おまたせしました
深夜テンション回です。
分かりにくいけどガンツ視点
「ウェーイ!」
……イグノが壊れた。
聞いてみると、黒歴史的な感じで、寝ようとしたら誕生日の醜態(?)がフラッシュバックして、寝れなくなったらしい。
ちょっとやり過ぎたかな?
「寝ようとしても寝れないぜ!」
「ハイテンションだなー」
……まあ、いつも通り、良い感じのダンジョンにでも行くか。
でも、最近は難しいダンジョンしかないのに、今いるのは俺とイグノの二人オンリー(午前4時だから仕方ない)。
難易度が高いのしかないなぁ。
そう思いながら、適当に参テルを歩いていると、突然イグノが加速した。
「悪・即・斬!」
そう言って、向かってきた男を殴り飛ばした。
町中なのでダメージは入っていないが、ひっくり返って、持っていた袋を落としている。
「おい、何やってんだ?」
「あっひったくりだーよっと」
男が向かってきた方向から、一人の女性が追いかけてきた。
あの人がひったくられた人かな?
「取り返してくれて、ありがとうございます」
「いえいえ。あれ……いつぞやの野球の人じゃぁないですか。フー」
ひったくられた袋を渡しながら、何かを話していた。
よく見ると、野球大会決勝戦の一塁、スキル封印の人だった。
「じゃ、気をつけなよ。アデュー」
「待ってください」
進もうとしていると……イグノがスーツの袖を捕まれていた。
あいつは、ヘラヘラしながら、
「どったん?」
「……今日、時間ありますか?」
新しいフラグかな?
統華と結ばれる可能性が低くなるので、とても大歓迎である。
◇
「お願いがあるのです」
スキル封印の人、ジャロイーさんは、そう切り出した・
どうやら、グレ壱からユ弐レイに行くための火山前で、DQNがタムロしているらしい。
UAOでは、町から町へワープできるから、モンスターがグロテスクなのもあって、基本的に上級者はその道を通らない。
だから、初めて通るような初心者たちに対して、通行料を取っているようだ。
「それで、私の友達がやられてしまったのです」
「許せねえ!(バン!)」
……Rexでも乗り移ったか?情緒不安定だなぁ。
「……クランの他の人たちは繁忙期で忙しく、人数が足りないので、討伐に参加してくれませんか?」
「ああ、俺たちに任せておけ。バットを交えた仲だからな」
……しっかり俺も含まれているのか。
いや、いいんだけどね?
と、いうことで、一人だけ来れるという《タイムスリップ》のメンバーと合流して、例の火山へと向かった。
着くまでに、自己紹介をしておく。
「私は、《タイムスリップ》のリーダー、ジャロイーです。バランス型で、【クロノサウルス】のスキル封印ができます」
このひとがリーダーだったか。
スキル封印は能力なしと同じなのだが、複数人のスキルを封印できると、一気に有利になるだろう。
イグノと組ませて、高速移動したら強いかなかな?
「ミケっていいます。【アーケロン】の盾補正と合わせた耐久型です」
なるほど、壁役か。
ちなみに、野球ではキャッチャーをやっていたらしい。
次はイグノの自己紹介だな。
「俺はイグノ、天下一のヤ〇ザにして、最強のDQN狩りでございやす。【海馬組】のリーダーで、【マグロ】の加速は天下一」
こいつ語彙力終わってんな。
俺も適当に自己紹介を終わらせてから、簡単な戦略を立て、例の場所に着いた。
ジャロイーから聞いた通り、4人のDQN男たちがタムロしている。
「おいおいおい、この道を通ろうっていうのか?」
「通行料10万円払えや!」
初心者に10万円って、集めるのに半月くらいかかるぞ。
「おうおう、テメェらが初心者から金巻き上げてる、最低ゴミカスミミック野郎かぁ?」
おい、ミミックはもっと凶悪だぞ。
「とにかく……あれだ、死ね」
戦闘開始。
続きます
アーケロンは古代のカメです。解説は次の回。
DQNとは非常識で軽率な行動をする人のこと。