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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
4/110

このタコが!

 俺の体が光につつまれて……目を開けると、活気ある町に着いていた。


 視界が青いし、たまに空気の塊も見えるため、ここはもう水中のようだ。

 とりあえず、マップを開いて……警告音みたいなのが鳴って、いきなりHPの2割が消し飛んだ。


「は?」


 周りを見渡しても、攻撃された気配はない。

 そもそも、町の中では攻撃は無効化されるのだ。

 では、何故ダメージを食らったかというと……


「これ止まった判定かよ」


 5秒止まったら死ぬぞ。

 警戒して、歩きながらマップを見る。東の方に、初心者用狩場があるようだ。

 初期所持金で、武器を買ってもいいが、DAOでも拳法使いだったため、素手で行く。


 海底を歩いていたけど、周りをみると、みんな泳いでいた。

 別に泳げない訳でもないので、普通に泳ぎ出す。

 動きやす過ぎて、逆に違和感があるが、泳げない人でも動けるようにするためだろう。泳いだ方が速いわ。



 狩場に着いた。

 そこには、数人の同業者と、沢山のモンスターがいた。


「……なんだよ『魚犬』って」


 足にヒレがついて、顔にエラのような物がついた、犬がいた。

 まあ、出会うモンスター全部魚にする訳にもいかないからかな。

 早速、その中の1匹が飛び掛かってきた。


「加速」


 俺は、そう呟いて……凄い速度で魚犬に腹パンをした。

 そいつが小さいポリゴンになって消える。

 これが加速効果か。結構強いな。

 ……しみじみとしてたら、止まった判定された。


 あれから、1時間程、初心者狩場でレベル上げをした。

 今は7レベルになっている。

 このゲームは、なんとなく思い描いているようにステータスが上がるタイプのようだ。

 俺は、加速でスピードはどうにかなるから、HP、防御力を高くして、加速待機時間を耐え、加速時に攻める戦闘思想になった。

 攻撃力は低めだけど、加速したら攻撃も上がるっぽいから、あんまり気にならない。



「なあ、町の方向ってどっちだっけ?」


 同じ狩場で狩っていた兄ちゃんが、話しかけてきた。

 こいつどんだけ方向音痴なんだよ。

 俺は、動きを止めないことを意識しながら、町の方向を指さした。


「あっちですよ」

「サンキュー。ところでさあ、俺は魚と能力の関係について調べているんだ」


 兄ちゃんが、メニューをいじって、お金をだした。


「こんだけあげるから、モチーフと能力について教えてくれない?」


 自分の能力を晒すのはタブーなのだが、この男が出してきた金額は中々のものだ。

 この狩場であと5時間は続けないと稼げないだろう。


「……モチーフだけなら」

「それだと半分になるけど、いいかな」

「はい、前払いでお願いします」

「あいよ」


 言葉通り、お金を渡してくれた。

 このまま加速を駆使して逃げるのも手だが、素の速度は速くないし、こいつは俺よりもレベルが高そうだから、素直に従った方がいいだろう。


「俺のモチーフは、マグロで……」


 加速!

 一瞬で後ろに下がり……さっきまで俺が居た所を、触手が通り抜けた。

 PK(プレイヤーキラー)かよ!


 兄ちゃんは舌打ちして、口から墨を吐いた。

 たちまち周りが真っ暗になり、視界が大幅に狭まる。

 加速のCT(クールタイム)があと4秒。

 わずかな音から、攻撃を察知して、四方八方から襲ってくる触手を避ける。

 たまに食らうが、HPと防御が高いから、大したダメージにはならない。


 加速のCTが上がった。

 後はあいつの位置だが……大体予想はついている。

 攻撃された方向は、上が2回、前が4回、後ろが6回、下が4回。

 回数が多い後ろのようにも思えるが、流石にそんな安直なことはしないだろう。


 従って……上だ!


 加速を使って、真上に泳ぐ。

 いた!手が8つの触手になっていて気持ち悪い。

 だが、その触手たちは、俺を包囲してたせいで、近くに先端があるのは1つしかない。


「クソ!」


 苦し紛れに、その一本の触手で攻撃してきたが、手刀で切り裂き、兄ちゃんをボコボコに殴って、倒した。

 おそらく、墨があるから、あまり被弾することを想定していないステータスだったのだろう。


「お、なんかドロップしてる」


 デスペナルティだろう。幾らかのお金と、モンスターが落とすアイテム、そして……タコを拾った。

 普通のタコって感じだ。


「……死んだらモチーフの生き物がドロップするのか」


 まあ、墨と8本の触手だから、タコだろうなとは思っていた。

 ってことは俺が死んだらマグロをドロップするのか……。

 説明に、PKし過ぎるとPKのマークがつくと書いてたから、最初にモチーフを聞いたのは美味しい生き物だけを殺りたかったのかな?





 あれから、少し上の狩場に行って、レベルを上げてから、ログアウトした。

 カップラーメン用のお湯を沸かしながら、思考を深めていく。

 USOでは、死ぬと、モチーフの生き物がドロップする。

 つまり、俺はマグロをドロップするということだ。

 ……控えめに言ってゴミだ。

 もし俺が、超人気魚のマグロであることが広まったら、町から出た途端に瞬殺パーティになりかねない。

 これは、早めに強くならないと、町から出られなくなるぞ。


 カップラーメン美味しいなー。

 その後、風呂に入って、スマホをいじってから、眠った。


 【タコ】の解説(読まなくても大丈夫です)。


 能力;腕を八本の触手にできる(タコは足も合わせて八本とかの文句は置いといて)

    口から墨を吐ける


 持ち主は攻撃と素早さに多く振って、高速で触手を振るうつもりだったが、触手にはステータスにデバフが掛かるらしく、それほど速くならなかった。

 それでも墨で本体を隠しつつ八本の触手で攻撃するのは結構強いのだが、加速とは相性が悪かった。

5回くらい勘を外したら負けていたかもしれない。



 CTは技の待ち時間てきなやつです。

 強い技は連続仕様できないアレです。

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