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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
3/110

なんかネタが細かいな

 Universal Sky and Sea Online、略してUAO。

 キャッチフレーズは『魚や鳥になって、立体的に世界を楽しもう』で、最初に空か海を選んで、空だったら背中に羽が生え、海だったら足にヒレがつくらしい。

 さらに、一人一つ生物の名をしたスキルが貰えて、その生物に由来した能力が得られるとか。

 PVでは、【ハンマーヘッドシャーク】がハンマーで大きな岩を破壊し、【クジャク】が綺麗な羽を飛ばしていた。

 正直、かなり面白そうだ。



「お、あった」


 あれから数日経って、USOが近所のゲーム屋で、再販されているのを見つけた。

 初日は売り切れていたけど、大量に生産したとの宣言もあり、割と早めに手に入った。


 早速家に帰って、ハードの電源を入れる。

 入れっぱなしになっていたDAOを丁重にケースに入れて、新たにUSOを入れた。

さて、やりますか。

 ヘルメット型のハードをかぶり、ログインした。



「こんにちは」

「うん、誰?」


 なんかダンディな声が聞こえてきた。

 電子の世界でペンギンが喋っている。違和感がすごい。


「設定の手助けをするNPCだ。よろしくぅ」

「なるほど」


 空と海の中間ということで、泳げる鳥であるペンギンが抜擢されたということか。

 にしても、その声は子どもが泣くのでは?


「さて、説明文は読んできたか?」

「はい」

「じゃあ、細かい説明は省く。まず、空か海かを選んでくれ」


 視界に選択肢が浮かんできた。

 統華にメールで聞いてみたところ、『人魚になってみたい』と返信されたので、海を選択した。

 まあ、飛べるゲームはあったけど、海で過ごすゲームはやったことないし、どっちにしろ海だった気がする。


「ふむ、海か。俺も海に住んでいるからな。魚はうまいぞ」

「空バージョンをお願いします」

「ふむ、空か。俺は飛べない鳥だから、俺の分まで飛んでくれ」


 やっぱりどっちにしても肯定的な意見を言うのね。


「へい!」


 ペンギン君が手を上げた。

 すると……釣り堀がでてきた。


「いや、どういうことだよ」

「釣りだ。やったことはあるか?」

「少しだけ」


 ペンギン君が釣り竿をくれた。

 昔の記憶を思い出して、釣り堀に糸を垂らす。

 水は濁っていて、何が食いついているかは分からない。


「で、これなに?」

「これで釣れた生き物が君のスキルになるんだ」

「SSRは?」

「どれも同じと言いたいが、サメかドククラゲ辺りだろうな」

「お願いします、サメかドククラゲ、サメかドククラゲ、サメかドククラゲ……」

「……」


 これが俺のソシャゲガチャ必勝法。

 割とマジでやった方が良いのがでる。

 ガチャ運は良い方なんだ、頼む。

 そのとき、釣り竿が引っ張られた。


 重い、かなりの大物だ。

 クラゲではないだろうが、サメの可能性はある。

 ペンギン君が網をとりだして、すくってくれた。


「……なんだこいつ」


 俺の身長と同じくらいの、巨大な魚が釣れた。

 サメではなさそう。


「マグロだな」

「マグロかよ!」


 強くはなさそうですね。

 というか、おいしい以上の情報がない。


「ほら、手に取ってみろ」

「重!」


 必死に両手でもっていると……マグロが光り出した。

 どんどん軽く、小さくなっていく。

 光が収まって、そこにあったのは……大きな皿に乗せられた、一切れのマグロの刺身だった。

 ご丁寧に醤油とワサビまである。


「食べろってこと?」

「食べれないなら手に持つだけでいい。まあマグロなら食べるか。箸どうぞ」

「ありがとう」


 醤油をつけて、マグロを食べた。

 うん、回転ずしのマグロより少し美味しいこと以外は普通だ。

 すると、テッテテーという効果音がして、スキル【マグロ】獲得と表示された。

 さっそく能力を調べてみる。


 【マグロ】効果:止まったらダメージを食らう

        10秒に一度加速できる


「マグロについて解説してやろうか?」

「お願いします」


 どこからか、マグロの映像がうつされた。

 普通に泳いでいる。


「マグロは、止まると死んでしまうんだ。これがスキルの自傷効果だな」


 あ、映像のマグロが死んだ。

 右下に※あとでスタッフが美味しく頂きましたって書いてる。

 別のマグロが映った。


「マグロは平均速度は時速7キロくらいだが、瞬間速度は時速80キロだと言われている。これが加速効果だろう。別に加速が速いとかでもないけど、それ以外に特徴がないから付けられた」


 そんな裏事情話されましても……。


「これってリセマラできる?」

「無理だ。次は、プレイヤーネームを決めてくれ」


 ま、まあ、加速度が高ければ使えなくはない。

 それよりプレイヤーネームだ。

 一瞬『ツナ』とかにしようかとも思ったが、普通にゲーム名でいいや。

 キーボードにイグノと打ち込んだ。

 好きな漫画のキャラクターなのだが、マイナー過ぎて誰も分かってくれない。

 スキがあれば宣伝してるんだがなぁ。


「ふむ、良い名前だな」

「これが出てくる漫画について語っていい?」

「俺はNPCだから無理だ。最後にキャラメイクをしてくれ」


 俺は現実からあんまり変えない主義だ。

 身バレが怖いから、髪色と瞳色は変えるが。


「何色がいいと思う?」

「マグロだし、赤色にしておいたらどうだ?」

「それいいね」


 ということで、赤になりました。

 うん、いいね。


「これでよろしく」

「あいよ。じゃあ、今から始まりの町に送るから、頑張れよ」

「ありがとな!」


 後書きで能力について詳しく書いていきます。

 読まなくても楽しめるので、細かい設定とか見たい人だけどうぞ。


 【マグロ】

 能力;加速

    動かないと自傷


 元ネタについては本文で語ってるので割愛。

 加速について掘り下げると、10秒に一回2秒間加速。

 加速時のスピードは素早さの値ではなく、レベルで決まる。

 ちなみに自傷がなかったら30秒に一回とかになっていた。


 自傷の動いてる判定はなかなか厳しく、ちょっと舌や指を動かしてるとかだと一瞬でダメージを食らう。


 戦闘面に関しては結構強いけど、日常生活に問題がでる。

 ……あれ、主人公の能力にするべきじゃなくね?

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