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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
7/110

誓ったリベンジ~♪

 町の中に戻れた。

 とりあえず、止まった判定に気を付けつつアイテム欄を開く。

 いくつかのアイテムと、お金が減っている。

 ただ、死ぬ間際に収納した、クマ魚のヒレは無事に持ち帰れていた。

 これを武器職人の弟子さんに渡せば良いのか。



「はい、クマ魚のヒレ」

「おお、早かったですね……なんか付け根のところに血と肉が張り付いてるんですけど」


 ちゃんと見てなかった、そんなの付いてたのか。


「気のせいです」

「そ、そうですよね。ではこれを使って手袋型の武器を作ります。完成まで少々お待ち下さい」

「どれくらい?」

「2時間くらいです」

「ちょっと外出てきますね」


 正直、死んで金をドロップしたせいで、このままでは金が払えない。

 2時間で頑張って稼がねば。



 結局3時間掛かったわ。

 ネットで金が稼ぎやすい狩場を調べておいて助かったー。


「で、これ、なに?」

「……広義的に言えば手袋です」


 もう一度鍛冶屋の裏に行った俺が見たのは……真っ赤なメリケンサックだった。

 これでどうやって毒肌を防ぐんだよ。


「ねえ、どうしてこうなったの?」

「いや、職人として高みを目指したくなりました。実はあのクマ魚のヒレってレアなんですよ!」

「そんなん取りに行かせんな」


 っていうか、この服装にメリケンサックって、完全にヤク〇じゃん。

 手袋だったら執事になれたのに。


「で、でも攻撃性能自体は凄いんですよ。使ってみてください」


 弟子さんに言われた通り、右手に嵌めてみると……確かにステータスが格段に上がるのを感じる。


「でもなー……そういや何で真っ赤なの?」

「…………(ヒラメキ顔)素材に血がついていたからです」

「嘘つけ絶対塗装だろ」


 ちょっと店長にチクってこよう。

 弟子さんに引き止められつつも、強引に引きずって、店の表側にいる、こいつの師匠にみせてやった。


「店長さん、弟子さんに手袋頼んだらこんなの作られました」


 いぶかし気な顔をした店長さんが、俺の手に嵌っているメリケンサックをジロジロ見て……泣き出した。


「お前……よくここまでの物を作れた」

「は、はい」

「もう教えることはない、ここを出て自分の店を持て。費用は俺が持とう」

「し、師匠ーー」


 大の男が二人で大泣きしながら抱き合ってる。

 ……どんな顔をして見ればいいの?


 終わる気配がしないから店の中を回って、全ての武器の名前を覚えた頃、店長さんに呼ばれた。


「待たせたな」


 いやホントにね。


「お代は結構だ。こいつの才能を引き出してくれてありがとう」


 やった。

 なんだこれ。ていうか、要求と違う武器を作った件は?



 けど、こいつの性能がいいのも確かだ。

 元の攻撃力が低かったのもあるが、装備の上昇値のおかげで、加速がなくてもそこらの雑魚ならワンパンできる。

 さらに、もう一つの機能もある。

 と、いうことで。


「リベンジだ」


 真っ赤なメリケンサック、通称[熊の返り血(リベア)]を付けた俺は、さっき死んだ洞窟に来ていた。

 あのクマ魚を今度こそボコボコにしてやる。

 さっきと同じ洞窟に入り……忌々しい声が聞こえてきた。


「グオーーーー」


 片方のエラがないクマ魚、さっきと同じ個体だ。

 俺が死んだ時にドロップしたマグロに味を占めたのか、以前よりもさらに攻撃的になっている。

 まずは、恒例のクマパンチを繰り出し……一回目の加速。

 そして、[熊の返り血(リベア)]にMPを込めると……鋭いトゲが生えてきた。

 クマ魚は爪を伸ばして攻撃してくることもあるから、そこへのリスペクトだろう。

 懐に潜り込んでラッシュを放った。

 HPバーがみるみる減っていき……あと4割。


 あとは、二回目の加速まで耐えきれば勝ち。

 だがそれは……さっきもやった。

 加えて言うなら、お金稼ぎでレベルが上がり、ステータスも上昇している。


 さっきよりも長い怯みの後、両手が同時に動いた。

 そのまま X を描くように腕を振るう。

 だが、俺は余裕の表情を浮かべながらへたり込んで……洞窟の突起でクマ魚の腕が止まった。

 そのまま股抜けをして背後をとり、数発入れる。

 けど……あんまり効果がないな、素の攻撃は低いし、スピードも全然ないし。

 だが、加速CTは半分を切った。

 次の攻撃さえ何とかすれば、後は加速でどうにでもなる。


 クマ魚の行動は……右手の振りかぶり。

 だがそれはさっきも見た。

 今回はしっかり爪が伸びて来るのも含めて間合い管理をしているので、ちょっと下がるだけで避けられた。


 そして……タイムオーバーだ。

 加速を使って、もう一度ラッシュを叩き込み、勝利した。

 可哀そうだったから今回は剝ぎ取らなかったが、クマ魚のヒレをドロップアイテムで落としてくれた。

 ありがとう。今度東間にでもあげよ。

 この小説内で、ステータスの実数値を書く予定はありません。

 理由は面倒だから。最初は書くつもりだったけど、難し過ぎて断念した。要望が多かったら頑張る。


 こっちの方が速いとか、レベルとかには触れていくので、その辺から推測してください。

 あと、特殊なスキルが絡んでいない限りは、『どこかが高いステータスになっている時は、どこかが低い』という認識でお願いします。


 例 攻撃と素早さが高い→防御は低い

   全部バランス的に上げてる→特化には負ける

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― 新着の感想 ―
[良い点] コメディーみたいなところもあって楽しい ゲームの設定が多すぎなくていい 武器のネーミングセンスいいね! [気になる点] いぶし気な顔をした店長さんが →いぶかし気な顔をした店長さんが [一…
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