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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
28/110

閲覧注意 深夜テンションが含まれております

 途中で見たくなくなった人は、後書きだけみて下さい。

 スマホの着信でたまたま目を覚ました。

 メールは、悠馬からのようだ。


「今からログインできるか?」


 まだ土曜の7時だぞ。二度寝しよう。

 そう思って、簡単な返信を打っていると、もう一通のメールが、


「今徹夜明けなんだ」


 俺の意識を覚醒させた。





 ユ弐レイにログインして、軽く見渡すと……イグノがいた。


「おーい」

「よおガンツぅ」


 目を半開きにしたイグノが、こっちに手を振ってきた。

 どうやら、越湖の応援ポスターのロゴを自作していて、『あと少し、あと少し』と気づいたら夜が明けていたらしい。

 こういうことは何度かあったのだが、


「ウィー。楽しんでるー?」


 こいつの深夜テンションは頭おかしい。


「リトマス試験紙さん、徹夜後に丁度いい軽めのダンジョン見つけてちょ。

今回合ってたらBTB溶液に格上げしてあげるから」

「できれば実験器具から離れてほしいんだが」

「なに言ってんだよー。目指せph試験紙だろ?」


 他愛のない会話をしつつ、マップからダンジョンの波動を感じ取って、最適なものをピックアップする。

 この波動は良い感じだな、おし、ここにしよう。

 海樹のダンジョン。



 海底に生えてる大樹の内部に存在する、海樹のダンジョン。

 踏破したら、【自傷特攻】(攻撃に自傷ダメージが入る代わりに、自分の攻撃力が上がる)がゲットできるらしいし、丁度いい。


「でっけえ木だなぁ」

「いつか、俺はこの木よりもビッグになる」


 意味不明なことを言ってるイグノは置いておいて、早速ダンジョンの中に入る。

 木の壁に従いつつ、上へ上へと泳ぐ。


 少し登ったところで、木の幹からモンスターが生えてきた。

 マッドウッドというようで、木から分離して、人型になった。


「ウォーミングアップがてら、俺一人でやる」


 そう言って、イグノが先行する。

 徹夜明けで、まともに戦闘できないと思うかもしれない。

 実際、いつもの方が強いのは間違いないのだが……徹夜明けには、徹夜明けの強みがある。

 マッドウッドの手であろう部分が伸びてきたが……イグノはひらりと避けた。

 俗に言う、酔拳と同じような状態だ。変化に富んだトリッキーな動きで、コンピュータのモンスターですら惑わせる。


「りゃあ~」


 流れるような動きで、相手の攻撃を躱しつつ接近して、殴り飛ばした。


「よし、いけそうだぁ」


 前方で、大量のマッドウッドが沸いているが……丁度いい難易度かな。

 最前列のマッドウッドの頭に矢が刺さった。


 戦いながら、適当な会話をする。


「お前、何でもう一回副会長やろうとしてんの?」

「いや〜、越湖に頼まれちまってな。あいつ絶対俺のこと好きだぜ」

「だろうな」

「何言ってんだ んな訳ねーだろ バカじゃねえの(真顔)」


 ……鈍感にし過ぎたかもしれない。

 昔、うちの可愛い可愛い統華が、悠馬のことが好きだと言い出し、それっぽいことをし始めたから……俺は『恋愛ライバルを鈍感にする本』で猛勉強し……マジで効いてしまった。

 中学時代からそこそこモテてたんだが……俺って天才じゃね?


「っしゃ殲滅ぅ」

「ナイス」


 ダンジョンはこれで終わりで……宝箱があった。


「おいガンツ、まだストックフルだろ?開けろよ」

「いや、耐久あって、すぐに逃げれるイグノがやるべきだろ」


 二人ともDAO経験者だから、あのクソミミックにしっかりとトラウマがある。

 ラスボスより強いミミック君に乾杯。


「ここは運ゲーのじゃんけんでいこう」

「いいぜぇ」


 双方、右手を背中に隠して、何を出すか思案する。


「ガンツ、さっきお前はじゃんけんを運ゲーだと言ったな」

「ああ、言ったな。じゃんけんなんて運頼りしかないだろ」


 イグノはニヤッと笑ってから、


「君はまだそんな次元にいるのか。こんな言葉を知っているか?

運は頼るものではない、引き寄せるものだ!」


 出した手は……俺がパーでイグノがグー。

 確かに運ゲーではなかったな。お前徹夜明けの初手は絶対グーだし。

 その後、三回勝負と言い出したイグノにグーで勝って開けさせたけど、なんも入ってなかった。



「ありがとな。そろそろ寝るわ」

「ああ。選挙頑張れよ」


 ダンジョンから出て、解散しようとしていると、


「付いてこないで!」

「そんなこと言うなよ。ともに幻獣を引いた仲だろ?」


 なんか、痴話げんかが聞こえてきた。

 覗いてみると……イベント二位のクソロン毛パーマ、ボネーラと、赤黒い髪の女が言い争っていた。

 向こうもこちらに気づいた様で、女性の方が寄ってきて、


「あたし、こいつとやるから。なあ兄弟」

「おうシスター」


 ヤバい、なんかイグノが絡まれて、そのままのテンションで答えてる。

 ……普段は初対面の人と肩を組んだりはしないんだよ。


「海は広いな「大きいなー」」


 なんで今歌い出した? あ、煽るためか。

 煽り耐性ゼロのボネーラはすぐキレて、


「貴様か3位。Rex(レックス)を掛けて勝負だ!」


 バカかこいつ?


 Rexっていう女が、ボネーラに絡まれていて、戦うことになったってことくらい覚えとけば大丈夫。

 好評だったら(ないと思うけど)もう一回やるかもしれない。

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