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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第二章 クラン結成編
19/110

モノホン貴族だぁー(白目)

 実際には、アンペルはツインテールと金色の目で、今何食わぬ顔で座っているのは金髪を下した青目。

 だが、その容姿や小学生ボディは、間違いなくアンペルのものだ。


「どうしたの?」

「いや、知り合いに似てる人がいた」


 そう、似てるだけだ。もしくは、名家で有名だからアンペルが真似してたとか。


「じゃあ、仕事の用意しておきますね」

「ええ、頼んだわ」


 嫌な思考を払拭する様に、仕事に集中する。

 倉庫の備品数を確認して、元あった場所を教えてもらい、準備は整った。

 その頃には式も終わっていて、どんどん新入生が退場していく。

 アンペルらしき人にウィンクされたけど、視界に入った人全員にやってるんだろ(やけくそ)。


 全ての新入生が退場したところで、体育館を使う系の部活たちが入って来た。

 イスやらマットやらを迅速に片づけていく。

 ……さっすが運動部、一気にイス五つとか持ってるよ。

 俺も、自分の仕事を全うする。


「そのタイプのイスは右側に並べといて」

「分かりました」


「すみません、これどこに持ってけばいいですか?」

「んー、後で俺が処理しとくからそこに置いといて」

「はい!」


「あ、あー(マイク)。倉庫のイスの数が合いません、なにか知ってる人は報告下さい」


「グラウンドにありました」

「なんでそんなとこ行ってんだ?」

「入学初日に一目惚れからの告白で振られたやつが、イラついて投げたらしい」

「ケガ人は?」

「なし」


「ふう」


 あとは、このイスの形を少し直して、土を払ったらお終いだ。

 ったく、初日に告白って、記録でも狙ってんのか?

 力尽くで形を修正し、簡単に雑巾で拭いたら、他のと遜色ないくらいにはなった。


「終わった?」


 倉庫に会長がやって来た。

 遅いって文句言われそう。


「違うんです、初日に告ってイスを投げた奴が悪いんです」

「あの子、イス投げたの?」

「誰が投げたか知ってるんですか?」

「告白されたし」


 アンタかよ。


「会長に告白なら……分からなくはないか」

「え?」

「いや人気者だし。それより他のところは終わってますか?」

「ええ、あなたがイスの捜索程度に手間取ってる内に、他の場所は終わってるわ。

じゃなきゃ私がこんなところに来る訳ないじゃない」


 なんかいつも以上に言葉がキツイ。

 怒っていらっしゃる?


 体育館からは、バドミントンやバレーの音が聞こえてきた。

 そろそろ帰ってもいいかな。


「じゃあ、お疲れさまでした~」


 会長に挨拶して、自転車を取りに行く。

 東間たち待ってくれてるかなぁ。もし待ってなかったら、またあいつに会長立候補させよう。


「で、何やってるんですか、会長」


 なんかさっきから無言で並歩してるんだけど。

 会長歩きじゃなかった?


「……次の集まりについて話を」

「メールでいいんじゃ?」

「メールでは伝わりにくいものがあるわ。第一、面と向かって話すことが一番のコミュニケーション手段であるということは既に証明されていて、確かにメールにも利点は……」

「もういいです」


 会長はたまにオタク並の早口言葉で論破しようとしてきます。

 ファンが言うにはそこが可愛いらしいです。


「次は最後の引継ぎですよね?」

「その通りよ。仕事を清算して、次の世代に伝えたいことがあるなら……」

「おりャー------!」


 その時、俺の後頭部にドロップキックが飛んで来た。

 死角から放たれたそれを避けられるはずもなく、敢え無く道の真ん中に倒れこんだ。


「誰!?」

「そこのヤ〇ザの知り合いダ!」


 本日二回目の後頭部への攻撃に怒りを抑えつつ、振り返ると……小学生金髪ツインテールが仁王立ちしていた。


「……もしかしなくてもアンペル?」

「言っただろ、今年で高一だト」

「もしかして、海外の名家さん?」


 会長からの質問に、アンペルは胸に手を置きながら、


「いかにも、私はディア・ワトソン。ワトソン家跡取りダ」

「その跡取りが何でうちの学校に?」

「あんたのためだよ【マグロ】ォー」


 煽らなければよかった。だってこんなことになるとは思わないじゃん。


「……会長、後は任せた」

「え、ちょっと」


 俺は、全力で自転車置き場まで走り、帰りもスピード違反で帰った。

 少し走って追って来たが、小学生ボディでは無理があるのか、すぐに息が切れて、


「今日1時半からログインしとケー!」

「負け犬の遠吠えがぁ!」


 やべ、また煽っちゃった。

 でも、あいつを見るとなんとなく煽りたくなるんだよな。

 1時半……現実でドロップキックよりはマシか。


 この物語はフィクションです。

 現実のワトソンなんにも関係ありません。なんとなく電気っぽい名前にしたかっただけです。


 ドロップキックは身長がとどかないから二回から飛び降りた。

 退場するときに見つけて、ずっと出待ちしていた模様。

 もし人間違いだったら大金が動いていた。


 次はちゃんとゲーム回です。



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