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第三十二話 異世界アルバイト! デュアルボード! ドラゴンレースで世界1位を目指せ!④

異世界 デュアルボード

ドラゴンに乗り続け5時間飛ぶと次第に空が赤く染まる。

 序盤は全員の龍が団子状態で飛行していたが、5時間も経過すれば周りにいる選手など確認ができないくらいの距離だ。現在の俺の順位は69位だ。時速150kmで飛行して69位なんだから先頭集団のドラゴンの力量は計り知れない。

 しばらく飛行すると緑色に点滅する光がうっすらと見える。この光は第一チェックポイントを表している。チェックポイントでは睡眠、食事、入浴が可能である。もちろん使用料は発生するから贅沢はできない。それに俺が乗っているメイズという龍は7時間が連続飛翔限界時間だ。夜が近づいている為、今日の飛行はやめて休息しよう。

 「メイズ、あの緑色の光っている場所を目指してくれ! あそこが今日の宿だ!」


ギュイイイ


メイズに指示をした後、彼はゆっくりと減速し第一チェックポイントである広場に降りた。


「お疲れ様! 第一チェックポイントだ! 疲れただろう! ゆっくりしていってくれ」

俺が龍から降り立つと一人の男性が俺に声をかけてきた。30歳くらいで無精ひげがかっこよく見えるイケオジだ。

「俺はドラゴンレース第一チェックポイントの案内担当とこの町の村長をしているデインだ!」

「ありがとうございます。俺の名前は将大、ドラゴンの相棒はメイズというんだ」

「うーむ、知らない龍の名前だから、まだまだ駆け出しの龍ってことか。お前さんも見たことがないし、もしかして新規参加かい?」

「え、ええ。初めてなんです。これでも優勝目指してます!」

そういうと村長デインは「はっはっは」と笑いながら俺に問う。

「そうかそうか、ガッツがあってよろしい! ここにはすでに29組の選手がこのチェックポイントで休んでいるぞ。新米なら宿泊施設に行く前にレストランに行くと良いだろう。ベテランのドラゴンライダーがゴールまでのコツを教えてくれるだろう」

「そうなんですね! ありがとうございます!」

「おう、じゃあ案内するぜ! それとお前の相棒は龍舎で休ませていいんだよな? 1日14000ドランだがな。もちろんこの中にはお前の宿泊代も含まれているから安心しな」

「もちろんです。よろしくお願いします」

そういうと俺は大会参加にあたってもらった10万ドラコからメイズの宿代を支払った。

(ビジネスだなぁ……)

「あ、あとプラス1000ドランで龍の飯代も付けられるお得なセットプランやってるぜ!」

「あ……じゃあお願いします」

ルイズを龍舎で休ませた後、デインはレストランに案内してくれた。

「じゃ、後は頑張れよ」

ルイズは俺の肩をポンとたたくと、到着した選手を待つために広場の方へ向かった。

◇ ◇ ◇

「ふぅ……これで一息つける」

俺はレストランの一番奥のカウンターに席をついた。

「いらっしゃいませ! ドラゴンレース1日目! お疲れさまでした! 皆様にお水をお配りしています」

女性の店員さんが俺にお水をくれた。俺は疲れていたのでごくごくごくと一気に水を飲みほした。

「すみません! お水お代わりもらっていいですか?」

俺は先ほどの店員に声をかける。

「はい! 2回目からはお水1杯1000ドランになりますがよろしいでしょうか?」

な、なんだってー! 水が有料なんて!

まあ、仕方がないよね。お水が無料なお店は日本くらいしかないからな。海外ならでは……いや、異世界ならではって感じかな。

「わ、わかりました。それとご飯を頂けますか?」

「はい! おすすめはこの村で作られた野菜を使った羊肉のポタージュです! 濃厚なスープにジューシーな羊肉が入っていて噛めば噛むほどうまみが出てきます! きっとスタミナが付きますよ!」

「うぁ! それはおいしそうだ。これを頂けるかい?」

「はい! それではお水と合計で10000ドランいただきますね」

俺は店員さんに10000ドランを渡した。

(大会なのにお金を使うなんて、リアルだよぉ。それに料金が大会値段になっていてかなり割高じゃ? 10万ドラゴが天界の2万エリカだから、10000ドランの価値は……約2000円か! そう思うと…? 普通? 高い? あーもう、わからない!)

 俺はもやもやしながら料理を待っていると、横のテーブル席から2人の男の話し声が聞こえた。どうやら一人は明らかにベテランの選手で店主とも顔なじみ見たいだ。もう一人は初心者の選手みたいでおどおどしている。

ベテラン選手の方はレースのコツについて説明をしているぞ……ちょっと聞き耳を立てて聞いてみよう

◇ ◇ ◇

「んでな! ドラゴンレースには3つのチェックポイントがあるんだ! それぞれのチェックポイントで休憩することが出来るが、優勝するために最低1つはスキップするのが基本的な戦術になるんだ。俺も第二チェックポイントはスキップして第3チェックポイントへ向かおうと思っているんだ!」

「なるほど、でも僕は優勝よりもまずはゴールを目指したいんです」

「はっはは! 初参加ならそうだな、ゴールを目指すことが重要だ。大会で支給されたお金は節約しながら使うんだ。チェックポイントは待遇は良いが料金が高い! 3つのチェックポイントでそれぞれ休もうと思ったらお金が足りない! 気を付けて使わないと10万ドランなんてあっという間になくなるぞ」

「わ、わかりました! 気を付けます!」

◇ ◇ ◇

たしかに、大会は4日間ある。俺はこのチェックポイントで宿代と飯代で25000ドランを消費している。残り2つのチェックポイントでも同様の金額を使えば75000ドランを消費してしまう。もらった金額は10万ドラン、計画的に使わないと……


「お待たせしました!」

おお、やっと食事が届いた! 待っていました! 

「いただきますー!」

羊肉のポタージュは店員さんが言っていた通り、濃厚ジューシーでおいしかった!


◇ ◇ ◇

仮設テントの中

俺は横になり今日会ったことを思い出す。

ドラゴンに乗って風を蹴ってレースをしている自分、思い出すだけで胸がドキドキする。

残り3日……俺は無事ゴールできるのであろうか……


ピピ

『あーテステス、調子はどう? 絶対に優勝するのよ!』

俺の脳内に伝わる声……

「その声、ダリアさん?」

『あんた、ドラゴンに乗れた嬉しさで課題を忘れているんじゃないかと思って連絡したのよ』

そうだった、忘れてたよ。


これは異世界アルバイトだー!!!

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