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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
52/110

久しぶりのPvP

 マドカが《海馬組》に入組した日。

 軽く自己紹介したり、スマ〇ラなどで遊んでいたら、もう夜になっていた。

 ちなみに、マドカはめちゃくちゃ強くて、ミワカズヤから1ストック打ち取っていた(3スト終点タイマン)。

 いや、ミワカズヤマジで強いんだって。

 俺だったら300%ハンデあっても、1ストックも打ち取れなかったし。


 話を戻そう。もう夜だったが、マドカの戦闘力を試してみたいということで、明日暇な人たち(俺、アンペル、ギコー、Rex、マドカ)で、廃墟のダンジョンに行くことにした。

 そのダンジョンは、グレ壱(第一の町)にあるのだが、今回のアップデートで、グレ壱とユ弐レイに、参テルと同レベルのダンジョンが追加されたのだ。

 ってことで、グレ壱にワープして、外れの廃墟のダンジョンに着いた、


「どうでもいいけど、町に近いところに、第三の町レベルのやつ作っていいの?」

「このゲーム、たまに頭おかしいことがあるっすから」


 廃墟のダンジョンは、ボロボロのビルみたいな作りで、最上階を目指すらしい。


「お化けとか無理な奴いる?」

「だ、大丈夫ダ」

「あ、お化けがいるぜ」

「キャアアアぁぁぁァァ!」


 ギコーが鎌をかけると、アンペルが甲高い悲鳴を上げた。

 鱗器である[電走駆 エレクトリックBIKE]に乗って、凄いスピードで消えていった。

 

「……お前、お化け無理なタイプか」

「熱い心があれば余裕だろ」

「アンペルさん、さすがっす……」


「うっさイ。いいから行くゾ」


 まあ、統華はもっと酷いけどね。

 本人が大丈夫っていうなら、大丈夫だろ。


 廃墟ビルの入口から、そこそこ広い廊下を泳いで進んでいく。

 アンペルが全力で辺りを照らしていたから、最早昼くらいの明るさになっているが……お前、MP尽きない?


「モンスターだ、モンスターがいるゾ」

「え、いる?」


 アンペルが一人で騒ぎ出したのだが……角を曲がった先に、本当にモンスターがいた。

 過敏になってるなぁ。


 で、これが今回のモンスターか。

 なんか、半透明の魚が5匹くらい泳いでいた。

 あと、周りに火の玉が浮かんでいて……思いっきり魚の幽霊ですね。


「キャアアアァァァぁァ!」


 アンペルがフルパワー電域を張って、7匹の幽霊魚が落ちた。

 

「……なあ、さっきいた幽霊魚って、5匹じゃなかった?」

「俺も5匹に見えたぜ」

「あたしも5ひき」

「じゃあ、この増えた二匹は……なんっすかね?」

「キャアアアァァァぁぁぁァ!」


 ちょっと、反応が面白いのはいいけど、電域を張るのはやめろ。

 耐久がないRexが死ぬぞ。


「落ち着けって。多分透明化とかの能力を使って、潜んでいたってだけのお話だろう?」

「zft uibu't usvf」


 焦り過ぎて母国語でてますよ。

 そのまま、アンペルが辺りを照らつつ、透明になっている幽霊魚を炙り出し、俺かギコーですり潰す。

 たまに火の玉攻撃を食らうこともあるが、ポーションで回復できる程度だから問題ない。

 このゲーム、ボスモンスター以外はあんまり強くないから。


 階段を登って、ダンジョンの奥へと進もうとしたところ……一人の男が上から降りてきて、


「〈シャープナイフ〉」

「ッ、戦闘態勢」


 男のナイフに[熊魚の返り血]を合わせ……指が半分くらい切れた。

 いつも通り加速して、相手に殴りかかった。

 数発は防がれるが、大体はヒットして、


「〈サケの里帰り(リバークライム)〉」


 急に相手の姿が消えた。何らかのスキルの効果だろう。

 多分、あいつは相手の斥候役だな。

 食らったダメージを、ポーションで回復しつつ、


「お前ら大丈夫か?」

「ああ」

「大丈夫っす」


 俺の少しのダメージ以外は、被害はないようだ。

 

「さて、多分上には相手のPKパーティがいると思うんだが……ひよってる奴いる?いねーよなぁ!?」

「オー」×4


 ちょっと人数が少ないのが不安だが……まあなんとかなるだろう。

 さっきまでのゆるゆるペース(アンペル以外)から一転して、前衛イグノ、マドカ、中衛ギコー、後衛アンペル、Rexで角待ちなどを警戒しつつ、ゆっくりと進んでいく。


 3階ほど上がった時に、さっきの男がいた。

 他にも、6角形模様の盾を持ってる奴、狙撃銃を持っている奴、魔法の杖を持っている奴の4人が待ち構えている。

 不安だった人数問題は、むしろこっちの方が多かった。


 とりあえず安定の初手加速からの、


「オラァ!」


 相手の盾持ちを殴りまくったが……全然効いていないな。

 ギコーが、俺の背中を踏みつけて、ノコギリを振り降ろしたが……やはりこの硬さは異常だ。

 なんらかのスキル……いや、盾の模様からして、【カメ】の盾補正とかかな?

 とにかく、突破にはまだ時間がかかる。

 ギコーが追撃をしようとしたところ、


「危ないっす!」


 相手の狙撃銃が火を噴いて、ギコーの額に当たるところだったが、マドカが突き飛ばして、彼女の左腕が千切れた。

 けど、マドカの残りHPは、残り9割以上ある。

 【ヒュドラ】の能力は、HPを9倍にするらしく、見た目ほどダメージは食らっていないらしい。

 ほとんどHP全振りにしているらしく、おそらくHP数値はトップレベルだろう。


 腕が千切れたマドカに追撃しようとする、斥候の男のナイフをまた俺が弾いて、前衛同士の激しい攻防が続いた。

 Rexが油を回すまで、時間稼ぎをしようと思っていたが、


「〈ジャック・チフ〉」


 ギコーの《海馬組》一番の火力を、斥候の男に振った瞬間、その男は、後衛の位置にワープしていて、


「〈リキッドトキシック〉」


 相手の魔法の杖が、猛毒攻撃をしてきて……仲良く三人とも(イグノ、ギコー、マドカ)毒りました。

 けど、相手の盾持ちは、毒になっていない。なんかアイテムの力か?


 とにかく、アンペルが後ろから投げてくれた[どくけし]を飲み……治らない。

 強力な毒だなぁ!


「【リーフィーシードラゴン】〈自然の薬〉」


 俺が回復魔法を使ったら、毒は治った。

 【リーフィーシードラゴン】が無くなると、毒で死ぬから……残り10分で終わらせたい。

 しかも、【マグロ】じゃないから、加速できず、俺はほとんど火力を出せない。

 俺を狙った狙撃銃弾を、マドカがさらに腕を短くして防いでくれて、


「〈炎上の油道(ブレイジングロード)〉」


 やっと油を回せたRexが、相手の狙撃銃と、魔法の杖を半分くらい削りつつ、スキを作って


「どけ、前衛どモ。〈レーザービーム〉」


 Rexの魔法が、相手の後衛の目を誤魔化してる間に、こっちの前衛がビームの道を空けて、盾持ちにビームが刺さる。

 やっぱり電気の通りがいいのか、あと5割くらいまで削れた、


「下がれ、一旦引くぞ」


 相手の斥候がそう叫んで、相手が下がっていき……


「追うぞ、前!」


 俺たちが、相手を追うように泳いで、少し進んだ時、


「え?」


 Rexとアンペルの後衛組の前に、急に剣を持った女が出てきて、


「〈エンハンスブレード〉」


 ギリギリバイクで避けたアンペルは良かったが、


「Rexゥゥゥ!」


 Rexがポリゴンになって……死んだ。


【サケ】


 能力:登録した場所にワープできる


 元ネタは、サケが生まれた場所に戻って産卵するやつ。

 ワープの距離には制限がある。


 【キロネックス】


 能力:猛毒


 治りにくくて、強力な毒を使える。

 元ネタもやばい毒を持っていて、クラゲにしては泳げる、海の蜂とも言われるやべーやつ。

 1分で死ぬこともあるらしい……。


 【ウミガメ】


 能力:盾補正

    毒無効


 普通にカメ。

 前述したキロネックスの毒を無効化して捕食する、クラゲのアンチ。


 次他の解説もします。

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