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Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
17/110

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『しゅーりょー』


 【電気ウナギ】の少女が消えた瞬間、ザ・フィッシュの声が聞こえ、体が光出して転送が始まった。

 待機所みたいな場所に飛ばされた。

 沢山の人が、歓声を上げている。中には、俺が倒した人もいた。


「イグノー!」


 少し離れた所でファニーが手を振っている。

 人込みを押しのけて、ファニーとガンツの元へ向かった。


「お疲れー」

「何で死んだの?」


 開幕先制パンチ!

 二人は、ばつが悪そうに目を逸らしながら、


「消費アイテムを持って行けないから背負ってる矢とポケットの爆弾しかなかった。あとストック系は不利だろ」

「ピンク海藻食べながら毒を流し続けたけど、毒耐性の魚がいて死んだ」


 じゃあしょうがないか。

 結局この二人は百位後半だった。


「それより、一位を倒すなんて凄いじゃねーか!」

「やり方は終わってたけどね」


 その時、空中にザ・フィッシュが現れた。


『今日はみんなありがとう。お陰で第一回イベントは凄く盛り上がったよ!』


 また、周りから歓声が上がった。疲れてるので、適当に騒いでおく。


『じゃあ、今から一番盛り上がる、表彰式を行いまーす』


 ……俺の体が光出して……気づいたら表彰台の一番低い所に立っていた。

 ……マジ?

 最後十分は順位を見れなくなっていたから、今3位だと分かった。

 後から聞いた情報によると、残り20分時点で3位だった【テッポウウオ】さんは遠距離から狙撃するタイプだったらしく、位置が分かったらボコボコにされて、大きく順位を落としたらしい。

 それで、三位は沢山の人に回っていったが、最終的に1位の三分の一の点を得た、


『第三位は……【マグロ】のイグノさんです』

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」


 今までで最高の歓声が上がった。

 空気を読んで腕を振り上げた。


『最後に第一位を倒したのが大きかったですね。会場では一位にやられた人が騒いでいます。一言コメントを』


 歓声が多いのはそういうことか。

 とりあえず、ザ・フィッシュからマイクを受け取って、


「ええっと……ああ、一つだけいいたいことがありました。

マジでごめんな【電気ウナギ】の人」


 倒す直前にも謝ったけど、もう一度謝っておく。

 会場にも中継されていたようで、共感の声と、別にいいだろという声が上がった。

 ザ・フィッシュが、俺からマイクを取り上げて、発表を進める。


『はい、では第二位の発表です。第二位は……【骨クジラ】のボネーラさんです』

「オオオオオオオオオオオオオオオオ!」


 二番目に高い所に、ロン毛パーマの男が現れた。

 第二位は一時間半の時点から一切変わっていないようだ。

 だが……余程【電気ウナギ】に初見殺しされた人が多いのか、俺の方が歓声は大きかったぞ。


『その硬く鋭い骨で、安定した強さを誇りました。能力の使い方が非常に面白かった印象です。一言コメントを』


 ボネーラにマイクが渡って、


「わたキィィィィィン」


 思いっ切りハウリングした。

 会場で笑われてるのが目に浮かぶ。もちろん俺も笑った。

 ボネーラは顔を真っ赤にしつつも、続けるようだ。


「私はこのゲームにおいて一番強いスキルを得た、勝者である。第一位など所詮は大量に倒しやすいだけのスキル。一対一で張り合った時は絶対に私の方が強い。

だから、お前たち一般プレイヤーは私にひれ伏して……」

『はい、ありがとうございましたー。次はいよいよ第一位です』


 長くなりそうだと思ったのか、ザ・フィッシュがマイクを奪い取って強引に終わらせた。

 大体言ってることが意味不明だし。

 お前以外にも一対一に強いスキルはごまんといるし、一対一が強い=一番強いは成り立たないし、まだまだ未登場のスキルだってある。

 会場のブーイングが聞こえてくるようだ。


『はい静粛に。では第一位の発表です。第一位は……【電気ウナギ】のアンペルさんです』

「オオオオオオオオオオオオオオオオ!」


 表彰台の頂点に、金髪小学生がでてきた。

 まあ、二位と倍以上離れてたから、死んで半分になっても君だと思ったよ。

 上から睨まれてる感じがするけど、気のせいだろ。


『電気特攻の魚たちに容赦なく電撃を浴びせた張本人。最後の最後に第三位にやられて、ダブルスコアとはなりませんでしたが、堂々の一位。一言コメントを』


 マイクが彼女の手に渡り……こっちを向いて、俺を指さした。


「おい〇クザ、覚えてろヨ!次は負けないからナ!」

「うわぁ、今時の小学生ってヤク〇なんて知ってんのか」

「キィィィィ!」


 ここではスキルが使えないのか、物理的に殴ってきて……おい、噛みつくな。

 何か反応が貰えると思っていたのか、ポカンとしているボネーラさんが印象的だった。

 そうだ、こいつを煽って俺の頭をかじってる小学生を離してもらおう。


「おい二位、第一位様がお前なんか眼中にないって言ってるぞ」

「誰あなタ?」


 ハハハ、膝から崩れ落ちてやがる。

 役に立たねーな雑魚メンタルが。

 だからこの小学生を誰か剥がせ。


 舞台がカオスに包まれた所で、ザ・フィッシュが、


『個性的な魚たちでしたね。第二回大会が楽しみです。では、今後ともUAOをよろしくお願いします。まったねー』


 なんとかシメてくれた。

 その後も小学生が全然離れない。強力接着剤でも使ってんのか?

「すぐに暴力に訴える所が小学生っぽいよね」と言ってみたけど、噛みつきが強くなるだけだった。


 骨クジラは実在しない生物。

 名前の通りクジラの骨でできている。

 再登場するので、解説はその後。



 たとえば味方のステータスを10倍するとかの能力は、一対一は強くないけどこのゲーム内では間違いなく最強。


 第一章終わり。

 好評価ブックマークその他もろもろよろしく。

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