主人公VS主人公
二行(PC版)で理解しろ!前回までのあらすじ!
イグノ&ファニーがデュオ大会に出場
海と空が入り乱れる環境で、勝つことができるのか!?
「……何か長い時が経った気がする」
「気のせいでしょ。さっさと行くよ」
続けて、三回戦の会場へと向かった。
しばらく相手は来なかったが、アナウンスで呼ばれるとすぐにやって来た。
……なんかいるんだけど。
「アンペルじゃん」
「あいつ友達いたのか……」
相手の片方は、金髪貴族系美少女のアンペルさんだった。
そして、デュオを組んでいるのは《海馬組》のメンバーではなく……背中に翼を付けている、Sky側の幽霊少女。
同じくらいの年齢だし、リア友かな?
「よし……何が何でも勝つよ!」
「うおおおおおお!……過去二回くらいアンペルと戦ったけど、結構キツかったんだよなぁ……頼めるか?」
「私も相性悪いと思うけどね。分かった、私がアンペルと戦うよ」
「ありがとう。アンペルの友達の方は任せてくれ」
出来れば協力して戦いたかったが、今回だけは何が何でも勝たなければならない。
身内だからこそ勝たないといけないんだよ。
作戦会議をしていると、中央にザ・バードが現れた。
『では、始めます。デュエル開始ィィィ!』
「【RAILGAN】」
開始した瞬間、アンペルのレールガンが放たれ……ファニーの腹を貫いた。
どうやら、アンペルもファニーと戦いたいらしい。
「大丈夫か?」
「まあ【不老不死海月ノ異名】」
少し遅れたが、ファニーも必殺技を発動させ、腹の穴を再生し、最強の状態になった。
さらに銀の弾丸が彼女の腕を吹っ飛ばし、喉を貫いたが、やはり全て再生する。
そのままぬいぐるみを伸ばして攪乱しつつ、遠距離型のアンペルに気を付けて接近していった。
「そろそろ俺も行くか【終焉まで続く加速】」
「【古代凱装羅骨】」
俺と同時に相手も必殺技を使い……白い鎧に包まれていく。
可愛かった少女は、小さなモンスターの様な姿になった。
「〈ゴーストジェット〉」
相手は、何かのスキルを宣言し……凄いスピードで駆けだした。
俺よりは少し遅いが、これまで会って来た誰よりも速い。
……集中していくか。
エグい速度の二人が交差する瞬間。
「〈爆霊覇〉」
「ッツ!」
相手は掌打を突き出し……何かヤバい気を感じる。
身を捻ってギリギリで躱し、拳で鎧を殴ったが……
「硬いなぁ……」
「〈霊爪」
「っと!」
これ以上止まっても居られないので、一旦離脱した。
その時、ヒュンっと細長い物が複数空を切る音がした。
何か見えない力が働いているのか?
……っていうか、あのスピードと硬さに、まだ食らってないけど透明でヤバそうな攻撃って何?
とにかく、遠距離攻撃なんてできないので、反転して相手に向かっていき、二回目の交錯。
今度は最初から空を切る音が聞こえ……観察してみると、腕から細長い物がでているらしい。
「〈霊爪〉」
「甘い!」
それを見切った俺は、腕を掴んで止めた。
見えない攻撃が少し掠ったのか、何も見えないのに体に傷がつく。
「よっと!」
「うぅ」
鎧に蹴りを入れ、またもや離脱した。
……なんとか捌けているが、あんなのに出来るだけ近づきたくない。
恐らく、あのスピードとパワーだと、防御力自体はあまりなく、鎧が硬いパターンだ。
となると……一撃で鎧を貫くか。
「〈溜摩熱〉」
十分相手から離れた所で減速し、右腕に熱をチャージした。
幸い、相手は作戦を話していた。
「ディアー助けてー!」
「アンペルだヨ!悪いがこっちも余裕がない!【RAILGAN】」
「〈|喰縫〉」
ファニーは、脇腹を貫いたレールガンを無視し、魚のぬいぐるみを伸ばしてアンペルに襲い掛かった。
口を開いたぬいぐるみがアンペルに迫り、それを彼女はレールガンで破壊するが、体と同じくすぐに再生する。
中々カオスなことになってるが、五分五分といった状況。
こっちに手を出す余裕はなさそうだ。
「分かった自分でどうにかしてみる。何かエネルギー切れ?してるみたいだし」
「……?待テ!減速しているなら気を付けロ、奴のそれはチャージ行動ダ!」
「バラすなよ!」
だが、この会話の間にずっとチャージしていたお陰で、かなりの熱が溜まっている。
あの鎧なら……貫ける。
減速を止めて、最高速度でもう一度相手と向かい合う。
三回目の衝突。
「〈霊爪〉」
「〈紅蓮拳〉」
見えない物体があったがチャージした拳は止めきれず、貫通した拳が相手に迫る。
「ッツ!」
しかし、見えない物体が腕に当たり、心臓の辺りを狙っていた拳は、少しズレて肩の辺りを掠めた。
その部分の鎧は砕け、やはり防御は低かった相手のHPは大きく削れた。
鎧が無くなった肩をもう一度攻撃するのもアリだけど、相手もそれを気遣って行動すると思うので難しいだろう。
となると、もう一回鎧を貫くか。
相手から離れ、熱を溜め始める。
彼女は追って来たが、こっちの方がスピードが速い。
チャージしては逃げ、チャージしては逃げのゴミ戦法で少しずつ攻撃力を上げていった。
相手は諦めたのか、追うのを止めて空中で静止した。
四回目の激突。
もうこの拳に託すだけ、そう思ってた。
「〈紅蓮拳〉!」
「とお!」
右手を突き出した瞬間、相手は左手でそれを防いだ。
バキバキと音がして鎧が壊れ、HPが凄い勢いで減っていく。
さて、ファニーの手助けでもしようかと、視線を逸らした瞬間、背筋にゾワッとした悪寒が走った。
「〈クラッシュハート〉」
「ッグ!」
胸に鋭い痛みを感じ、俺は勢いよく吐血した。
左上のHPバーはガンガン減っていき、下には心臓破壊の状態異常が表記されている。
……ワンパンってマジ?
「頼んだぞ、ファニー」
「よろしく、アンペル」
二人はほぼ同時に消えていった。
「……あっちは相打ちになったらしイ」
「じゃあ、こっちも決着を付けようか」
黄色のラインが飛び交い、ぬいぐるみが喰らいつく。
先に相手を捉えたのは……ファニーの方。
「〈喰縫〉捕まえた!」
「うワ!」
魚のぬいぐるみに噛まれて、引き寄せられる。
そして、アンペルをグルグル巻きにして拘束した。これで手は動かせない。
「終わりだよ」
「……ああ、お前がナ」
アンペルは……二本の足に、バイクを乗せていた。
バイクに電気が通い、甲高い音が鳴る。
「二本の棒と金属があれば撃てるんだ。【RAILGAN】」
「ッツ、〈紅撃〉!」
ファニーの紅色に輝く抜き手がアンペルの心臓を貫き、撃ちだされたバイクが相手の頭を吹っ飛ばした。
まさかのこっちも相打ち。
「……引き分けだとどうなんの?」
「両方負け判定らしい……なんでだよ」
……あんまりクライマックス感ないけど、そろそろ完結します。
【始祖鳥】
古代の力
古代と言えば骨だよね。
見えない力は、始祖の霊力。