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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
69/110

ガチ陰キャ型はにわ

「第二形態だろ」

「BOOOOOOOO」


 土偶魚の中から出てきたのは……はにわ魚。

 甲冑を着けている型で、(゜○゜)こんな顔をしてるのが愛嬌があると捕えるか、ムカつくと捕えるかは人によるだろう。

 ちなみに俺はムカつく側。


「〇ね!」

「ヘイト高いね」


 飴を咥えて、全力の加速ラッシュをお見舞いしたが……全然効いていない。

 こいつ、一転して硬くなりやがった。


「BOOOOOO」


 はにわ魚が叫んで……俺たち全員のHPが段々減っていっている。

 ステータスを見てみると、古代の呪いに罹っていた。


「高い耐久力と毒で削りきる、陰キャ型か」

「いや、それだけじゃないらしいっすよ」


「BOOOOOOOOOO」


 辺りの地面が盛り上がってきて……大量のスケルトン魚が起き上がって来た。

 

「ガチ陰キャ型じゃねーか!」

「同族嫌悪でもしているの?」

「いや、生徒会やるような奴は陰キャじゃないから。あと司令官の仕事してくれ」 

「そうね『マドカはボスの攻撃に備えて。Rexは全体攻撃、ミワはボスにダイレクトアタック、イグノは加速の時だけボスに攻撃。私は雑魚処理していくわ』

「火力足りるか?」

「微妙ね」


 仕方ないな。ギコーでも連れてくれば楽だったんだが。

 まあ、ラチック以上の策も思いつかないし、一先ず指令に忠実に従う。

 一体一体の強さはそこまででもないので、Rexに群がって来るスケルトンを吹っ飛ばして、加速が戻った時だけボスに攻撃した。


「〈流墜漸(りゅうついせん)〉」


 得意のデコイをどっかに投げたミワが、全力のスキル攻撃を行い、申し訳程度に振られる埴輪魚の剣を、マドカが受け止める。


「〈ラウド・コンフラグレイション〉」


 Rexがスケルトン達に全体的にダメージを与え、


「〈リングス・トライデント〉」


 ラチックがそれに止めを刺してく。

 もう後は呪いでHPが削りきられる前に、陰キャはにわを削りきれるかの勝負。

 そして……これ以上書くことがない(作者の本音兼悲鳴)。




「……なあ、これ足りると思うか?」

「私の計算によると……足りないわね」


 今、こっちのHPが大体あと2割(割合ダメージだからマドカの損害も多い)で、陰キャはにわのHPがあと4割。

 普通に足りない値である。


「すみません、私が火力を出せないから」

「いや、マドカが剣を引き付けてくれたから、ミワが攻撃に集中できたんだ。十分役に立ってるよ。今度ギコーでも連れてこよう」

「おいお前ら、諦めんなよ!もっと熱くなれよ!」


 と言われましても。

 もうこれはインポッシブルとしか。


『最後の攻撃をします。今からスケルトン魚をガン無視してボスを総攻撃します。マドカは一応スケルトンとその他防御方面、イグノは回復魔法を回して』


 ……それしかないか。


『やるわよ。3,2,1GO』


 一応最後の加速+〈花剣舞〉で……焦り過ぎて加速の前に【リーフィーシードラゴン】に切り替えてしまい、無理だった。

 これだから2割は。


「〈自然の癒し〉」


 大人しくミワとラチックを重点的に回復して、少しでも攻撃時間を増し、


「〈玖洙流漸(くずりゅうせん)〉」

「〈古流槍術・閃光突き〉」


 攻撃部隊がダメージを与える。

 俺の回復魔法で、二人はほぼ全回復したが、スケルトン魚たちを抑えているマドカがやられると、一気に攻撃しにくくなる。

 ここが正念場だ。


「〈杉森〉」


 最後のMPをふり絞って、はにわ魚の体に根を張らせ、


「〈焼却(インシネレイション)〉」


 Rexが燃やしつくした。やっぱ相性良いな。

 一気に1割も削れて、残り2割。

 しかし、


「あとは頼むっす」

「諦めんなよ」


 Rexとマドカが逝った。

 抑えていたスケルトン魚たちが、なだれ込んでくる。

 あと少しならなんとかできるが、俺もあとちょっとでHPが尽きる。


「急げ!」


 もはやスキル無しになって、めちゃくちゃ噛まれてるけど、どうにか抑えれてる。

 だが、今までほぼ意識していなかったはにわ魚の剣が、脳天に直撃し、死んだ。

 これで壁は完全に無くなって、攻撃役にスケルトンが襲い掛かる。


「あなたはスケルトンの対処をしてなさい」

「あんたがしなよ」


 おいおい、ケンカすんなよ。

 ちなみに、ダンジョンで死んで、まだフレンドが生き残っていたら、特別室で観戦できる。


「……もうボスに全力攻撃よ」

「賛成〈フレンド〉」


 ミワが一体のデコイを出し……あいつ、デコイじゃない。

 自立して、攻撃し始めた。

 んなこともできるんだなー。某一般成人おじさんにも見習ってもらいたいものである。

 そして、


「「抜刀術〈葬流漸(そうりゅうせん)〉」」


 ミワがデコイと刀を重ね……一気に削れて


「BOOOOOOOO」


 はにわ魚が倒れた。

 ……なんか特殊な仕様が働いてる気がする。後でちょっと調べてみよう。


 とにかく、なんとかクリアしたみたいだ。

 今までで一番のピンチだったんじゃねーの?


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