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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
53/110

Rexの仇ィィ!

「Rexゥゥゥ!」


 相手の伏兵によって、Rexが剣で切り刻まれ、死んだ。

 クソ、まんまと引っかかった。

 元から相手も5人のパーティで、俺たちが接敵する前から透明化の能力者を潜ませていたのだ。

 そして、前に進んだ時に、後衛のRexを強襲した。

 さらに、こっちの前衛が思わず振り返った瞬間、


パアン!


 相手の狙撃銃が唸って、マドカの左手も吹っ飛ばされた。


「〈草縛り〉」

「〈700ボルト〉」


 咄嗟に透明化能力者をツタで拘束し、アンペルの電撃を食らわせて撃破した。

 これで4対4か。


 状況を整理すると、


 イグノ HPあと8割 【リーフィーシードラゴン】7分

 アンペル 度重なるフラッシュにより、あんまりMP残っていない

 ギコー HP的には余裕あるはが、当たり所が悪いと狙撃でワンパン

 Rex 死

 マドカ HPあと7割 両手が千切れてる


 斥候のやつ あと6割 素早くて、ギコーの攻撃が当たらない

 盾のやつ あと5割 電撃の通りがいい 物理攻撃はほぼ効かない

 毒魔法のやつ あと半分 イグノのスキルが戻るとこいつで詰む

 狙撃のやつ あと半分 狙いが正確で、攻撃力も高い

 透明なやつ 死



 後衛を直接攻撃できるRexが居なくなったのが痛過ぎる。

 ……火力を上げるか。


「アニキ、俺が前張っとくから、アレ使ってくれ」

「分かった」


 ギコーが少し下がり、代わりに俺が前に出て、マドカと一緒に前線を支える。

 一応、[八九三 キャスィーツ]の効果で、飴を咥えれば加速が無くても相手と渡り合える。


 そして、一旦下がったギコーが取り出したのは……彼の鱗器であるチェーンソー、[回棘裂(かいきょくれつ) チェンソ]。

 俺はもう一度撒かれている毒に対処するため、一旦さがり、


ウィーン!


 チェーンソーが起動し、回転を始めた。

 そのまま、動きが遅い盾の奴に当てて……HPの減りもいい上、恐らく鱗器である相手の盾が削れている。

 このままいけば、十分押し勝てる。


 それは相手も分かっているのか、さっきから毒撒きしかしていなかった魔法使いが、小さなボールを6つ取り出して、


「[毒自線(どくじせん) メガホンレーザー1.9]」


 六つの紫色のレーザーが、ギコーに3本、マドカに3本飛んで行った。

 俺は、手を床に叩きつけて、


「〈海木〉」


 ギコーの前に木を生やして、毒レーザーを防いだが、


「うっ!」


 マドカの体を、3本のレーザーが貫いた。

 さほどダメージは受けていない(割合的に少なく見えるだけ)けど……毒が含まれているのか、動けていない。

 そして、相手の斥候が、


「〈クトゥナフィー〉」


 ナイフを光らせて、彼女の腹に刺さった。

 だが、彼女は……笑って、


「かかったっすねぇ!」


 そう言って……千切れていた彼女の腕が、生えてきた。

 マドカの【ヒュドラ】能力は、HPの9倍化だけではなく、体の再生までもできるのだ。

 次いで、再生した手で、自分の腹に刺さっているナイフを握りしめて、斥候の動きを止めた。

 ほぼ攻撃無振りだから、強引に引かれたら振り払われるのだが……急な再生に驚いて、反応が遅れている。



「〈ジャック・チフ〉」


 そこに、ギコーのチェーンソーを入れて、斥候の奴を倒し……一気に優勢になった。

 またギコーの頭に狙撃弾が飛んで来たけど、再生したマドカの手が弾をずらし、頬を掠っただけで済んだ。

 毒のレーザーをイグノの木で防いで、一旦散らばり、


「〈700ボルト〉」


 アンペルの電撃が、相手の盾持ちを貫いて……残りは後衛のみだ。


「逃げるぞ!」


 狙撃野郎が、今更撤退しようとしたが……ここまでやっておいて、逃がすわけねーだろーが!


「乗れ、イグノ!」


 後ろから、バイクに乗っているアンペルが差し出してくれた手をとって、二人乗りする。


「……どうでもいいけど、これ乗ってると暴走族に見えない?」

「私が誘拐されてるみたいナ?」


 とにかく、アンペルとバイクで、逃げている毒のやつと狙撃銃のやつを追う。


「〈木錬成〉木刀」


 撒かれている毒を治しつつ、木刀を作って、


「Rexの恨みぃぃぃ!」


 頭を叩いて、残り半分を削り切った。

 いろいろ危なかったけれど……勝てて良かった。

 勝因は、相手の毒を治せたことかなぁ。できなかったら、多分HPが高いマドカ以外は全員やられてるし。


「……ここからボスに勝てる気がしないし、帰るか」


 アンペルがほぼMP空で、マドカは残りHP2割くらいしかなく、イグノとギコーもそこそこ削れてる。

 ちなみに、マドカのHPはバカ高いから、ポーションの回復はめちゃくちゃ費用がかかる。


「そうっすね」

「帰ろウ」

「だな」


 ドロップアイテムを回収して、4人で帰る。

 相手の斥候かな?が、【サケ】だったのか、サーモンが落ちていて……今度ミワに捌いてもらおう。

 ちなみに、Rexからドロップしたイクチは、油ギトギトで不味そうだった。

【クマノミ】


 能力:保護色


 相手の透明化のやつ。

 保護色で、疑似的に透明化できる。

 動くとバレるけど、動かないとほとんど分からない。

 イソギンチャクに隠れるクマノミのように……。


 【テッポウウオ】


 能力:狙撃銃補正


 水を噴いて、草に張り付いてる虫などを撃ち落とす、すごい技能を持った魚。

 狙いは結構正確。

 実は登場は二回目。


 【ヒュドラ】


 能力:HPの9倍化

    欠損再生(HPは回復しない)


 ギリシャ神話に登場する怪物で、沼地に住んでたらしい。

 首が9本ある蛇で、斬られた首は生えてくる。

 ヘラクレスが焼かれたキズは再生しないことに気づいて、討伐された。


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