第七話 異世界アルバイト!
『快晴や』
ここがミミさんが言っていた先輩女神ダリアさんの経営しているお店で俺のバイト先か……。
日本語で看板作ってくれてる親切設計はほんと助かる
ガチャ
『登場人物 ミミの先輩女神 ダリア』
・278歳
・ショートボブ
・赤い髪の毛、目の色は赤
・少しつんつんしている?
「あら? いらっしゃい。あなたがミミが言っていたバイトの子?」
「あ、はい……」
「ふーん……結構可愛い顔をしているのね。わたしの名前はダリア。このお店、快晴の店主よ」
ダリアさんは少しきつめな目つきで俺を睨めつける。
「あの……ここで働かせてもらう将大と申します。17歳です。よろしくお願いいたします」
「ふん、ここの仕事は、何かあればわたしを頼ってくれていいんだからね!」
「はい、そうさせてもらいます。ちなみにこのバイトは時給1万エリカって聞いたんですけど大丈夫ですか?」
「もちろん。大丈夫よ」
「ありがとうございます。ちなみに仕事のことを伺っていいですか?」
「え? ミミから聞いてないの?」
「じつは……聞いていないんです。ご勘弁を……」
「もう、おばかさんね……」
「ごめんなさい。教えてください(ダリアさんのこの話し方……案外嫌いじゃない)」
「じゃあ仕事の話に移るわ。あんたでもわかるように説明してあげるから感謝しなさい! あなたをこれから異世界に送るから、次の転生者が転生しやすいようにこちらで指示をしたクエストをクリアしてくれればいいわ」
「なるほど、クエストか……ん? いま異世界に送るといいました?」
「ええ、そうよ。あなたを異世界に送るわ。ただしそれはあくまでも次の異世界転生者がそこの世界に行くまでのつなぎキャラとして送るわ。あなたには次の転生者が無事に転生できるようにクエストをしてもらうわ」
「な、なるほど、イメージとしてはおためし異世界転生みたいな感じですか?」
「そんなかんじね。ちなみあんたが過ごす異世界の一日は天界の30分〜50分程度にしかならないんだから」
「え……一日が天界の30分~50分程度?」
「もちろん時給はこっちの世界で計算するわ。でもあなたはあっちの世界で十日間! 頑張りなさいね!」
「ひえ……もしかして時給かなり低い?」
「ちなみに、その世界で死んでしまってもこっちの世界にちゃんと戻ってくれるから安心してね」
死んでもちゃんと戻ってこれる……さすが異世界アルバイト、
「ち! な! み! に! 死ぬ時の苦痛はちゃんと味わってもらうから、せいぜい死なないように頑張りなさいよ」
な、なんて事だ……こんなところもリアルなんて……
「わ、わかりました。ちなみに今日仕事で行く世界はどんな感じですか?」
「えっと、あなたに今日お願いしたい世界は……」
ダラダラダラダラ♪
(うわ、また始まった! ムードを作るために仕方がない)
「ダラダラダラダラ♪」
俺はリズムに乗ってドラムのリズムを取り始めた。
「わざわざムード作らなくていいから、人として恥ずかしくないの? 」
「うっ、ぐうの音も出ない……」
デデン!
「『伯爵! ドラキュラ退治!』よ。この世界では吸血鬼……つまりドラキュラが存在しているわ。彼らはトマトが大好き! この世界で行われたトマト祭りの最終日の夜、ドラキュラ伯爵が転生予定の町長の息子を誘拐してしまうの。そしてそのまま町長の息子がそのまま殺されてしまう。このままじゃ異世界転生した人がすぐに死んでしまう可能性があり、イセパットに登録できないの! このイセパットのせるための条件として、最初の街で転生者を死なせてはいけないという規定があるの。だからあっちの世界で十日間以内にドラキュラの誘拐の原因を阻止して転生者の死亡フラグを折ってきなさい!」
「は、はあ……」
「わかったのなら早く行く! 開け異世界への扉!」
ブアン
「う、うわああああ! 体から中に浮いて、出てきた謎の門に吸い込まれるうううう!」