無理ゲー
戻されたユ弐レイで、ガンツのストック回復を待ちつつ、次にどこに挑むか会議をしておく。
「上級行く?」
「もう超級行きたイ」
「右に同じく」
まあ、どうせなら強いスキルが欲しいから、できるだけ多く超級に挑めるようにしたい。
「やるか海龍」
爆弾の補充や、ファニーのMP回復などもして、門のある広場へ向かった。
流石のプレイ人口か、開始から2時間ほど経っても、広場にいる人数はさほど変わっていないが、
「……超級に挑むやつ少ないな」
「最初はむしろ一番人気だったんだが……やばい難易度だったとかじゃないよな?」
「まさかまさカ」
「そんな訳ないじゃん」
少し悪寒を感じつつも、俺たちは、超級の門をくぐった。
◇
フィールドはさっきとほぼ変わらず、ちょっと広くなったってくらいだが、
「……グラフィック頑張ったなぁ」
巨大なドラゴンが、鎖に縛られていた。
三階建ての建物くらいあるんじゃないか?
水中なのに翼を持ち、鋭い爪に屈強な足。全身ウロコで包まれており、圧倒的な威圧感を放っていた。
「リス地集合ね」
「「「はーい(イ)」」」
ジャ〇プ漫画の主人公でも諦めるレベル。
『じゃあ始めるよ』
重苦しい雰囲気とは裏腹に、明るいザ・フィッシュの声が響き、
『よーいー、スタート!』
鎖が消滅して、
「jqnvpwrhlvbbkzndxbxzyhfb zh!」
言葉にならない咆哮を轟かせ、ガンツを余裕で殺した。
そして、初手からこちらに口を開いて、
「散開ー!」
激流ブレスが走った。
加速でアンペルとファニーを拾って攻撃範囲外まで退避したが、回収しきれなかった(回収しても速く動き過ぎると死ぬ)ガンツは、岩壁に叩きつけられて、クレーターができていた。
幸い、ストックは2しか削れていなかったが、あの威力は生き残りスキル以外は即死するぞ。
「二人とも、俺から離れんなよ」
「「……」」
「ねえなんか反応して?」
俺の職務が移動役に決まった瞬間である。
流石に二連ブレスとかいう鬼畜仕様ではないようで、普通の爪攻撃だったが、耐久にガッツリ割いてるのに、HP1割もってかれたぞ。
え、今の通常攻撃的な立ち位置じゃないの?
耐久型が10発で死ぬよ?
「〈650ボルト〉」
「〈ポイズンレイズ〉」
うちの後衛が魔法攻撃をしたが……ダメだ、数ミリしか削れていない。
毒の状態異常にも掛かってないし、ウロコが魔法を弾いてる感じがする。
試しに、加速してラッシュをしてみたが、魔法よりははるかに削れた(それでも3%くらい)。
しかし、その間にこっちに向かって口を開き、
「危ない!」
筋力強化したファニーが、俺とアンペルをブレスの範囲外に投げてくれたが、当の本人はアンペルと同じくらいの身長になっている。
「〈シューティングスター〉」
ガンツがヘイト稼ぎをしている間に、態勢を立て直して、もう一度加速ラッシュをお見舞いた。
これなら、ガンツとファニーをフル活用すれば、ワンチャン削りきれるのでは?(ゲス)。
そう思った瞬間、
「ckjb szlhkdfjbrgks rmshkdvsl」
HPが一割減った海龍が、また咆哮を上げて、
「「「GYAAAAAAAAA」」」
取り巻きの小ドラゴン、赤黄緑の3体が現れた。
人より少し大きいくらいだが、取り巻きに構ってたら即死ブレスが来るのがクソゲー。
もうこれは安西先生でも諦めるって。
赤色小ドラゴンが接近してきて……周りの水温が上昇している。
とりあえず殴ってみると、手が火傷した。
「〈650ボルト〉」
後ろからアンペルの電撃が放たれて、小赤ドラゴンのHPが3割くらい減った。
〈ノックバック〉を使って距離をとり、あと3発電撃を当てて倒した。
小の方には魔法もしっかり効くようだ。
ガンツとファニーも、黄色小ドラゴンを倒していた。
だが、
「……終わってんな」
緑小ドラゴンが、海龍を回復させていた。
もうHPは完全回復している。
回復させる取り巻きは犯罪だって、義務教育でやっただろ。
「wjdlbscrxkbshlkrpzwhvljwllpqb」
海龍が何かを叫んで……大きな渦が2つ出現した。
巻き込まれそうにもなったが、加速を使ってアンペルと渦を避けた。
ガンツも、素早さに回したファニーに連れられて渦から逃げ、
「VAOOOOO」
緑小ドラゴンの葉っぱブレスで、ファニーにいくつかキズがつき……ガンツが死んだ。
そして……渦に巻き込まれて、ストックがガンガン減ってる。
「ガンツー!」
「だが奴は四天王の中でも最ジャク」
4人しかいないだけだろ。
あ、マジであいつ死んだわ。左上の名前に×付いてるし。
とりあえず爪攻撃を〈ジャスガ〉で弾いて、アンペルとファニーの魔法で攻撃したが、やっぱりダメージが通らない。
「VAOOOOO」
海龍の下でまた緑小ドラゴンが葉っぱブレスを放ち、
「ミスったああああああああああああああ!」
「バカあああああああア!」
加速を使ってしまった。
すぐに海龍が口を開けて、
「お前だけでも生きろ!」
「死ぬときは一緒だヨ!」
激流ブレスでしっかり死にました。
最後にアンペルだけでも助けようと思ったが、なんで一緒に心中しちゃうの?
その後、観戦室みたいな所でファニーの激闘を見ていたが、どっちにしろ魔法では全然ダメージが通らないので普通にやられ、全滅した。
海龍のローマ字にはマジで意味がありません。
適当にカタカタやっただけです。
USUMの主アブ〇ボンだけは許さない。
あとラ〇ンテス。
〈ノックバック〉ダメージを与えた相手を吹っ飛ばす 連続不可 与えるダメージ減少
少しでも時間を稼ぐための採用。