ああよかった。これ3つ下さい」

「毎度あり」


 それから、歩きながら購入した魚の丸焼きを食べていたら……がたいがいい男が来た。


「お、お前、悠馬か?」

「ああ東間。今回もイグノだ」

「俺もガンツのまま」


 確か、好きなアニメキャラの名前だっけ。フッ、甘いな(謎)。

 こいつも、俺と同じく髪色だけ変えたようで、濃い青色になっていた。


「で、お前その服はどうした?」

「店員さんにお勧めされた。似合ってる?」

「あ、ああ、似合ってるよ」


 なんか顔が二ヤついてる気もするが、何故だろうか。


「なあ、止まって話そうぜ」

「俺は止まんねぇからよ、俺が止まんねぇかぎり、その先にお前はいる!だからよ……止まるんじゃねぇぞ……」

「名言を汚すな。で、なんで止まんねえの?」

「スキルのせいで止まったら死ぬ」


 ガンツの周りをグルグル回りながら、俺のスキルの話をした。

 今まではそこまで気にならなかったけど、友達といるとウザいな。


「という訳で、止まったら5秒で死にます」

「マジかよ。ていうか、マグロって美味しい癖に、あんまり強くないな」

「結構お世話になってんだぞ」


 そう言って、ガンツの頭にチョップをかましたら……死んだ!?

 急に倒れこんで目を開かな……開いたわ。

 確かに死んでたはずなのに、生き返っている。


「どういうことだってばよ」

「……これが、俺のスキルだ」

「チョップ!」

「……(死→生き返る)」


 死んだら生き返るって、そんな生物いるのか?

 ニコニコ笑いつつ、もう一回チョップをしようと構える。


「もうその辺にしてくれ」

「チョップ!」

「……(死→生き返る)」


 これ以上伸ばすのも面倒だから、さすがに止めた。

 少し顔が険しくなっているが、許してくれるようだ。


「で、なにがモチーフなんだ」

「マンボウだ」


 ペンギンの解説によると、マンボウは一匹で3億個もの卵を産む。

 それなのに、海がマンボウで埋め尽くされない理由は、すぐ死ぬかららしい。

 だから、マンボウの能力も、すぐ死ぬ代わりに命をストックできるというもので、最大で30回死ねる(今は俺のせいであと27)。

 ストックは、3分に1つ追加される。

 あと、面白そうだという理由で、半分までなら街中でも攻撃を受ける特別使用。


「面白いスキルもらったなぁ」

「お互い様だろ」


 これは残った統華さんにも期待が高まります。


「てか遅くね?」

「いや、もう来る」


 口角の端を上げながらガンツがそう言った時……オレンジ髪の少女がログインした。

 ほらなっと親指を立てて笑うガンツにドン引きしつつ、その少女に話しかける。


「久しぶり、統華ちゃん」

「久しぶりー。こっちではファニーって呼んでね(キラン)」


 あれ、あんな子だっけ?

 ちょっとってか、大分キャラ違くね?

 現実では俺に対して敬語なのに(東間もキモイ時は敬語を使われる)。


「お、俺はイグノ」

「俺ガンツ」

「……何で歩き回ってるの?」


 まあ、手をグーパーしてるだけでもいいんだけど、5回気を抜いたら死ぬからなあ。

ファニーにもスキルの説明をしておく。

 ガンツも自分の取扱注意と言って、チョップで死んでた。


「で、モチーフは?」

「ベニクラゲ」


 ペンギンの解説によると、寿命がない生物。

 詳しい説明は除くが、このクラゲは、若返ることができ、『不老不死』と言われることもある(食われたら死ぬ模様)。

 その能力として、死んでもステータスと体の大きさを代償に生き返ることが出来るらしい。

ただし、それだとただのチートだから、一定のステータスを下回ると生き返れなくなる。

 ちなみに、遅れた理由は、釣れたクラゲに触れたくなかったから。


「お前ら兄妹どんだけ死にたくないんだよ」

「俺はすぐ死ぬからセーフ」

「そっちは命が(はかな)いのよ」

「……(死→生き返る)」

「ねえ今なんで死んだの?言葉のナイフ?」


 画して、自傷と生き返りの歪んだパーティが完成しました。


 キャラの名付けは、魚の最初の文字を入れるようにしてました。

 マグロ →ゆうま

 マンボウ→とうま


 そのせいで両方に『ま』が入ったけど、ベニクラゲの『べ』が入る名前が思いつかなくて断念した。

 ちなみに『統』には『すべる』という読み方があり、一応べが入ってる。


 解説いらない


【マンボウ】

 能力:命を30個までストックでき、3分に1つ溜まる(死んだあとに一瞬無敵時間)

    すぐ死ぬ


 ほとんどは作中で語った通り。

 寄生虫が多いとかの特徴もあったが、いい感じの能力にならなかった。

 世界一卵を産む生物。

 生き返るというよりは代わりがいるって感じだから、押しつぶされたとかだと、人が入れる最短の空間に生き返る。


 【ベニクラゲ】


 能力;死ぬとステータスと体の大きさを犠牲に生き返る

    ステータスが一定以下になると死ぬ


 これも作中で語った。

 小さくなるとは年齢的に小さくなるということだが、精神には影響なし。

 レギュラーキャラはなるべくメジャーな生き物にしたかったけど、生き返る系の能力にもしたかったため泣く泣く採用。

 あとあと空想生物も入れていくつもりだけど、こいつは実在する。

 初めて存在を知った時はかなり驚いた。

 中には2億年以上生きてる個体もいるとか。

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[気になる点] 統華の【ベニクラゲ】はステータスと大きさを代償にして生き返るけど、ステータスはもとにもどるのですか?
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