ミミカス
遅れてすみません。
今PCの前で土下座してます。
イベント一日目の夜。
「なあイグノ、今暇カ?」
祝勝会をやっていたところ、アンペルが何か言い出した。
ちょっと深刻そうな顔をしている。
「どうした?」
「今日のライブなんだけど……私の個人パフォーマンスが、一番盛り上がらってない気がするんダ」
確かに、一番説明文字数が少なかったな。
明日も、全く同じことをするのも、なんか癪だし……
「お前って、まだ鱗器を作ってなかったよね?」
「あア」
「じゃあ、鱗器でパフォーマンスしようぜ」
それから、飲んでいた大学生組と、なんか言い争いになってるミワ、ラチック、ファニーは放っておいて、俺、ガンツ、アンペルの三人で、墜落戦闘機のダンジョンへ向かった。
漂着した飛行機の戦闘機の頭に入っていく。
ちょっと前衛が少ないのでバランスが悪いのだが……まあ何とかなんだろ。
「行くぞー」
「「オー」」
いつもの掛け声をして、戦闘機の頭から、ダンジョンに入場した。
「そういえば、お前らは何を鱗器にするの?」
適当に話をしながら、ダンジョンを進んでいく。
「俺は普通にこの弓だな。正直、攻撃力以外は上げる意味がほとんどない」
「私は、パフォーマンスにも役立つ、派手なのにしたいから……どうしよう?」
「「超電磁砲」」
「何それ?」
……か、海外出身だったから、仕方ないよな。後で漫画を渡しておこう。
そんなこんなで、モンスターと接敵した。
「GIGI GIKOGIKO」
ガクガクと動く、壊れかけっぽいロボットが現れた。
だが……なんか違和感があるな。
「……こいつ、ヒレがついていない」
「おー」
「初めてみタ」
ロボットなら、水中でも生活できるっていう認識なのかな?
とりあえず恒例の初手加速からの、ラッシュで削ったが……また物理攻撃に強いタイプだよ。
「アンペル!」
「〈650ボルト〉」
アンペルの電撃で、ロボットがバチバチバチっといいだして、
ボン!
爆発して、ダメージを受けた。また倒したら自爆するタイプか。
「頼んだぞアンペル」
「せめてファニーも連れてくればよかっタ」
その後は、俺が前を張って、ガンツがロボットの動きを抑制し、アンペルがダメージを与える。
加速を残しておけば、HPを削りきってから爆発するまでに逃げることなんざ容易い。
ロボットをドンドン爆発させつつ、さっさと進んでいく。
あとは、ボス討伐したら終わりだろ……
ガシャン
「は?」
天上から、鉄の檻が振って来た。
適当に談話しながら攻略していたせいで、不意を突かれて、簡単に拘束されてしまう。
そして、機体側面の壁数カ所に、穴が空いて、銃が突き出され、
パァン
[八九三 キャスィーツ]のポケットから飴を取り出して、ステータスを引き上げ、加速。
「ラァ!」
撃たれた弾丸を全て叩き落した。
加速の2秒が終わっても、上がったステータスで対処し、被害はちょっとしたもので済んだ。
銃弾の雨が止み、残ったのは強固な檻。
とりあえずナックルをしてみたが、俺の腕がビリビリっとなって終わった。
「……これ、どうする?」
ガンツとアンペルの方を見ると……なんか笑ってる。
「何笑ってんだ!」
「だって……こっちから見ると、完全に捕まった暴力団員だし w」
「あはははハ」
こいつら、役に立たない……
とりあえず、檻の中を探索して見ると、天上に、赤いボタンがついていた。
……ポチ
そのボタンを押すと、檻が上がって、さらに、横穴が出来た。
隠し通路ってやつだ。
そして、その奥に、
「あ、宝箱があル」
「無視だな」
「ミミックに決まってんだろ」
「……お前らのミミック嫌いは筋金入りだナ」
無視して先に進もうとする俺たちを放って、勝手にアンペルが宝箱を開け……歯が生えてきた。
「本当にミミッk」
「「死ねカスゴミアホクソ能無し ピ――――――――――(自主規制)!」」
イグノとガンツが、一斉にミミックを攻撃し始めた。
しかも、その動きは洗練されていて、全く打ち合わせていないのに、イグノがほんの少しの隙間にガンツが矢を入れていく。
あっという間の10分の1ではじけ飛んだミミックのような物に、さらに追撃。
「アンペル、最大火力をぶっ放せ!チリでも残すと、そこから再生して、むしろ増殖するぞ!」
「……なんの生き物の話をしてるんダ?」
その後も1時間くらい、ミミック魚を死体蹴りしたらしい。