今度は勝つ!
第4回イベントの予行演習として、ジャロイーさん率いる《タイムスリップ》と対戦しているところ。
色々あって、一戦目は負けてしまったから、
「とりあえず一勝したいな」
「次は誰を選出する?」
「……ちょっと、やってみたい構成があってね」
ってことで2戦目は、イグノ、ガンツ、ミワ、ギコー、ラチックの超物理5人構築で行くことにした。
決闘が始まる前に、前衛はイグノとミワ、中衛にギコー、ラチック、後衛にガンツの陣を組む。
相手のメンバーは……ジャロイーさん、ギザギザ頭(死ぬと強くなるやつ)と……あとは分からないな。
まあ、何とかなんだろ。
『デュエル開始ィィィ!』
開始の合図が鳴り、真っ先に、
「〈殺戮魚の声〉」
ラチックが、いつもの攻撃力と素早さを上げるバフを全員に掛けた。
今回は全員物理の構築なので、バフが最大限に活かせる。
このアドバンテージはとっておきたいので、できるだけラチックとジャロイーさんは近づけたくない。
そして、相手の構成は……前衛にギザギザ頭ともう一人、中衛にジャロイーさんとハサミ持ち、後衛に一人だった。
とりあえず、前衛の俺とミワで、相手の前衛二人と衝突した。
俺の相手は、ギザギザ頭の強くなる奴。
「〈アクセルブロー〉」
相手の後衛たちに手出しされる前に、さっさと倒すため、加速ナックルを食らわせた。
防御は低いみたいで、一回死んで……マドカから聞いた通り、少し大きくなって復活している。
「〈一閃〉」
ギザギザ頭の剣が振り降ろされ、右手の[クマ魚の返り血]で防いだ。
確かにさっきよりも少し力が強い気がする。
だが、まだどうにかなる範囲だ。
加速のCTが溜まるまでは、俺も攻勢に出にくいので、ふとミワの方を見てみると……なんだあれ。
ミワの顔が幾つかあるのは分かる。どうせデコイだからな。
だが、相手の顔が幾つもあるのはどういうことだ?
その時、本体のミワの逆刃刀が、分身の腕を切り落とし……その腕から、体が生えてきた。
なるほど、分裂の能力か。
ステータスにデバフがかかるみたいだが、分裂体にも実体はあるみたいで、
「〈オーバーラップ〉」
分裂の人が、ナイフと矢を重ねて……一瞬当たった場所が光り、水流が乱れた。
十八番の〈ステルス〉でデコイと入れ替わる技を使ってたから助かったけど、あれには当たりたくないな。
ちなみに、相手の分裂体は、一人一人違う武器を持っていて、小型の弓矢やナイフなどを使っている。
とにかく、時間を掛ければ多分ミワが勝てるだろう。
とりあえず、溜まっていた加速で、二回目の復活……ちょっと足りなかったから、ガンツが倒し切り、二回目の復活になった。
「〈閃光斬り〉」
「ッツ」
やばくなってきた。
マドカのいうところによると、あと一回復活できるらしいんだが、そろそろ危ないぞ?
「ラチック、純愛頼む」
「ええ、〈殺戮魚の純愛〉」
「……ねえ、俺たちには使えないの?(ニヤニヤ)」
「……厳しい条件があるのよ」
よし、ラチックのバフが強くなったお陰で、また余裕で立ち回れるようになった。
それを見て危機感を覚えたのか、相手の中衛の一人である、ハサミ持ちが前に出てきたが、
「〈シーザーズ〉」
「〈チェインアニマ〉」
こっちも前に出てきたギコーが、それを迎撃した。
お互いの4番バッター同士がぶつかり合う。
だが、ラチックのバフがある分、ギコーの方が少し優勢だ。
このままなら、多分押し勝てる。
後は、まだ相手の後衛のスキルが分かっていないのが不安なのだが……後衛が動き出して、
「〈強酸〉」
俺の方に、グレーの液体が飛んで来た。
ギリギリ加速が溜まったので、それを使って避け……液体が付着した決闘場の床が、溶けた。
酸魔法か。
「〈マグネッターΩ〉」
ガンツの矢が酸の人に飛んで行ったが、相手にたどり着く前に矢が溶け切ってしまった。
さっきから動きがなかったのは、酸の壁を作っていたからか。
なんとか良い位置取りをして、酸の人の射線上にギザギザ頭を置いて、魔法を飛ばしにくい様にしたけど、
「〈強酸〉」
酸の人の声がして……ギザギザ頭に、思いっ切り酸が降りかかった。
「ッツ」
すぐに着ていたスーツを脱いで、できるだけ酸を防いだのだが、それでも2割ほどダメージを食らってしまった。
さらに……酸で死んだギザギザ頭が最後の復活、つまり、一番強い状態になっている。
最初の一撃は加速で避け、カウンターまで食らわせたが、もちろん一回の加速では削り切れない。
……さーて、とりあえずあと10秒稼ぐか。
酸まみれになった[八九三 キャスィーツ]のポケットから、飴を取り出して、咥える。
「〈閃光斬り〉」
アイテムボックスから木刀を取り出して、相手の剣を防いだのだが……力が強すぎる。
「ラア!」
「グッ!」
決闘場の壁まで、吹っ飛ばされてしまった。
さらに、今までタイミングを計っていたジャロイーさんが前に出てきて……手が空いているのは、ガンツとラチックしかいない。
『ガンツ、ジャロイーの相手、私は酸使いに突貫するわ』
「了解。これ持ってけ」
ガンツが一本の矢を渡して……磁気を付与した。
ジャロイーさんから逃げやすくするためだろう。
幸い、彼女はスキル封印にMPが必要なせいで、あまりステータスは高くないから、最速で酸使いへと向かうラチックは止められない。
ガンツのスキルが封印されたとしても、死ににくくするために防御も割とあるので、そこまで問題ないだろう。
これで、残っている問題は、
「〈閃漸瑠鋭〉」
「クッ」
俺のところですね。
自分の身長の2倍もある相手の刀を、ストックしていた木刀で受け止め……折れて、右腕が切断された。
流れるような動作で予備の木刀を取り出し、次の攻撃をギリギリで流した。
とりあえず溜まった加速を使って、
「〈花剣舞〉」
頭、肩、腹、足ィ!
左手の木刀でギザギザ頭に猛攻を加え、さらに鋭い花びらが、やつに刺さっていくが……ギリギリ削りきれない。
俺の体力は残り4割で……【リーフィーシードラゴン】になっちゃったから、もう加速はできない。
「〈閃漸瑠鋭〉」
「ッチ、〈補強〉」
補強した木刀で、なんとか剣を防ぎ、
「〈杉森〉」
森を作り出して、巨大化している相手を行動しにくく
バキバキバキ
「こんなもので俺は止められねえ!」
「環境保護団体に謝れ!」
なんて奴だ、力押しで無理やり森を破壊するなんて。
「〈一閃〉」
俺の頭に、相手の刀が迫ってきて……
「〈ジャック・チフ〉」
いつの間にかハサミ持ちに勝っていたギコーが、なんとか防いでくれた。
「大丈夫か?」
「ああ。サンキュー」
あぶねえ、やられるところだった。
そして、
「合わせろ」
「オーケー、〈硬木〉」
もう一度振り降ろされた刀を、木で防いで……チェーンソーに木刀を重ね、
「チェーンドバスター」
合体技で、消し炭にした。
他の戦闘も単体性能で勝ちました。
やっぱバフって大切だわ。
この他にも、イグノ、ファニー、アンペルの超突撃構成や、バランス丸投げのガンツ、アンペル、Rexを入れた遠距離構成など、色々試して……楽しかったです。
合体技 タイミングが合うと、威力が上がるとかいう仕様。
ちなみに技名はアドリブ。
【液滴】
能力:分裂
生物の原初。
全ての生物の親で、アメーバみたいなやつ。
分裂だけだと強すぎだから、ステータスにマイナス補正がかかる。
【メガロドン】
能力:酸魔法補正
超巨大な古代の魚。
ほぼ酸とは関係ないけど……丸のみにしてたから、胃が強いんだろ。
古代の魚ってデカいのバッカなんだよ。
ちょっと最近体調がイカレてるから、更新止まるかもしれない。
更新ない日は、活動報告に書きます。