結成 《海馬組》
あれマジでどうすんの?
1時間ログインできない間に、ネットの海で情報を収集してみたが……
『超級は無理だろ』『青竜狙い』とかの意見しかなかった。
さらに、しっかりと第二形態も用意されているらしい。
けどさぁ、
ああいうのに負けるのって許せなくない?
絶対にぶっ潰す!
一時間後、ユ弐レイにログインしてから、チャットを打ちまくった。
さらに、一時間後、そうそうたる面子がカフェ(俺は立って歩き回ってる)に集まった。
俺 ガンツ ファニー アンペル シェンラ ミワ ギコー ラチック Rexの九人。
「今日はお集まり頂き、ありがとうございます。この中には面識がない人も多いと思うので、自己紹介からしましょう。
俺はイグノ、【マグロ】で、今回の幹事です。次、ガンツ」
時計回りで自己紹介を促し、
「えー、俺はガンツです。【マンボウ】ですぐ死ぬので、丁重に扱って下さい。ちなみにファニーに手を出したら殺す」
隣にいるファニーに思いっきり殴られて死んでた。
「私は【ベニクラゲ】のファニー。こいつの妹だけど、キモイこと言ってたら殺しといてね」
やっぱお前がガンツキルレート一位だよ。
「私は【電気ウナギ】のアンペルダ。第一回イベントの勝者だから、この中で一番偉イ。あと強イ」
「俺に負けた人がなんか言ってる」
「十万ボルト(殴り)!」
ボネーラみたいなことを言い出したけど、たぶんネタだろ。
「【珊瑚】のシェンラです。多分この中で一番の年長者なので、何かあったら頼ってね~」
いつも通りですね。
次のミワは……狐の仮面が頭の右上に移動していた。ちゃんとる〇剣を読んで、コンプレックスを払拭できたんだね。
……あの漫画にそんな描写あったっけ?
「【イワシ】のミワ。この人の彼女だよ」
「違います。笑顔でリスカすんな」
何人かが凄い形相で睨んでいたから、一瞬で否定しておいた。
まだ逆刃になっているナイフでリスカしようとしていたから、取り上げた。
「俺は【ノコギリザメ】のギコー。兄貴とでも呼んでくれ」
「こんなこと言ってますけど、実は……」
「やめろ、それだけは言うな!」
シェンラさんが何かを言おうとして、口を塞がれていた。
とりあえず今度から兄貴って呼ぼ。
「【シャチ】のラチックです。まだ初心者なので、色々教えてくれると助かります」
普通の初心者はソロでここまで来れませんよ。
「……もしかしてえt」
「なにか(ギロ!)?」
「いえ、なんでもありません」
ガンツが何かを言いかけて、めちゃくちゃ睨まれていたが、あの迫力で死なないなら、もうちょっとファニーからの口撃にも耐えろ。
「最後だな。あたしは【イクチ】のRex。世界一熱い女だ。ちなみにこいつの姉」
「なんか今日嘘多いな」
「シスターって言ってただろ!」
「ごめん記憶がない(徹夜のせい)」
全員の自己紹介が終わったところで、早速本題を切り出した。
「さて、今回俺がみんなを集めたのは、第二回イベントの件です。実は、俺、ガンツ、ファニー、アンペルの4人で超級の海龍に挑んでみたんですけど……ボッコボコにされました」
俺たちの強さを知っている人たちが、少し驚いていた。
いや、あれマジでヤバいんだよ。
つらつらとあいつの強さを語ったら、みんなドン引きしてた。
「俺はあんな奴に負けたくないんだ。頼む、俺に力を貸してくれ」
そう言って、頭を下げた。結構頭は軽いタイプ。
「私は君の彼女だからねー。もちろん協力するよ」
「ありがたいけど彼女ではない」
もう何も言わずにミワから逆刃ナイフを取り上げた。
その他みんな肯定的なことを言ってくれたが、さすがに割愛。
「あれ使おウ。クランシステム」
ああ、そういえばそんなんあったな。
第一回イベントの報酬で貰った、クラン設立権。
次のアップデートで一般配布されるらしいが、今権利を持っているのは、イベント10位以内の人しかいない。
クランメンバーなら、フレンドリーファイアのダメージが25%カットされるらしい。
「いいのか?フレンドとは違って、すぐにはやめられないぞ」
「全く問題ない」
「さっさと作ってよー」etc.
いい人達と巡り合えて良かった。
作るか、クラン。
「リーダー誰にする?」
全員が一斉に俺のことを指さした。
……俺が集めたメンバーだから、俺がやるのが筋か。
色々適当に設定してったが、
「クラン名何にする?」
これは後から変えれないらしいし、慎重に決めなくては……。
「はイ、《龍殺隊》」
「最近ハマってる漫画持って来るな。あと龍は今回だけだろ」
「はい、《情熱〇陸》」
「伏字の時点でアウトだろ」
「はい、《ファニーのファンクラブ》」
「死ね」
「流石に今のはキモイ」
お前ら決める気あるか?
「はいはい。ここは一旦、みんなの共通点とかを確認しましょう」
流石シェンラさん、まともな意見を出してくれた。
でも、共通点とかあるか?
スキルは普通の魚もあれば、妖怪もいるし、植物もどきもある。
容姿とかにも特徴がないし……みんな若い(推定)ってくらいじゃない?
「じゃあ、リーダーの特徴はどう?」
第二のまとも枠、ラチックの言葉で、みんなが一斉に俺を見たが……俺の特徴って何?
「……ヤ〇ザ」
おいギコー、ヤク〇言うな。
「~組でいこう」
「え、マジ?」
「はい、《海馬組》っていうのはどう?」
「いいな」
「面白ーイ」
「……リアルの名前入れんな(諦観)」
今時の中学生のネーミングセンスを心配しつつ、俺はクラン名に《海馬組》と入力した。
どれが誰のセリフか分かりにくい時は教えて下さい。
フレンドリーファイア:仲間から仲間への攻撃
ミワさんはクールな人から、上がり下がりの大きいリスカの人にジョブチェンジしました。