表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
第一章 始まり
15/110

……もう海藻飽きた

 地面から、何本かの土の槍が伸びてきた。

 今はある程度地面から距離を置いているが、そこそこ速いため、数か所掠った。

 ……もう海藻飽きたんだけど。この二時間半で一生分食ったわ。


 今、どこにいるかも分からない敵に襲われてる。

 土魔法で地面から攻撃してくるから、どこにいるかが全く分からない。

 だが……もう二十分くらいこいつに付き合わされてるんだ。

 絶対シバく!


 幸い、地面まで距離があるから急所には当たっていない。

 無限に耐久もできるけど、さっき絶対シバくって決めたからなぁ。

 クソ、また掠った。こいつ一億%友達いない。

 いやいや海藻を食べて回復する。

 回復が済んでないのに、もう地槍がきそうなので、加速を使って逃げる。


「ん? 来ないな」


 数秒置きに襲ってきた地槍が来ない。

 射程範囲外かと思い、少し来た道を戻ると……地槍。


「なるほど、射程範囲はここまでっと」


 ギリギリ地槍が来るラインを探っていくと……弧になってるじゃないですか。

 弧があったら中心は分かるよなぁ。

 マップで大体のあたりを付けて、加速は使わずに〈水流〉だけで地槍を躱しつつ、陰キャに近づく。


 地槍の間隔が狭くなってるぞ、焦ってるのか~?(ニヤニヤ)。

 回復が間に合わなくて、HPがあと四割しかないけど、お前を殺るには十分だ。

 円の中心に行っても誰も居なかったが、


「加速」


 ここまで取っておいた加速を使って、思い切り地面を殴った。

 そりゃあんだけ土魔法使ってるなら地中だろ。

 予想通り地中に空間があって、中にはピンク海藻をバカみたいにため込んだプレイヤーがいた。


「ひぃー!ゆ、許して下さい」

「やだ。最後に一つ、お前友達いねえだろ」


 言葉の暴力もしたところで、背後から迫って来る地槍が刺さる前にメリケンサックでぶちのめした。

 ドロップ生物は……カレイ。

 うん、陰キャな君にはピッタリだね(なおこれを言ってる本人も陰の者)。


 あーやばい、あと20分くらいしかない。

 カレイとの戦いに時間を掛け過ぎた。

 戦い始めた時はカレイが10位だったから喜んだけど、30分も掛かったから抜かされて15位になってたし。

 そんな俺の順位は現在21位、あと1.5倍くらい倒さなければトップ10には入れない。

 いや、まだ逆転システムが用意されているはずだ!

 予想(願望)通り、また運営から必読メッセージが送られてきた。


『イベントもう大詰め!ここで最後のチャンス、一位から三位の魚を倒したら、その魚が持ってる点数の三分の一がもらえるよ。さらに、その魚と位置を教えちゃう! 一対一に自信がある人はこの機会を逃すな!』


 おっしゃ逆転イベントォ!

 マップを開いて位置を確認するが……


「近くに一位しかいない」


 このマップ、一万人が個人戦をするだけあって、かなり広い。

 二位と三位は全力で泳いでも10分以上は掛かるし、移動中に面倒なのに絡まれる危険もある。

 その点一位は近く、一分くらいでいけそうだ。

 ……どうせやられても、多分100位以内はなんとかなる。

 チャレンジするに決まってんだろ!


 第一位の所に向かいつつ、モチーフを確認した。

 【電気ウナギ】

 そりゃ強いわな。

 もちろんこのゲーム、水中なだけあって、電気魔法のぶっ壊れ感凄い。

 すぐに伝わるし、水生生物によく効くし、なんなら鳥にも効くし。

 他のゲームの電気魔法を持ち込んだら、マジで魔法関係のスキルを引けなかった魚権がなくなる。

 だから、運営は魚には電気属性の適正がなく、電気魔法の威力は低いという設定を作りだした。

 そんなぶっ壊れ属性を、電気ウナギなら使いこなせるんだろうな。

 いやー、やば。


「もう少しで着くな」


 と、とりあえず遠目から姿を見よう。

 なんて、ちょっとふざけながら進んでいると……


 バチィ

「加速!」


 音がして、髪が焦げた瞬間に加速して距離をとった。

 幸い、ダメージは入ってないが……放電してんのか?

 一回ダメージを見るために腕を電域に入れてみるが……反応がない。

 もう少し奥だったかな?


 おかしい、マップだとさっきは普通にこの距離届いていた。

 戻ろうか。

 だが、次の瞬間、


「痛!」


 全身に電気が走った。

 そこそこの勢いでHPが減っていく。

 慌てて電域の外に避難した。


 1割減ったHPを海藻で回復する。

 こいつ、たまに電域を解除して、敵を誘いこんでいやがる。


 段々こいつの大量キルの原理が分かって来た。

 まず、この大会は耐久型が少ない。

 理由は単純、キルができないからだ。

 チーミングBANのせいで味方の盾にもなれず、ただただ殴られるだけなら出場しない方がいい。

 珊瑚さんは参加してたけど……あれは例外だろう。

 そもそもUAOでは、簡単に三次元的な動きが出来る分、攻撃力と素早さに全振りするのが強いとされていて、この電域だけで致命傷になるやつが大半だ。

 そこで、周期的に電域を出したり引っ込めたりすることで、逃げられないように誘いこんでから攻撃することができ、大量キルが成り立った。

 そして、この手のアンチは……


「じゃ、スピードの出る耐久型、行きまーす」


 【カレイ】


 ・土魔法補正


 土に紛れて隠れる生物。

 ちなみに所有者は陰キャ。


 ピンクの海藻も緑と同じでMP1秒1%回復。

 この大会では回復量多すぎて魔力最強環境になってる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ