表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
35/110

第二形態海氷龍

 体中から氷を生やして、第二形態へと移行した海龍……いや、HPバーの上にある名前も海氷龍へと変化していた。

 初手からまた口を開いて、


「絶対に避けるぞ」

「ええ」


 俺、シェンラさん、ミワ(デコイ)の3人で固まって誘導し……第一形態のブレス範囲よりも、大幅に離れた所まで加速でシェンラさんを連れて逃げ……さっきのブレスよりも広い範囲が凍り付いた。

 これマジで即死攻撃じゃん。

 しかも、水温が低下したのが、全体デバフの様に働いていて全員の動きが悪い。

 けど、


「〈ジャッグ・チフ〉」


 ギコーが大きな一撃を叩き込んだ。

 《海馬組》の中では、あいつが一番攻撃力が高いから、第二形態になってから本気でで追い込んでもらう。

 海氷龍も危機感を抱いたのか、爪攻撃をギコーの方に回したが、一緒に行動してるミワができるだけ攪乱して、


「〈ぺネティットアロー〉」


 ヘイトをガンツへ移した。あいつなら氷漬けにでもされなければ、あと15回は死ねる。

しかし、そこまでバカではないのか、


「gbbmzrcmbljsswrjkrs mnvbqtrtbvyrpffld


 小さな氷の塊が数十個出現し、


 mnvbqtrtbvyrpffld」


 水がめちゃくちゃに流れて、氷塊が縦横無尽に駆けまわった。

 全体攻撃は、俺たち耐久高い組には問題ないが、低耐久の人たちにとっては致命傷になりかねない。

 〈身体強化〉で防御を上げたファニー、ラチックはそこまで問題なかったが、他のメンバーは思いっ切りHPが減って、アンペル、ミワ、ギコー、Rexが残り4割、ガンツのストックがのこり5つになった。

 まあつまり、あと一回この攻撃されたら崩壊する。


『押し切ります』


 それしかない。海氷龍の残りHPは3割。

 その時、


「ckjb qypgjpger」


 奴が何かを叫んで……


「RUUUUUUUUUUUU!」


 完全に氷でできた、透き通った一匹のドラゴンが現れた。もう本当にお前死ね。


『氷龍は魔法組で対処してもらいます。あなたたちは海氷龍に集中して』


 ラチックの伝令の後、ファニー、アンペル、Rexが氷龍の方へ向かった。

 さて、指令通り、俺たち(上記以外の6人)は海氷龍をさっさと削り切らないと。


 最早一番楽な攻撃の、凍結ブレスを加速で凌いで、俺も攻撃に参加する。

 10秒に一回とはいえ、〈殺戮魚の声〉込みで5%削れるのは大きい。

 残りHPも2割に差し掛かった頃……いきなり岩壁が凍って、


「……後は任せた」


 岩壁の近くから攻撃していたガンツが死んだ。氷龍の最後の抵抗らしく、無理をしたらしいアンペルも居なくなっていて、ファニーは小三くらいまでに小さくなってた。

 さらに、次の加速後にもう一度凍結ブレスがあり……


「みんな、あと頑張ってねー」


 シェンラさんが凍りついた。残り、六人。

 けど残り一割までいった。あとは脳筋ゴリ押しするだけだ。

 今、一番やられてキツイのは、


「gbbmzrcmbljsswrjkrs mnvbqtrtbvyrpffld


 忘れもしない咆哮が響いて、海氷龍の周りに数十個の氷が出現した。

 また、縦横無尽に氷をばら撒く魔法のようだ。

 当たり所が悪いと、普通にひっくり返されるぞ。ヤバい、と思った瞬間、


「〈ラウド・コンフラグレイション〉」


 奴の周りが一気に燃え上がり、氷の塊が粒まで小さくなった。

 Rexが、さっきから仕掛けていた油を燃え上がらせたらしい。

 ちょっと味方側にも被害があったが、もろにあの弾幕を食らうよりは何倍もマシだ。

 お陰でミワとギコーが残り1割で済んだ。

 爪と尾の攻撃を俺とミワで避けて攪乱し、時間を稼ぎつつ、


「〈殺戮魚の純愛(キラー・ピュアラヴ)〉」


 単体専用の強いバフをラチックがくれた。

 ちょっと技名がヤバい気がするけど、そういうものなんだろ。


「うおおおおおおおおおおおお!」

「drzfgblsrbbvzlwxdvtlwklhgvbcchrbvwnvw!」


 残り一割を加速ラッシュで削り切って、勝利した。


「シャア!」

「イエーイ」

「フー----」

「やっター」ext.


 皆からの歓声があがった。死んだ、ガンツ、アンペル、シェンラさんが、運営の良心か、生き返っている。

 なんかめちゃくちゃレアなアイテムを沢山ドロップして……その中に、[スキルノ珠]というのがあった。


「これ、どうやって分ける?」

「同価値になるように九つに分けて、じゃんけんで勝った人が選んでいったら?」


 さすがラチック。良い案思いつくなぁ。

 大量のアイテムを、大体同じくらいになるように分けて。


「じゃあ……デスゲームを始めようか」


 もちろん、俺の狙いは[スキルノ珠]。

 ガンツ、ラチック辺りは、自分のスキルに不満を持っていてもおかしくないため、できるだけ勝っておきたい。

 俺が出すのはグー、海氷龍を最後に殴って勝ったから、グーの運がいいに違いない。二回目からは……適当だ。


「じゃんけんポン!」


 グー×1(俺) パー×8(他全員)

 俺って、何故かじゃんけん弱いんだよね。泣いた。


「……負け勝ちにしない?」

「リーダー忖度(そんたく)なんていらないからな」


 何故かファニーの案にみんな便乗してくれてたが、それは断った。

 あ、ああ余り物には福があるっていうよね。

 それから、何回かあいこになった後に、順番が決まって、欲しいアイテムを選び出した。

 一番最初のラチックは……違うものを選んだ。

 四番目のガンツも、違うものを選んで。

 他の人たちも、次々と珠以外を取っていく。正直、分けれないから一つになってるだけで、九つの中でも売った金額は頭一つ抜けてると思う。

 最後に残った[スキルノ珠]を目の前にして、


「あの、忖度いらないですよ?」

「いいんだよ。お前が始めて、お前がこのメンバーを集めたんだ。この中の、一人でも欠けたら無理だった」


 兄貴……正直一番接点が薄いと思ってたギコーが、そう思ってくれてるとは思わなかった。

 マジで兄貴って呼ぼ。


「加速がもう見れなくなるのは残念ですけど、不便な能力だからねー」

「それより【海龍】の能力早くみせロ」


 俺は、涙ぐみながら、[スキルノ珠]を手に取って、砕いた。

 体が光り輝いて……メニューを開くと、スキルの欄が変化していた。


 【マグロ】/【リーフィーシードラゴン】


 あれ?


「……海龍どこいった?」

「あれって、リーフィーシードラゴンって名前だっけ?」


 皆が騒ぎ出す中で、Rexの一言が、


「……確か、緑の小ドラゴンがそんな感じの名前だった」


 俺を絶望させた。海龍がドロップした珠じゃなかったのかよ。

 しかも、【マグロ】が消えていない。

 ……あとからGMコールをしたところ、デュアルスキルという状態らしく、1日に10分だけもう一つのスキルを使えるらしい。

 要するに、基本は【マグロ】で、一日に10分だけ【リーフィーシードラゴン】になれるようだ。


……10分だけ止まれるよ。


 〈殺戮魚の純愛〉一人にしか掛けられないバフだけど、声より遥かに強力。

 バフ対象に、ある厳しい条件がある。


 ちなみにこのゲーム隠しステータスがあり、【生き物】によっていろいろ変わる。

 例えば、温かい海に住んでる珊瑚は寒さに弱い。

 ガンツのストック数が合わないかもしれないが、寒いだけで死ぬこともある。


 これで第二章は終わりです。

 好評価チャンネル登録コメントお願いします(YouTbe)


 最後に【リーフィーシードラゴン】もチートではありません。

 そんな簡単にチートにするとでも思ったか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ