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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
34/110

第一形態海龍

 次の日。

 俺たち《海馬組》の面々は、超級の門の前に集合した。


「戦術は昨日話し合った通りだ。……やるぞー!」

「オーーー!」×8


 ちょっと他の門に並んでる人たちに奇異な目で見られたが、これをやるとパフォーマンスが10%上がるという統計があるから、しかたない。





 忌々しい空間。

 中央には、まだ鎖で縛られている海龍がいた。


「総員、配置について!」


 ラチックの指揮に従い、俺、シェンラさん、ミワ、ギコーが海流の正面に鎮座し、残りの人たちは散開した。


「〈殺戮魚の声〉」


 ラチックのバフが全員に掛けられて、戦闘準備が完了した。


『じゃあ始めるよ。よーいー、スタート!』


 いつも通りのザ・フィッシュの声と同時に鎖が消滅し、


「jqnvpwrhlvbbkzndxbxzyhfb zh!」


 咆哮でガンツが一回死んだが、これは必要経費。そして、最初の運ゲーだ。

 海龍が、こっちに向かって口を開いて、激流ブレス。

 俺が加速を使ってシェンラさんを逃がし、ミワがギコーを連れて行った。

 このチーム、激流ブレスを避けれる人が俺、特化ファニー、ミワくらいだから、散開しているメンバーにブレスされたら、一瞬で一人落ちてた。

 まあ、人数が多い所にするとは思ってたから。


 次の爪攻撃は、シェンラさんに受けてもらう。

 やっぱり、完全耐久特化はチゲえや。余裕で受けきっている。

 【珊瑚】の自然回復もあるし、通常攻撃ならいくらでも受けられそうだ。

 その間に、


「〈サー・ミンチ〉」

逆刃のナイフ(リバースブレイド)

「〈シューティングスター〉」


 ギコー、ミワ、ガンツの物理攻撃組が海龍を殴った。

 若干一名スキルを使っていなかったが、他のに枠を割いてただけだと思う(願望)。逆刃用のスキルなんてある訳ねーだろ。

 背中辺りを攻撃していたギコーが、羽で反撃されて少し傷ついたが、すぐにミワがカバーした。

 あいつら、耐久がないから心配だが、流石にあの程度では大したダメージにはならない。

 ラチックも槍で攻撃できるが、あいつはバフの方が大切だから、生き残りを優先させて貰う。

 代わりに、


『そろそろ小ドラゴンが来るわよ』

「了解」


 ラチックの声が聞こえてきた。

 【シャチ】には、バフ能力の他に、仲間に連絡(一方通行)できる力がある。

 海龍のHPの監視と、戦場全体の俯瞰をしてもらっていた。

 そして、ラチックの言葉通り、


「ckjb szlhkdfjbrgks rmshkdvsl」


 奴が、3体の小ドラゴンを呼び出した。

 けれど、こいつらの処理方法は割と簡単だ。


「〈トキシック・ドル〉」

「〈650ボルト〉」

「〈オイル・ファイア〉」


 ファニー、アンペル、Rexの魔法三姉妹が、それぞれ小ドラゴンに魔法攻撃をした。

 海龍に対して魔法の効きが悪いので、MPが余り散らかしてる。

 ちなみに、Rexの【イクチ】という能力は、油を操るというものだ。

 みんな忘れてる(作者もよく忘れる)と思うが、あくまでこのゲームは、

Universal Sky and Sea Onlineで、ちゃんとSkyの世界があるのだ。

 つまり、しっかり火魔法は存在している。

 この海の中で、火魔法が使えないのは常識なのだが……【イクチ】の能力で出した油を燃やせば、火を使える。

 油火を食らった緑小ドラゴンは、すぐに丸焼きになった。

 その他の赤と黄も、あっけなく魔法にやられたようだ。


『次、竜巻が来るわよ!』


 第二の運ゲータイムでございます。

 正直、今見えてる技の中だと、竜巻攻撃が一番怖い。


「wjdlbscrxkbshlkrpzwhvljwllpqb」


 海龍の魔法で、水中に二つの竜巻が現れた。

 作戦通り俺、シェンラさん、ミワ(デコイ)の第一グループ、ギコー、ミワ(本体)、ファニーの第二グループが集まって、竜巻を誘導した。

 俺がシェンラさんを加速で運び、もう片方の誘導隊は、素早さがあるミワとファニーの二人でギコーを運んでいた。

 なんとか、被害はデコイ一体で済んだ。


『あと5秒はチャンスタイムだけど、攻撃は後にして、配置につくのを優先しなさい』

「はい」


 次は……またブレスだったか?

 だが、加速が間に合えばどうにでもなる。最初の配置に戻った。

 しかし、次の行動は……


「qjnzzljkbrllejbmw pzbnytcwlk bf」


 新しい攻撃だった。海龍が叫んだ瞬間、いくつかのウロコがはずれて、四方八方に飛ばしてきた。

 俺はシェンラさんの影に隠れてやり過ごしたが、他のメンバーはそこそこ傷ついたようだ。

 ファニーとラチックはMPで防御を上げ、ギコーは彼の大きなノコギリにミワと共に隠れて軽傷だったが、アンペル、Rexは2割くらい削られ、ガンツは三回死んだ。

 これが何回か続くと不味いな。ラチックもそれは把握してるらしく、


『早めに決着をつけましょう』


 伝令がきた。

 次の行動は、爪と尾の通常攻撃の連撃だったため、余裕でシェンラさんが受け、また、ギコー、ミワ、ガンツが攻撃し、やつのHPが7割まで削れた。

 その時、


「ckjb szlhkdfjbrgks rmshkdvsl qrgjkdszttlxd」


 奴が、仲間を呼ぶ咆哮を放ち……小ドラゴン3体と、追加で白小ドラゴンが追加された。

 ラチックが各自に伝令をしたそうで、アンペルが赤、ファニーが黄、ラチック自身が白、ガンツが緑、に対処する様だ。

 そして、海龍が口を開いて……二回目のブレス。

 加速はあるから問題ないハズだったが、


「VAOOOO!」


 白小ドラゴンが咆哮を上げ……海龍に白いオーラがついた。

 ッツ、ブレスがいつもより早い。

 一人なら逃げれるけど、シェンラさんを抱えると避けきれない。

 それに、範囲内にギコーもいる。


「いけますか?」

「分かんないけど、やるよ!」


 彼女も、覚悟を決めた様だ。いつものフワフワが感じられない。

 まだブレスの範囲内に残っていたギコーに〈ノックバック〉を入れて、範囲外へ逃がし、俺はシェンラさんと一緒に盾を支えた。

 そして、海龍の激流ブレス。

 シェンラさんの大盾に二人で隠れて……凄まじい衝撃。


「キャッ!」

「グア!」


 岩の壁に叩きつけられたが、柔らかいところに着地したお陰でなんとか……


「感謝しろよ」

「……お前かよ。サンキュー」

「ありがとね」


 柔らかいもの(ガンツ)だった。

 結構近くで戦っていたのと、機転が効く司令官(ラチック)に感謝。

 お陰で俺の残りHP3割、シェンラさん4割、ガンツストックマイナス4で済んだ。

 その間に、小ドラゴンたちは倒されていて、


「〈炎上の油道(ブレイジングロード)〉」

「nfmnkvrbvjhglfxbvd!」


 Rexの魔法で、海龍の口が燃え上がり、悶えている。

 ブレスの後、大きく息を吸い込んだ時に、大量の油を飲ませたらしい。

 味を感じる機能がなくてよかった。

 魔法はウロコに弾かれてる感じなので、体内を攻撃されると、普通に攻撃が通る様だ。

 一気にHPが削れて、残り4割ってところ。


さて、ここからが本番だ。


「lnkhjk rmnlrr clvwrbssrbynprhbdbl prgjgrlhrbqp!」


 海龍が相変わらず言葉にならない叫び声を上げ、第二形態に変形していく。

 体中に透明な水晶の様な物が生えてきて、周りの水温が下がった。


 ……今の時代、海龍は氷も使えるみたいです。


 【イクチ】


 能力:油を出し、操れる。


 茨城県辺りに居たと言われる大蛇の様な妖怪で、全身から油を出して船を横切るだけの、結構温厚(?)なやつ。

 全長は2キロもあるらしく、横切るのに3時間もかかるらしいけど。

「発火には酸素も必要ですよ」とかの、マジレスは止めて下さい。作者が泣く。


 ちなみにガンツの爆弾も油でギトギト。


 海龍 圧倒的力から相手を舐めて、多人数を一気に攻撃する習性がある。

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