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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
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女子会

 分かりにくいけど、視点はファニー。

「できたっすよー」


 拠点にて、マドカが自作のイグノグッツを持ってきた。

 それは簡単な缶バッチのやつだが、拠点にいるみんなが、こぞって貰いに行こうとしている。


 今日イグノは寝ていて休みだ。

 アンペルに事情を聞いたところ、昨日の誕生日を、全校生徒で祝ったらしく、恥ずかしくて寝込んでるとか。

 ……確かに、プレゼントを渡しに行った時の悠馬は、疲れていた気がする。

 ちなみに、現実のミワは、シェンラさんに頼んで実家に帰省してるらしく、今日もログインしていない。

 そんなこんなで、今拠点にいるのは、ファニー、アンペル、ラチック、Rex、マドカの5人だ。


 とりあえず、マドカの缶バッチを貰いに行く。

 何種類かあるらしく、早い者勝ちだから急がないと。

 ざっと見ると……一つだけ、クオリティが飛びぬけてるものがあった。

 ……こんなウィンクしてる写真、いつ撮ったんだろう?


「私これがいい(イ)」×4


 全員が一斉にそのバッチを指さした。


「……私が一番素早さ高いから、私が一番先に取った」

「私の方が反射神経がいいでしょう?」


 ギャーギャー騒いで、遂にケンカになった。

 力のステータスが最も高い私が有利かと思ったが……柔道か合気道?のような技を使ったラチックが立ちはだかり、気づいたら転んでいた。

 他のメンバーも、全てラチック(ラスボス)にさばかれて、


「ちょ、平和的に解決してください!」


 マドカが缶バッチを収納して、ラチックの進撃を止めた。

 あ、危なかった。

 渋々彼女は引き下がって、


「で、どうやって決めるの?」

「はい、スマ〇ラ」

「大体の実力分かってるじゃん」


「はい、ピーチ鉄」

「さ、さすがにあれは……別名友情破壊ゲームっすよ?」


「はい、決闘」

「魔法型……っていうか、足がないあたしが不利じゃねーか!」


 色々あって……すごろくになりました。

 着いたマスに書いてあることを絶対に実行しなくてはならない、特殊ルール。

 順番はファニー→アンペル→ラチック→Rex。


「いっくよー」


 最初の私がさいころを投げて、4がでた。

 4マス先に書かれていたのは……『今日、語尾にニャーをつける』。


「……なるほど?」

「語尾が足りてないゾ」

「……なるほどニャー」


 う……恥ずかしい。


「アンペル、早くやって、ニャー」

「ハハハww。分かっタ」


 アンペルがさいころを投げて、3が出た。

 3マス目に書いてあったのは……『ト〇ピーの声真似』。

 すごく声が高いポケ〇ンだ。


「あんな高い声出せないゾ」

「やらなければ脱落よ?」

「クオリティについては言及しないっすから、全力でやってください」


 覚悟を決めたのか、喉を抑えながら、声の調整を行って……


「いきまス。ちょぎ、ぷりぃぃぃぃ↑↑」


「うま!」

「よくそんな声だせるね……ニャー」


 彼女がはっした声は、思いのほかト〇ピーだった。

 これは文句なしで合格だろう。

 次は、ラチックがさいころを投げて、2が出た。

 お題は……『得意な歌をうたう』。


「これは簡単ね。歌います、曲は×××」


 ちょっと旬が過ぎてない?

 聞くまではそう思っていたが、



パチパチパチパチ


 これも上手かった。全員から拍手が送られる。

 ラチックって、こういうこと得意なイメージがあるから……強敵になるかもしれない。

 さて、最後のRexはが出した目は、6。

 お題は、『語尾にアルをつける』。


「……結構楽アル」

「言うほど楽かしら?」


 さて、次は私で……出た目は3。

 一番早くゴールした人が、例の缶バッチを貰えるのだが、さっきのと足して、まだ7マスしか進めていない。

 ちょっと不安になりつつも、7マス目のお題は……『猫耳カチューシャ』。


「……にゃん!」

「猫ちゃんセットアル」


 く、屈辱……。どこのぶりっこよ。


「さて、次は私だナ。よっト」


 アンペルの出した目は、2で、5マス目に進んだ。

 運が悪いなぁ。

 お題は……『10秒以内に即興俳句』


「……エ?」

「はい、10、9、8……」

「ちょっと待て、うーんと……『女々しいな 彼に群がる わが友よ』」


「(ギロッ)」

「あなたの彼氏じゃないにゃー」

「……ねこが様になってきてるアル」


 まあ、10秒で考えた俳句だし、ちょっと内容がトチ狂ってても仕方ないかな?

 と、友と言っても何言われないことで満足しているアンペルを放って、次のラチックがさいころを投げ、出た目は6。

 8マス目のお題は、『メイド服』。


「たまに着るのだから、問題ないわ」

「……それはそれでどうなんダ?」


 そんなこんなで、次はさっき6を出したRex。

 今度の目は3で、やっぱり一番先に進んでいる。

 9マス目に書いてあるのは……『好きな人の似顔絵、似ていたら3マス進む』。


「そんなマスもあるにゃー?」

「ちゃんと実力要素も入れるっすから」


 なるほど、こうやって他の人と差を作っていくのか。

 そして、Rexの書いた似顔絵は、


「なんだこのグロせいぶツ?」

「まだ中二の子までいるのに、年齢制限が付きそうな絵を描くのはやめてくれないかしら?」

「追加マスはなしっす」

「いや、どう見てもイg」


 決定的なことを言われる前に、私は次のさいころを投げた。



 ◇



 なんだかんだで、最終局面。

 全員の衣装や語尾や一人称などがカオスになってきて、世紀末みたいな状態になっている。

 簡単に説明すると、


2位ファニー 語尾にゃー+ざます 猫耳メイド 一夜5万円と書いてある看板持ち

3位アンペル English(英語) プリ〇ュアコスプレ 顔に×キズのメイク

1位ラチック 字幕しゃべり メイド 一人称それがし

4位Rex 語尾にアル チャイナドレス 右手に痛い包帯を巻いてる


 順位はあるけど、そこまで離れておらず、誰でも一位を狙える盤面。

 

「いくにゃーざます!」

「この語尾に慣れてきた自分がいるアル」


 私が出した目は5で、ゴールまではあと2マス。

 お題によっては、ワンチャンゴールできるところだが、お題は……『一発芸、誰も笑わなかったらスタート地点に戻る』。


「Oh my goshなんてこっタ

「んー(みんな、絶対に笑わないで)」

「ちょっと、それずるいにゃーざます!」


 少しだけ内容を考えて、


「ちょっとアンペル来て」

「What?(なあ二?)」


 一番笑いやすそうな、アンペルを呼び出して、真面目な声と顔で、


「息を止めて君を見ると、胸が苦しくなるんだ」

「Hahaha www」


 なんとか笑わせることができた。

 昔徹夜明けの悠馬に言われたことを覚えておいて助かった。


「Im next(次は私だナ)」

「早くするアル」


 アンペルはあと9マスでゴールだが、出た目は4。


「まだまだにゃーざます」

「But next time, I can finish(けど、次の回にはゴールしてやル)」


 相変わらず何故か英語の上手なアンペルが、マス目に書いてある内容を見て……『スタート地点に戻る』。


「Are there any conditions?(何か条件はないの?)」

「いや、無条件スタート地点っすね」


 草。

 これで、あとライバルは二人か。


「んー(私はゴールしてみせる)」


 ラチックは、あとゴールまで4マスだから、それ以上がでるとゴールされてしまうのだが……さいころを投げて、3。


「ギリギリセーフアル!」

「んー(ついてないわね)」


 そう言って、ゴールから一歩手前のマスを見て……『全員でポッキーゲーム、勝った人がゴール』。


「……Is it a TV show that gets 1 million points at the end?(最後に100万点貰えるテレビ番組かナ?)」


 どこからか用意された、十字のポッキーを4人で咥えて、少しずつ食べていく。

 段々近づいてきて、他の人の髪がくすぐったくなってくる距離に。


「んー(そろそろ降参してもいいのよ?)」


 字幕で喋れるラチックの文字が視界に現れた。

 でも、そんな字幕でだれも諦める訳がなく、どんどん食べ進めていって……もう口が触れ合いそうになり……真ん中に一つのマークが見えた。


「そのマークを食べた人が勝ちっすよ」


 マドカの追加ルールが発表された瞬間、一番瞬発力があるラチックが、すぐに本気を出して……マークまで食べた。





「……ラチック、その缶バッチ何?」

「んー(激戦の末に得た、戦利品よ)」


 なんだこの字幕?


 この後アンペルとも喋ったけど、なんか英語で喋っていたせいで、全く意味が分からなかった(中学英語)。


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