〇〇〇の仇ィィ!
今回死ぬのは誰でしょう?
「よし、リベンジするか」
この前は、廃墟のダンジョンでPKクランに襲われ、勝てはしたのだが、大きな損害を被って撤退することになった。
もう夜も遅かったし、また後日にすることになり、同じメンバーが集まれる日に再集合した。
グレ壱外れの、廃墟ビルに、前回と同じメンバー、イグノ、アンペル、ギコー、Rex、マドカで挑む。
ここのモンスターは、透明になることだけが取り得みたいなもんだから、適当に先行させたアンペルが電域で轢き殺して、ボス部屋に着いた。
「シャア、倒すぞぉー」
「おー」
廃墟ビル最上階の、最後の一室のドアを開けた。
広い部屋だったのだが、
「誰もいないな」
「……おかしいっすね」
前衛の、イグノ、マドカでボス部屋に突入し、部屋を見回してみたが……魚一匹存在していない。
しかし、ほとんどお化け屋敷のようなダンジョンで、神経質になっていたアンペルが、
「いるゾ〈700ボルト〉」
部屋の中央に向かって、電撃を撃って……何かに当たった。
ダメージを受けたボスが、姿を現した……今回のボスは、ただの巨大な幽霊魚だった。
「SYUUUUUU!」
叫び声を上げて、突撃してくる幽霊に、
「〈ジャック・チフ〉」
最初から[回棘裂 チェンソ]を手にしたギコーが、巨大な幽霊に斬りかかったが……スパっと斬れた。
だが、ボスは……斬られたまま、2体に分裂した。
さらに分裂して、小さく多くなっていく。
「〈電域〉」
アンペルと広範囲攻撃で、一気にダメージを与え……あんまり効いていないな。
Rexの方は……攻撃するために油を広げる必要があるから、速攻はできないのが欠点だ。
そして、幽霊は分裂したまま、後衛組に突っ込む。
アンペルは自分のバイクで逃げたので、俺が加速+飴ステータスで、Rexの前に入り、一体一体殴り飛ばして、彼女を守った。
「ダメージ食らってない?」
「ああ、熱い魂を感じたぜ」
こいつ国語下手なのか?そんなんだから留年するんだぞ?
再集合した幽霊のHPは、まだ9割残っている。
多分、分裂している間は防御力が上昇とかあるのかな?
「〈シーヴァーズ〉」
ギコーが再度チェーンソーを入刀したが、すぐに戻ってしまう。
「すまん、今回はあんまり役に立てないかもしれない」
「しゃーない。やばい時のカバーに集中してくれ」
なんとなく俺のぶん殴りも効く気がするし、俺のナックルと、アンペルRexの魔法で……
「SYUAAAA」
幽霊が叫んで……奴の周りに、青い火の玉が二つでてきた。
それを、こっちに飛ばしてきて、
「やばい、逃げろ!」
Rexが叫び……前を張っていた、俺とマドカの周りが燃え上がり、思いっ切りダメージを受けた。
特にマドカのHPは一回で6割まで減った。
Rexが回していた油に引火したのか。
あいつの油は出した後でも操れるからって、途中までは適当に走らせる癖が仇になった。
「にしてもマドカ、削れすじゃない?」
「火には弱いんっすよ。しかも再生できません」
絶対にスキル元のせいじゃん。
「気を付けて油を回してくれ」
「すまん、任せろ」
今度は前衛に当たらないように、サイドから油を回していく。
代わりにアンペルがバイクを乗り回し、
「〈700ボルト〉」
電撃を当てた。やっぱり機動力があるって最強だね。
さらに、俺も加速からのラッシュで、飴の効果もあり、残り半分。
「SYAAAAA」
幽霊が叫んだが、なにも起きな
「ゔっ」
右上の、ギコーのHPバーが急に減り始めた。
後ろにいるギコーの方を見ると……伸びた幽霊魚の影が、背後からギコーを貫いていた。
自分のチェーンソーでその影を斬って、解放されたが、HPの8割は持って行かれている。
「大丈夫か?」
「ああ、俺なら問題ない。というか、最悪俺ならやられてもいいだろ」
「何言ってんだ!お前帰ったら結婚するって言ってたろ!」
「言ってないからな?」
「相手はシェンラだっテ」
「あいつとはそんな関係じゃねえよ!」
そういえば、会った当初はシェンラさん、ミワ、ギコーでパーティを組んでいたんだけど、どんな関係なんだろ?
面白そうだから、今度問い詰めてみよ。
「戦闘に集中しろ」
「アイアイ」
なんか誤魔化された気もするが、あとの楽しみに残しておこう。
さあ、幽霊魚の方を見ると……4体に分裂して、影を操っている。
俺とマドカで、二つずつ影を相手するも、素早い動きに翻弄されて、思ったよりも早く削れていく。
さらに火の玉までやってきて、Rexの油を引火させられ、さらに火力が足りなくなった。
「〈レーザービーム〉」
アンペルの単体攻撃がいったが……ダメージ低くね?
「いつも通り〈700ボルト〉にしろよ」
「エレクトリックバイクの乗りすぎで、あんまり魔力残ってなイ」
……本格的に俺が火力を出さなければならなくなった。
ギコーが俺の引き受けていた影を斬ってくれて、加速。
分裂体の一体に集中攻撃し、そいつを倒しきった。
「離れろイグノ、〈ラウド・コンフラグレイション〉」
そして、Rexの魔法が、全ての分体を攻撃して……残り2割。
影を操っていた、残りの3体が集合して
「アッ」
MPポーションを飲んでいたアンペルの声がして……彼女が持っていた、MPポーションが荒ぶっていた。
四方八方に動き回って……危ないな。
それ以外にも、そこら辺に転がっていた、石ころやら廃材やらも、動き出してぶつかった人にダメージが入った。
ポルターガイストってやつか。
防御が低くて、HPが削れてるやつとかにとっては、致命傷になりそうだな。
「ギコーぉぉぉぉ!」
「あとは……任せた、ぜ」
残り2割しかHPが残っていなかったギコーに、廃材が当たって、光のポリゴンになっていく。
「シェンラさんを置いていく気か!?」
「だから、俺は同s」
何か言いたげだったが、完全に消えてしまった。
「ギコーの仇ィィぃぃ!」
加速を使い切るまで殴ってから、【リーフィーシードラゴン】にして、魔法攻撃に切り替えた。
さっき[八九三 キャスィーツ]の効果が切れ、ステータスが下がっている。
もう一度飴を咥えれば、ステータスが下がる前までに回復するが、火力不足感は否めない。
だから、
「〈杉林〉」
幽霊魚の周りに、杉を生やし、
「〈炎上の油道〉」
Rexの火魔法が当たって、
「SYEEEEE」
さらに杉まで燃え上がって……巨大幽霊魚は倒れた。
このコンボ優秀だな、覚えとこ。
「あたしとブラザー相性いいなー」
「なんか言い方が悪い」
[特能ウロコ]が配布された。
これで、二つ目の鱗器を作れるのだが……次は特殊な効果を持ったのにしたいな。
杉は、燃えやすい木で検索したら、一番上にでてきた。
ちょっと明日明後日の更新が怪しい。
全然やること決まってないのに、いろいろ予定があって、時間がとれないジレンマ。
更新がなかったら察してくれ。