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二十五話「異世界をまたにかけて俺の命が狙われています!①」

前回のあらすじ

依頼をクリアしたのは良いが、イセパットに「将大を倒す」と登録されてしまう。

今回の依頼は俺にとって大事件であった。

なんと、無限地獄会社ENMAの新入社員として地獄に飛ばされたのだ。

地獄といえば危険なイメージ、悪いイメージだったが、無限地獄会社という謎の会社では陽気で明るいお姉さんが俺たちを案内してくれた。

彼女の名前はアデアラ、新人研修担当だ。彼女は俺たちに「7大地獄体験」を強要してきたのだった。その際に俺が安全指輪としてもらった彼女の婚約指輪を天界へ持ってきてしまったのだ。


「婚約指輪を持って逃げられた、あの男……ゆるすまじ!」


この事が原因で彼女がダーク化してしまい、転生した彼氏と2人で世界越える能力を使い俺を倒そうと探しているのだ。

これはやばい! とてつもなくやばい!

つまり、これから俺が異世界転生アルバイトをするたびに、アデアラの恐怖がやってくると言うわけだ。もし彼女に見つかったら俺は殺されてしまうだろう……。


「天界は上位の世界だから大丈夫よ」

ダリアさんの声を思い出す。

ああ、ここが天界で本当に良かった。だって、天界は上位の世界であるらしいから、ここにいる分には安心だ。

この異世界アルバイトは、死んでも天界に戻ってくるだけ。

しかし、もし俺が本当に異世界転生をした時にアデアラに見つかると俺の第二の人生はここで終わってしまうのだ。


「なんとかしてアデアラさんに指輪を返さないと」

女性ものだからサイズが小さいのも当然だ。

俺は左手の小指にされている指輪を見ながら考える。


「ダリアさん、どうしてこれを天界に持って来れたのですか?」

通常、異世界での物は全て異世界の物だから天界に持ってこれる訳がない。

「わからない……少し調べてみる必要があるわ。お祭りが終わったらアレス様のところに行って聞いてみるわ」

「わかりました。それでこの指輪はどこにしまっておけば良いのでしょうか?女性ものだからサイズ的にきつくて……ものが物だけに外してなくすのもあれだしな……」

「うーん、そうね。とりあえず私が預かっておくわ」

ダリアさんは俺の指輪を外し、自分の左手の人差し指に身に着けた。


俺のアルバイト終了後、俺とダリアさんはミミのアルバイト先へ迎えに行った。

◆◆◆

本日は天界の年に1度のお祭りだ。

基本的に天界は、寒いやら暑いやらの悩みはない常に適温の世界だ。季節と言うものがないのだから、天界の人たちはイベントを季節の区切りとして重視する。今回のお祭りも1年に1回しかないのも、1年を区切るためであるとの事。

ダリアさんは朝から浴衣に着替えて、楽しむ気満々だ!



「将大さん! 私の着物おかしくないですか?」


ミミが俺に問う、少し頬が赤い。彼女はいつもは青髪ツインテールだが、本日はポニーテールである。黒い着物にアクセントとして白い雲が描かれていて、なんかすっごく……

「ミミ、すごく似合っているよ」

「本当ですか!? ありがとうございます!」

彼女は嬉しそうに、そして少し小声で呟いた。


「さあ、行こう。天界のお祭りなんて初めてだからワクワクするなー!」

俺は期待に満ち溢れていた。しかし、キツイ目で俺を見てくるダリアさん


「はあ? あんたは別行動だから! 私とミミでお祭り回るんだから、貴方はイセパットがあたる抽選要員にしかならないんだからね!」

「ええ? 俺1人でお祭り回るの!?」

「こんなに可愛い私たちと一緒にあんたがハーレムみたいになっちゃうでしょ。あんたは1人で金魚救いでもしていなさい」

「えー、そんなあ」

そう俺がつぶやくと、ダリアさんは「ふふっ」と笑う。

「なーんていうわけないでしょ! 今日はお祭りなんだから、あんたには特別に荷物持ちを御願いするわ。ミミ、一緒に回りましょう!」

「は、はい! なんかイメージとは異なりますが、皆でお祭りを楽しんじゃいましょう!」

「よ、よかった……一人じゃない……」

俺達は天界でのお祭り会場へと向かった。

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