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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第三章 クランのわちゃわちゃ
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水中バイク

思った以上に長かった。

「ふう。やっとボス戦だ」

「どこかで一時間足止め食ったからナ」

「あれは必要なことだったんだ……」


 だって、ミミカスだし……。

 とにかく、もう夜も遅いし、明日のパフォーマンスに影響がでないように、さっさと終わらせよう。

 イグノ、ガンツ、アンペルの3人で、ボス部屋に入っていく。

 さーて、今回のボスモンスターは?


「GYURUUUU」


 潜水艦だった。

 戦闘機の中に、潜水艦があるのか。


ガチャ


 船体から穴が空いて……魚雷が顔をだした。


「任せたガンツ」


 どうせ物理攻撃は効かないから、アンペルにメインアタッカーを任せて、俺とガンツでサポートする。

 中衛のガンツが矢で魚雷を撃ち落として、


「650ボルト」


 後衛のアンペルが電撃で、一気にHPの2割は削った。

 やっぱり、電気属性ってチートだわ。


「GYUUUUUU」


 スクリューを全開にした潜水艦が、突っ込んできた。

 正直、これがトップレベルでキツイ。


「じゃ、バイバイガンツ」

「おー」


 加速で引っ張ったら死ぬガンツは置いといて、一番大切なアンペルを連れて、俺は加速して突撃を避ける。

 そして、逃げれなかったガンツは、何事も無いように爆弾を取り出して……潜水艦に張り付き、爆発で削る。

 けど……やっぱり、物理攻撃はあんまり効いていないな。


「〈700ボルト〉」


 潜水艦の背後から、アンペルが最大出力をパなした。

 正直、10秒に一回の攻撃なら、俺が幾らでも避けられるぞ。

 残り体力はあと半分、奴の船底が開いて……十数個の爆弾がフィールドにばら撒かれた。

 設置型地雷ってところかな?

 だが、その間にもアンペルの電撃が直撃し、残り3割。

 また魚雷を撃ってきたので、


「ガンツ、壁役任せた」

「おう」

「え?キャー!」


 加速して、ガンツの方にアンペルを投げ、自分は魚雷に近づき……そっと反転させた。

 見事に直撃した魚雷と、アンペルの電撃で、潜水艦のHPを削りきった。


「なんか簡単だったな」

「あっけなイ」


ガチャ


 煙を上げていた潜水艦の装甲が、見る見る内に剥がれていって……


「BUUUUUUUUUN」

「いやそうはならんやろ!」


 中から、バイクが飛び出してきた。

 そして、こっちに突撃してきて……速い!

 ギリギリ加速がまだ使えなかったから、〈ジャスガ〉を合わせにいったが、50%を外して、機体の壁まで吹っ飛ばされた。


「第二形態ってやつカ。〈650ボルト〉」

「〈シューティングスター〉」


 遠距離組が攻撃したが、変則的な動きで避けて、


「お前は逃げろ」

「ありがとウ」


 遠距離組の方へターゲットを変更し、また突っ込む。

 アンペルはガンツにも投げられて無事だったが、ガンツのストックがもの凄い勢いで減っていく。

 俺は、ポケットの中から飴を取り出して、


「ラァ!」


 加速して、横から殴った。

 今度はバイクの方が飛ばされて、HPが2割減る。

 スピードは高いけど、耐久は低いタイプか。


 吹っ飛ばされたバイクが起き上がって……またミサイルか。

 さっきよりも少し小さいミサイルを、ガンツが丁寧に撃ち落としていく。

 最近は、何故か弓までできるラチックに教えてもらって、めちゃくちゃ上手くなってるからな。

 だが、


ドッカーン


 ミサイルが、さっき潜水艦の残していった地雷に当たり、大きな爆発が起こった。

 ガンツのストックは半分を切り、アンペルにも少しダメージがいったが、そこまで痛くはない。

 もう一度加速して、また2割削ったが……HPが少しずつ減っている。


「毒か?」


 いや、この匂いは……ガソリン!

 いつもRexがやっている様に、水中に可燃水をまき散らして、


「〈650ボルト〉」

「バカ、やめろ!」

ボウ!


 電撃で引火し、俺の周囲が燃え上がった。

 残りHPは3割まで減少している。

 直前に鼻と口を塞いで、体内まで通さない様にしたお陰で、なんとか生き残ることが出来た。


「ごめン」

「いや、しょうがない」


 まだ加速は残しておきたいので、【リーフィーシードラゴン】にはならずに、ポーションで回復する。

 結構不味い状況だな。

 遠距離攻撃は当てにくいし、俺があと3回加速できるか分からない。

 その時、ガンツが、


「なあ、お前って免許持ってた?」

「いや、持ってない」

「まあ、どっちでもいいか。行け」


 今ので全て察しました。

 ガンツとアンペルが遠距離攻撃でバイクの軌道を固定し、


「ライド・オン!」


 加速した俺が、バイクに乗った。

 そのまま、【リーフィーシードラゴン】に変え、植物のツタで、手とハンドルを固定しておく。


「BUUUUUUUUU!?」


 バイクが焦って、壁に俺をぶつけて逃れようとするが……パワーが足りていないよ。

 このバイクの主導権は、もう俺のものだ。


「やっちまえ!」

「〈リア―アロー〉」

「〈レーザービーム〉」


「BUUUUUUUUUUUN!」


 遠距離攻撃に誘導して勝ちました。




 全員に、[特能ウロコ]が配布された。

 ……俺は1つでは鱗器を作れないから、実験できないんだが、


「このバイクって、鱗器化できるのかな?」


 煙を上げて沈んでいるバイクを指さして、言ってみた。

 そして、こいつらは知らない、


「どうだろウ?面白そうだナ」


 [特能ウロコ]の使用トリガーは、ゆるゆるだということを。

 アンペルの[特能ウロコ]と、沈んでいるバイクが光り出して……黄色を基調にした、電動バイク[電走駆(でんそうく) エレクトリックBIKE]。


「うわーかっけー」

「……お前、知ってたなナ?」

「まさかまさか」

「俺もそれにしたかった……」



 2日目のライブ、客席の上を、黄色く輝くバイクが、雷を降らせながら駆け回り、多くの歓声を得ました。

 バイクオタクの声がうるさかったとだけ言っておこう。


アンペルの魔法スキルは、【電気ウナギ】の出せる電力になっています。

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