ヤ〇ザ最終形態
……そろそろもう一つの新要素にも触れていくか。
鱗器、翔具の追加。
簡単にいうと、強力な武器が実装されたという感じだ。
鱗器は海の武器、翔具は空の武具であって、今までほとんど戦いに影響を及ぼしていなかったアイテムが、強化されたということだ。
あと、それらは一人一つしか使えない(二つ以上持ってると効果がなくなる)から、保管できるクラン拠点が必要だったのだろう。
影響力でいえば【生物スキル】<[鱗器/翔具]<〈サブスキル〉になるらしい。
まあ、とりあえず取りに行こうか。
と、いうことで、拠点で暇そうにしていたシェンラさんとRexを連れて、 喋りながら近くの雲霞のダンジョンへと向かった。
「イグノ君、伊織は元気にやってます?」
「最近は元気ですよ。というか、料理上手じゃありません?」
「共働だったから、交代しながらご飯を作っていたんだよね」
「はえー」
「リアルの話はやめてくれ」
Rexは……凄く暗い顔をしていた。
リアルで何かあったのだろうか? 大学生で一番避けたいことといえば……
「留・年?」
「ぎゃー---------!」
「5月下旬に留年は逆にどうやったの?」
そんなこんなで、ダンジョンに着いた。
一面の雲に、大きな穴があいていて、雲霞のダンジョンとかいいつつも、ただ壁が雲でできてるってだけだ。
「どんなモンスターが出ると思います?」
「やっぱり鳥系じゃないの?」
「ここは炎の精霊みたいなやつだろ」
雲って水蒸気の塊だぞ。
……これは留年しても仕方ないかもしれない。
そして、モンスターの方は、
「……これ、毎回ついてる魚の頭ってなんなんだ?」
「さあ?」
「知らない」
エンカウントしたモンスターは、赤色風船に魚の頭がついたやつが現れた。
「SYUUUUUUUU」
奴が息を吸い込んで、泡のようなを噴いてきた。
シェンラさんが泡弾を防いで、その影から俺は加速して、棘のでた[熊魚の返り血]で殴り飛ばした。
風船魚のHPは急速に減っていって……
パアン!
風船が割れて、俺にダメージが入り、吹っ飛ばされた。
なんかガンツみたいな戦法するな。
「あー、Rexが遠距離から倒した方がいいかもしれない」
「そうね」
「おっしゃ、任せとけ」
「……前衛頑張れよ」
「あの、近づかれる前に倒してくれると助かります」
少し進むと、千紫万紅の風船魚の大群が出迎えてくれた。
「SYUUUUUUUU」×無数
一斉に風船魚たちが息を吸い込みだして、
「シェンラさん、Rexを頼んだ!」
「任せて!」
シェンラさんが盾を突き出してRexを匿い、俺は加速しつつ、飛び出して少しでも狙いを分散させた。
連続して泡弾を撃たれたら不味かったが、一気に撃ってくれたお陰で、なんとか加速の2秒間で凌ぎきれた。
シェンラさんも6割くらいまで削れていたが、Rexは無事で、
「〈ラウド・コンフラグレイション〉」
Rexの広範囲攻撃で、一面の風船魚が爆発した。
「ナイスゥ」
「ヘッ、どんなもんd……」
まだまだ沸いてきた風船魚に、俺たちは絶句して、
「SYUUUUUUUU」×無数
やばい、まだ加速のCTは上がっていないし、シェンラさんも集中攻撃されると落ちるぞ。
「イグノ、手ぇ出せ!」
「何……分かった」
シェンラさんの影に2人で隠れて、Rexと手を繋ぎ、〈MP共有〉で彼女のMPを貰い、
「【リーフィーシードラゴン】〈自然の恵〉」
空気弾を食らってHPがガンガン減っているシェンラさんに、全力で回復魔法をかけて、なんとか持たせる。
最後の方は彼女を後ろに下げて、俺が受けた。
「終わった……か?」
「フラグ建てないで」
「もう少し時間かかる……〈ラウド・コンフラグレイション〉」
なんとかRexが油を引き延ばして、また広範囲攻撃で大虐殺した。
「やったか?」
「だからフラグ建てないで」
フラグは建てるものだろ。
やっぱり、〈MP共有〉してもらえば、【リーフィーシードラゴン】も結構使えるようだ。
両方〈MP共有〉を持っていれば変換効率が上がるらしいし、俺も取ってみようかな。
これ以上の増援はないらしく、[特能ウロコ]がドロップした。
やっぱりこのゲームはパーティプレイには優しいみたいで、人数分4つドロップしてくれた。
このウロコを自分のアイテムに使うと、鱗器になるらしい。
つまり、「なんか強い効果がついたから、クソみたいなデザインのアイテムを身に着けない」とかにはならないようだ。
なおイグノ君は、元からセンスがイカれてるから、あんまり変わんないと言われてるのは知らない。
何に使おうかなー。
正直[熊魚の返り血]に使って、攻撃力が上がったとしても、そんなに劇的に変わるとは思えない。
一応こいつには思い出が……あった気がするし……あったよな?
「シェンラさんは何に使います?」
「うーん、盾でもいいんだけど、後ろからの攻撃とかに弱いから……この鎧にしようかな?」
その時、シェンラさんが持っていた[特能ウロコ]が光り出し……同時に鎧も光って、デザインが変わっていた。
なんというか……えr。
「……防御力下がってない?」
「ステータス的には結構上がってるし、ちょっと攻撃してみて」
検証に付き合って、適当にパンチを放ったが、ダメージが全く入らず、音も鳴らなかった。
聞いてみると、[零絶無 グリンアーマー]になっており、一日に二回まで5秒間無敵になれるらしい。
まあ、無敵の間はこっちも攻撃できないらしいが……前の海龍ブレスとかを避けられるのは大きい。
「ほー。ちゃんと持ち主に合うような能力になるんだ」
「熱いシステムだな」
「ちょっと恥ずかしいですけどねー」
「俺も服とかにしようかなぁ」
その時、俺が持っていた[特能ウロコ]が光り出し……同時にスーツのジャケットも光って、すこしジャケットのポケットがになにかが補充された。
「なんか使う条件緩くない?」
「Rexもすぐ使おうよ」
「ひっこめとこ」
裏切者は置いといて、鱗器と化したジャケットの効果を調べた。
[八九三 キャスィーツ]とかいう、見た目(黒スーツ)に反してポップな名前が付けられ、ポケットに入っていたのは、白色の棒付きキャンディー。
能力は、このキャンディーを食べたらステータスが上昇し、舐め終わるとステータスが下がるらしい。
つまり、ク〇リをキメてハイになる的なやつだ。
しかも、キャンディー舐めてたらタバコ吸ってるみたいにもなれる、欲張りヤク〇セット。
「ねえ、ちょっと〇クザセットフル装備してみて」
「ああ……」
赤髪、黒スーツ(白シャツ)、黒サングラス、タバコみたいな飴に……強化されてる時間は、入れ墨みたいなやつが浮かび上がって来た。
「……下手なヤ〇ザよりもヤク〇してるよ」
これ以上後書きを長くするわけにはいかないので、[鱗器]の解説は設定集に載せていきます。
作者の〇クザイメージ スーツ タバコ 入れ墨 グラサン ヤク