↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Universal Sky and Sea Online 水中のVRMMO  作者: カレーアイス
最終章 海空決戦
105/110

決戦数時間前

 未だ夏休みの真っ最中。

 イグノがUAOにログインしてみると、けたたましい通知音が頭に響いた。


「なんだよ!?」


 軽くキレつつ、通知を確認してみると……第六回イベントの告知があった。


「どうしたの、ダーリン?」

「いや、通知がうるさくて……ミワは通知音しなかったのか?」

「しなかったけど。ああ、告知はあったよ」


「なあ、マドカは通知音聞こえたか?」

「……なんの話っすか?」


 どうやら、通知音が聞こえたのは俺だけらしい。

 そのことに少し不安になりつつ、とりあえず第六回イベントの内容について確認した。





「良かったね、ダーリン」

「ゴミがよぉ……」


 第六回イベントの内容は、海陣営VS空陣営の大戦争。

 全ての魚VS全ての鳥。

 そして、その戦いの勝利条件は、敵の大将を倒すことで……大将は前回イベントの優勝者になる。

 あのタイマン大会の優勝者である、イグノ君が大将になるのだ。


「おれ、たいしょう。しんだら、まけ。せきにん、じゅうだい」

「大丈夫だよ、ダーリンなら」

「あー。ラチックに任せれば良かった」

「まあ、負けても大丈夫なんっすよね?」

「……負けてもいいならどれだけ良かったか」


 そう言って、告知の最後の文章を指さした。

 そこには、今回のイベントで得られる物が書いてあり……前回までは大体食べ物とかだったのに、今回は『夏休みキャンペーンが終わっても空が飛べるようになる』という物。

 多分、空の方だったら『水に潜れる』とかになるんだろうなぁ。


 つまり、今回のイベントでこのゲームの面白さが倍くらい変わる。


「重いんだよぉ……」

「ドンマイ(笑)」

「楽しんでんじゃねえ! そ、そうだ、イベントの時にログインしてなければ、この胃痛ポジから逃れられるのでは!?」

「それを私が許すと思う?」


 声の方に振り返ってみると、俺がいなかったら大将にさせられそうなラチックさんがいた。

 ……そういえば、こいつにはリアルがバレてるんだっけ。


 逃げ道が無くなったことを察し……もう色々と諦めた。


「……っし、じゃあ勝つしかないか」

「それでこそよ」



◇



 イベント当日、数時間前。

 運営が設けてくれた、イベント参加者全員が集まり、大将の演説を行うとかいう、人によっては死にそうな場。


「凄い人数ね」

「だなぁ」


 広場に集まったのは、数千人、いや数万人はいると思われる魚たち。

 俺は、この人たちの思いを全て背負っていくのか。


「……大丈夫?」

「ああ。覚悟はできてる」


 一度深呼吸をして、ダイナミックにマイクを握った。

 そして、まだお喋りを続ける群衆に演説を開始する。


『あー、色々あって今回の戦争の大将になったイグノだ。よろしく』


 ざわざわとした喧騒は一気に小さくなり、話が通りやすくなった。

 そのまま、スピーチを続けようとすると……緊張で内容を忘れた。

 カンペ用意しとけばよかったなぁ……。

 とりあえず、それっぽいことを言っておこう。


『俺が倒されたら敗北になっちゃうから、頑張って守ってね♪』

「ウゼー!」

「引っ込んでろ!」

「まあまあ」


 ……やっぱ綺麗な女性のラチックがやった方が良かっただろ。

 女子ウケはそこそこ良いけど、男性ウケは終わってる。

 こういう時に必要なのは……面白い設定だ。


『……分かった。もし負けたら、俺を刺して、刺身にするなり叩きにするなりすればいい』

「……その言葉を比喩以外で使うのは初めて見た」

『今まで【マグロ】目的に襲われることはあったが……一回もやられた記憶はない。その俺が、マグロを提供してやる。これが俺の覚悟だ』

「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!」×無限


 よし、なんとか求心できたかな?

 本当は勝った時に報酬をあげた方がいいけど、それだと俺の勝つ気が無くなるからヤダ。


『あー、あと、作戦に文句がある奴は、うちの作戦参謀(ラチック)に将棋で勝ってからにしてくれ』


 隣に控えていたラチックは、知的そうな伊達メガネを上げた。

 すると、数人の頭が良さそうな人が集まって来た。


「じゃあ、よろしくラチック」

「任せなさい」



「あー、疲れた」

「……よく即席でそれっぽいこと言えたな」

「そりゃ生徒会副会長だからな。緊張はいつまで経ってもダメだけど」


 裏に引っ込んで、クランメンバー達と話していると、いきなりアンペルが笑い出した。

 ……あの顔は、面白いことになった時の顔だ。


「……何があったんだ?」

「向こうの大将が分かっタ。シロンらしイ」

「誰だそいつ?」

「前のデュオ大会で私と組んでた奴ダ」

「……あいつかぁ」


 アンペルと組んでいた、骨の鎧を纏った高速高火力アタッカーのチートちゃんが、相手の大将らしい。

 一筋縄ではいかなそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。