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第十七話 異世界アルバイト「いざ、バカンスへ!③」

ミミ&ダリア

南の島 コテージ内、おいしい食事を召し上がった。

「あー、おいしかった!」

「ほんとね! 海で遊んだ後のバーベキューは最高よ」

「あ、メイドさん! デザートの果物おいしかったです!」

ミミは満足そうな顔でメイドさんにお礼を言った。

「ありがとうございます。さて、この後お風呂はいかがでしょうか。こちらに大浴場を用意しています。こちらは温泉となっていて入ればお肌つるつるになりますよ!」

「なんですって! お風呂ですって! 行きましょう! でもこれが本当にお仕事!?」

「ええ、仕事よ。ここで3日後の夕暮れまでここにいるのが仕事よ」

「こんな贅沢できてお金ももらえるなんて本当にラッキー! でも将大さんも一緒に過ごせたらもっと良かったかもしれませんね」

「あいつには私たちの水着姿をみせるのはまだ100年早いわ。それに、あいつはあいつで別行動しているから、それはそれで羽を伸ばせていいんじゃない?」

「そ、そうですね。そういえばこの島にいた人たち女性が多かったような……」

「そうよ、ここは女人島、男子禁制よ」

「んな! どおりで! でも将大さん、一人で単独行動をしているんですよね。もしかして、ここの女の人に手を出しているんじゃ……」

「いや、それはないわ。だって……ってえ! ミミ! なにゴスゴスしようとしているの!」

「私の見習い女神の感が言う、今将大さんはいやらしいことをしているかもしれません。もし戻ってきたときは徹底的に問い詰めて、もし黒だったらとっておきのゴスゴスを食らわせてやるんだから!」

「ゴスゴス……ははは」

※ゴス! は骨が揺れる音です。

○ ○ ○

将大視点

ミミさん、ダリアさん南の島は楽しんでいますか。

海で遊んだり、バーベキューを楽しんだり、本当に羨ましい限りです。

きっと明日もまたバカンスを楽しんでいるのでしょう。

え、俺はって? 俺は今……


「「なぜか海とは反対側の山の中でサバイバルをしています!!!(心の声で叫んでいる)」」


説明しよう。

この異世界の仕事は「3日間滞在する事」、そしてこの島は女人島だ。


男子禁制の島だ。


男子はいるだけで重罪となる。ダリアの依頼書のメモに書かれていたが、この島で拘束され男子と判明したときには即座に捕まえられて当日処刑されてしまう可能性だってある。だから将大は人に見つかる恐れの少ない場所へ隠れているのだ。


「あたりは真っ暗何も見えない、はぁ……どうして、俺だけ」



ピピー

「こ、この音は!」

俺が落胆していると懐かしの音が脳内に聞こえた。

「あーテステス、私ダリアよ。聞こえるかしら」

「聞こえますとも!  ダリアさん、俺……もうだめかもしれない」

「ふふふ、そんなこと言うと思ってとっておきを用意したの。私だって鬼じゃないわ。同じ異世界にいる都合上あなたの姿は見えないけれど、役立つアイテムを送るわ。私は中に何が入っているかわからないけれど、これがきっとあなたの役に立つわ!」

「だ、ダリアさん!」

ああ、やっぱりダリアさん優しいな。困ったときのダリアさんだ。


ドサ……

という音とともにいくつかの商品が纏まった袋が近くに現れた

「さあ、これで残りの2日間、過ごしなさい」

「ありがとうございます! このアイテムを駆使して頑張ります!」

「じゃ、頑張りなさいね! ちなみに同じ世界での通信はこれっきりよ。 3日目の夕方になれば自動的に私たちは元の天界に戻るからそれまでお互いこのバカンスを楽しみましょ。まあ、あなたにとっては地獄かもしれないけれど。あ、ミミ、それは私の下着。あ! 勝手に出さないでよ! え? あなたいつの間にそんな胸大きくなって! まって、あれ? 私よりある? え、どういうこと」ブチ


ピピー


ダリアとの通信を終え一つ分かったことがある。

「ミミさん、胸大きい……だと?」

俺は昼のあの水着姿を思い出す。あの時はぺったんこだったはず。

どうして、そんなに胸が大きくなったんだ。ああ、確認したい。確認したい……って思うのは正常な男子の考え方であってるよな? 俺の脳内はどうしようもないくらいミミの……だった。


って違う! 今はダリアさんからの救援物資をかっく人しないと……。

俺はミミの事(特に胸回り)を気にしながらも、ダリアさんからの救援物資を確認する


【救援物資】

・ライト×1

・かがみ×1

・食料×2食分

・水×1L

・女人化薬(24時間)×2

・水着(女性用)×1


いろいろとツッコミどころがあるものが入っている。

念のために確認しておこう。俺は将大、17歳、男だ。身長も180。こんな俺が女性用の水着をきたところなんか皆さんにお見せできるはずもなく……


そして女人化の薬か……


ダリアさん、なんていうものを送ってきたんだ。これじゃあまるで、女性になれって言ってるも同じじゃないか。


ここは女人島、女性しか人権のない島。つまりここで生き抜くにはこれを食べるしかないのか……。そこで俺はダリアの言葉を思い出す。


『あ、ミミ、それは私の下着です。勝手に出さないでよ! え? あなたいつの間にそんな胸大きくなって! あ、お風呂に入る前に体を洗いなさーい!』


……お風呂に入ろう。あくまでも衛生上の問題として。衛生上の問題として。

決して、決して決して! そういうわけではないんだからな。


俺は仕方なく、仕方なく、本当に仕方なく女人化薬を1粒飲んだ。

(これで俺も、女。つまりは残り2日間はバカンスを楽しむことができるぞ!)


見る見るうちに身長が低く、のどぼとけが小さくなる。逆に胸と髪の毛は徐々に伸びて行った。

「こ、これが俺なのか……かわいい」

ライトと鏡を使って自分の姿をみると黒髪長髪、目はまん丸としており、唇はぶるんとしている。どっからどう見ても男ではない。声もいつもと全然違う。

というかめちゃくちゃかわいいんだけど!!! 見た目14歳くらい?

肝心の胸は……ある! ある! かすかに! 50mプールの中に1滴のお酢を入れてかき混ぜて、一口飲んだときに奥の奥の奥底にかすかな酸味がある感じくらいかすかな……ふんわりとしてる感覚がある!

そう、それは昼間に見たミミの胸のよう!


よし、これで残り2日間は過ごすことができる。

「俺、いやわたしは今日からマサコとしてこの世界で頑張るぞ」

俺はそう思うと山を下り町の方へと向かった。


◆◆◆

ミミ視点

ゴス! ゴス!

「なんか今私の悪口を言われたような! 将大さん今頃なにをしているんでしょう! 早く会ってゴスゴスしたい!」


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