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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
31/110

第二回イベンティアン

『第二回イベント開催』


 GW初期、第二回イベントの告知があった。

 いつも通り東間から電話がきたが……割愛。

 どうやら、今回のイベントはボス討伐らしいので、いつメン(俺 ガンツ ファニー アンペル)とログインした。


「おーい」


 いつもより混雑しているユ弐レイだったが、チャットを駆使して合流することができた。俺以外はもう集まっている。


「久しぶりー……なんかやつれてない?」

「言うな、思い出したくない」


 4月のイベントがマジで何も思いつかなかった結果、俺の徹夜案、マ〇カ&ス〇ブラ大会が採用されたんだぞ。

 4人に一人はスイッ〇を持ってる時代でよかった。

 両方とも結構運が絡むゲームなのに、川上伊織(元引きこもり)が全勝したって話する?

 さらに、「ゴールデンウィークだから校舎を金色に染めよウ!」とか言ってくるバカもいて……とにかく最近は大変だった。

 校舎の端っこが少し金色になってるのは、目の錯覚だ。


「お金は出してるから、仕事は減ってるだロ?」

「結局お前が増やしてんだよ!」

「え、アンペル、生徒会やってんの?」


 何ですかファニーさん、その怒気を孕んだ声は?


「ああ、こいつと同じ副会長ダ」


 アンペルが俺の腕を掴んで……水中でも火花って見れるんだぁ。

 またガンツ君が死んでいたが、今回ばかりはなんで死んだか分からない。


『みんなーこんにちはー。みんなのアイドル、ザ・フィッシュだよ!』


 空中(水の中だけど)にザ・フィッシュのホログラムが浮かんだ。

 やっぱりイベント説明はこいつがやるらしい。


『第二回イベントはボス討伐。4体のボスがいる部屋があるから、そこで戦ってもらいます。報酬はドロップアイテムとか、お金とかもあるけど、確率で【生物スキル】をドロップするよ』


 4体のボスは初級の河童、中級の水虎、上級の青竜、超級の海龍がいるらしい。

 例えば、初級の河童を倒したとすると、【河童】を得られるアイテムが貰えるようだ。

 ただ、同じスキルは存在しないので、アイテムが得られるかは早い者勝ちになる。

 ……書いてはいないが、俺はこれまで何回かマグロ目当てで襲われている。

 第一回の表彰台のせいで、大体の人が【マグロ】だと知っているから、無料で上等なマグロが食えるとなると……やるやつはいるわな。


「絶対スキル変えるぞ!」

「……すごいやる気ダ」

「ドロップしたら譲ってあげる」


 ザ・フィッシュがヒレをパチッと鳴らすと、四つの門が出てきた。

 ここに入って、ボスに挑めということだろう。


『期限は明日まで。何回でも挑戦できるから頑張ってねー』


 ホログラムが消えて、門が光り出し、挑戦可能になった。

 早速各門に挑戦パーティが殺到しているが、どうやら同時に挑めるようで、ドンドン人が吸い込まれていく。


「どこから行く?」

「初級はいいから、中級から行こうぜ」

「それでいいと思う」

「よく分かんないから従ウ」


 ということで、左から二番目の水虎になりました。

 大量に前に並んでいるが、進むペースは早いので、あと1分もすればいけるだろう。


「いつも通り俺とファニー前の、ガンツとアンペル後ろね」

「ちゃんと前張ってくれよ」

「私が信用できないの?」

「全く心配なんてしてないよ」


 お前らが会話してるとガンツが死ぬからやめてくれ。

 ただでさえ混雑で人にぶつかって、ちょっとストック削れてるのに、これ以上弱体化すんな。

 そんなこんなで、俺たちの番になり、


「頑張ろー」

「「「おー--」」」


 ファニーの掛け声で、俺たちは中級の門をくぐった。

 




 門の先は、暗いドームの様な場所で、硬い岩に囲まれていた。

 ここでボスと対戦するのだろう。

 一応振り返ってみたが、門は光っておらず、帰ることはできないらしい。

 そして、ドームの中心に、


「GARURURU」


 白い体に青色の模様が入った、トラックくらいの大きさの虎がいた。

 太い鎖に繋がれていて、まだ攻撃はできな


「〈600ボルト〉」


 アンペルの電撃が飛んだが、ダメージは入らなかった。


「何やってんの?」

「え、今ってチャンスタイムじゃないノ?」

「チゲーよ!こっちに陣を組む時間をくれてるの」

「これがメイドインジャパンなのカ……」


 そんなことを言っていると、


『じゃあ始めるよ』


 ザ・フィッシュの声がドームに響いた。

 息を飲みながら、右手の[熊の返り血]を構える。


『よーいー、スタート!』


 ザ・フィッシュの声と同時に鎖が粉々に吹き飛んだ。


「GAAAAAAA!」


 解放された水虎が重低音の咆哮を上げて……速い。

 まだステータスを上げていないファニーの方へ向かって、鋭い爪による引っ掻き攻撃をした。


「チッ」


 舌打ちしつつ加速して、腕で爪を受け止める。

 ダメージは……大したことないな。

 後衛から放たれた、妹を狙われて怒った矢が水虎の肩に当たり、少し怯んだスキに、


「〈トラッシュジェイド〉」


 ファニーの毒玉が口の中に入れられた。

 さらに、電撃の追い打ち。水虎でも電気は効きやすい様で、一気にHPの20分の1が削れた。

 意外と楽勝か?と思ったのも束の間、


「っつ、不味い!」


 水虎が、前衛を無視してアンペルへと突撃した。

 こいつ、後衛から狙うように設定されてるタイプだ。

 まだ加速のCTが上がっていないから、水虎に追いつけない。

 ファニーがステータスを調整してなんとか受け止めたが、素早さに割いた分、防御力は低くなっていて、一気にHPが半分以下になり、吹っ飛ばされた。

 ようやく使えるようになった加速で、アンペルと水虎の間に割り込み、ついでに攻撃を加えておく。


「大丈夫か?」

「全然。まだ生き返りもあるから」


 ファニーの安全確認をしつつ……ここ!

 水虎の爪に、[熊魚の返り血(リベア)]を合わせた。

 カンッと軽快な音が響いて……水虎の爪が弾かれた。

 〈ジャスガ〉の効果で、ダメージを無効化したのだ(詳細は後書き)。

 今回の俺のスキル構成は、水流 ジャスガ ノックバック 瞬転 逆上で、結構防御よりになっている。

 しっかり後衛がダメージをだしてくれるから、長く前線を持たせる方向でいきたいのと、普通にこれが一番安定するからだ。

 というか、前回みたいなチンパン構成は一発ネタでしかやらない。

 そして、俺がヘイトを取っている間に、


「〈650ボルト〉」

「〈トキシック・ドル〉」


 アンペルが電撃を飛ばし、ファニーが水虎の背後から猛毒の針で刺した。

 さらに、加速で追い打ちをかける。


「ラァ!」


 安定のラッシュで、一気に水虎HPを削り、あと4割。

 すると……急にダメージが入らなくなってしまった。


「GAAAA!」


 これは第二形態ってやつか?

 水虎の体が小刻みに震えて……尻尾が3本に分裂した。

 そして、分裂した尻尾が回転し始めて……さっきよりもさらに速くなった。


「いやそうはならんやろ!」


 あれはスクリューってことか?

 機動力も上がっているようで、俺とアンペルをスムーズにかわして……狙いはガンツか。

 なら問題ないかな。

 水虎がガンツの首にかぶりついて、当然のごとく一回死んだが、


「じゃあな」


 腕には、導火線に火が着いた大量の爆弾が。

 慌てて離れようとする水虎に抱きついて、


 ドッカーン!


 残り4割のHPと、ガンツのストックが5つ程消し飛んだ。

 幾つかのアイテムと、お金をドロップしたが、スキルを変えられるアイテムはなかった。


 スマ〇ラ大会のルールは4人戦アイテム有りのお祭りルール。

 足が速くないから、あんまりルールと嚙み合ってないカズヤで優勝してた。


 伊織「だって顔にキズついてるじゃん」


 〈ジャスガ〉ピッタリのタイミングで攻撃を防ぐと5割でダメージ無効、連続使用不可

 ポケ〇ンの麻痺で4連続で痺れた経験から、連続使用不可。せめて連続では痺れなくしてくれ。

 それで勝ち筋が残るかもしれないけど、残される側にもなって。


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