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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
22/110

頼れる増援

 あと火口までもう少し。イモムシ地帯を抜けたら……カブトムシ&クワガタのモンスターが出現した。

 もちろん蟻地獄もまだまだ出てくる。

 クワガタの顎が接近してきた。


「チッ」


 加速のCT中だったから、簡単に挟まれてHPが減っていく。

 さらに……止まってる判定まできた。

 必死に拘束されていない箇所を動かして判定をやり過ごし、加速中に鎧を破って一匹倒した。


 大群相手は相性が悪いか。

 10秒に一匹では全然処理能力が足りていない。

 どちらかというと『対面で打ち勝とう』みたいなスキルと構成だから、VS多人数はキツイ。


 ドカン!


 背後から爆発の音が聞こえてきた。またガンツが自爆した音だ。


「あといくつ?」

「ラッキーセブンだ……今6になった」


 そろそろ本当にやばいな。

 まだ火口少し距離があるのに、ガンツの命はあと少しで、ファニーはもうアンペルと同じくらいまで小さくなっている。


「リス地集合で」

「おう」

「はーい」

「早くなイ!?」


 諦めは早い方です。

 俺一人ならこの距離から火口に行けると思うが……みんなでやらないと意味がないよね。

 あ、カブトムシの突撃……死んだ。


 その時、光る盾が突撃を防いだ。


「こんにちは」


 光る黄緑色の髪と、涼し気な顔。イベントで会った珊瑚さんだった。

 あと……狐の仮面で片手に銃、もう片手にナイフを持った女と、巨大なノコギリみたいな物を携えた男がいた。珊瑚さんのパーティメンバーだろう。


「ありがとうございます」


 加速を使って止めてもらったカブトムシを倒しつつ、お礼を言った。

 彼女は、笑みを崩さずに、


「いえいえ、困った時はお互い様ですから。よろしければ共に火口まで行きませんか?私たちも3人で乗り切れるか分からなかった所です」

「……お願いします」


 視界の左上にHPバーが3本追加された。

 俺以外にとっては初めて会う人たちだから、元からうちのパーティだった人たちに呼びかけておく。


「多分信頼出来る人たちだから安心して。話は火口を通ってから」


 何故か分からないが、なんとなく信頼できる気がする。

 他のメンバーたちは戸惑っていたけれど、俺の言葉を信じて戦闘行動を継続している。



 援軍が来てから、戦いが安定するようになった。

 何よりもガチ耐久型のシェンラ(珊瑚)さんがいるのが大きい。

 うちには優秀な後方支援キャラが二人(ガンツ&アンペル)所属しているので、壁があると、とても立ち回りやすい。

 それに、他のメンバーもめちゃくちゃ強い。


 仮面の人が、左手の銃で右翼のクワガタを牽制して……火力が足りず、近づかれて顎で挟まれそうになっている。


「危ない!」


 仮面の人を後ろから引っ張ったが……触れた瞬間に、壊れたテレビの様に点滅して消えた。


「大丈夫ですよ。それがミワちゃんの能力ですから」


 前からゆったりしたシェンラさんの声が聞こえてきて……


「こっち」


 ミワ(仮面の人)はクワガタの背中に乗っていた。

 そのまま、装甲の間にナイフを差し込んで倒した。

 なるほど、実体がない自分のニセモノを作り出す能力か。いつの間に入れ替わったのか分からなかった。


 左翼では……ノコギリ男が無双していた。

 凄い攻撃力で、かなり硬いはずの昆虫たちを2、3発で倒してる。

 速さは低めとはいえ、あの攻撃力は異常だ。

 ノコギリなんてマニアックな武器を使っているから、ノコギリの威力を増幅させられるとかかな。


 陣形の後ろ側では、小学生ファニーが麻痺毒を撒いて効率的に追っ手が来ない様にしている。

 ……もし水の流れが逆なら、こっちに毒が流れて来ます。

 あっぶね。


 即興の連携でよくここまでできるなー。

 そして、俺が何をやっているかというと……


「……(虚無の顔)」


 モグラ叩きだった。

 もう少し詳しく言うと、ガンツやアンペルの足元に沸いてくる蟻地獄を、加速してぶちのめす仕事(一瞬で殺しても衝撃でガンツは一回死ぬ)。

 いや、増援が強すぎてやることないんだって。

 ちなみに、加速してたら蟻地獄なんて2発で倒せることと、蟻地獄が出てくる頻度的に、マジで俺が倒すのが手っ取り早い。


 この鉄壁の布陣を、昆虫程度が突破出来る訳なく、


「飛び込めー!」


 シェンラさんの掛け声で、火口に飛び込んだ。





 火口という名の縦穴を降りていく。

 DAOだったら、安心したところに壁面から蟻地獄が襲ってくるが、UAOはそんなことしないらしい。

 まだ出口も見えないから、今日の出会いに感謝して自己紹介をすることになった。


「私はシェンラ。もう分かってると思うけど、生粋のタンクです。【珊瑚】も防御に関係するものになってます。何か質問はありますか?」

「はい!」


 ファニーが勢いよく手を上げた。

 そこには、謎の真剣さがあった。


「イグノとどこで会ったんですか?」

「イベント中ですよ。両方有効打がなかったから、少し談話した程度の仲です」


 ファニーがほっと胸をなでおろした。そんなに重要なことか?

 次は、狐仮面の人の番だ。


「ミワ。【イワシ】でデコイ出せる」


 短いなぁ。

 あとみんなが一番求めてる説明がないんだけど。

 まあ、触れちゃいけない系かもしれないから、慎重に……


「はい質問。その仮面な二?」


 ……空気を読めないアンペルが聞いてしまいました。

 聞かれた本人の反応がないかと思ったらデコイにすり替わっていて、本体はシェンラさんの後ろに隠れちゃった。


「顔が見られたくないらしいです。綺麗なんですけどねぇ。私のリアル妹なんですよ。あと、1位と3位の前で言うことではないですけど、イベントでは7位でした」


 代わりにシェンラさんが答えてくれた。

 ……性格に難がありそうだ。

 叩いてでもアンペルを謝らせてから、ノコギリ男の番になった。


「俺はギコー。【ノコギリザメ】でなんでもぶった切る!イベントは16位だぜ」


 こっちも短いけど、どちらかというと大雑把な印象。

 とりあえずノコギリと体格が見合ってないから、がたいがいい癖にすぐ死ぬガンツと交換した方がいいよ。


 こっちも自己紹介をして、フレンド登録を済ませた頃には、とっくに縦穴を抜けていた。

 暗くなった海底に、第二の町があった。


 解説の詰め合わせ


 【珊瑚】


 能力:防御力上昇

    永続小回復


 硬さからの防御上昇と、光合成の永続回復。

 珊瑚自身は光合成できないけど、体に住み着いてる藻ができるからセーフ。

 日が当たる場所の方が回復量が多いとかの隠し要素もある。

 なぜ名前が漢字になっているかというと、作者がこの漢字が好きだから、特に意味はない。


 【イワシ】


 能力:デコイ


 某アぺの一般男性みたいな能力。

 基本は直進で、操ることもできるけど結構集中力がいる。

 魚群をつくつ生物だから、仲間を差し出してる→デコイに至った。

 なお本人の性格は明るくない。できれば陽気なキャラにしたかった。


 【ノコギリザメ】


 能力:ノコギリに補正


 そのまま。ノコギリザメってマジで頭のノコギリを狩りにつかうらしい。

 結構使いにくそうなんだけど。


 人物が増えてきたけど、後日キャラの設定集みたいなのを上げるので見放さないで下さい。

 作者は登場人物が多い小説は読めません。覚えられない。

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