そうだ、一緒に暮らそう
どうして。
なんで。
私は、まだあなたと一緒にいるのだろう。
「あの、ロイさん。私、お酒強いのれ帰れます。」ちょっと噛んでしまった。
「あんなに飲ませちゃったのに、帰らせられません。急性アルコール中毒で亡くなる人だっているのに。私が心配で寝られません。さ、行きましょう。私の家に。」
たった2杯のワインしか飲んでないのに。
あれ?もう少し飲んでいたかも。
「今日は行けません。明日朝早くから出かける予定があるので。」
自然と嘘をつけた自分が誇らしい。
「大丈夫です。起こしてあげますから。さ、早く行きましょう。」
少し強めに引っ張られ、よろめいた私を支えながら、
「正直に言います。私が離れたくないのです。だめですか?」
間近に迫ったその顔に惚けていたら、そこはすでにロイさんのマンションだった。
「さぁ、今日はこのパジャマをきてください。先にお風呂どうぞ。」
準備してあったとしか思えない、タオルや着替えを手渡され、お風呂に放り込まれた。
すでに沸いていたお風呂には、桃色の桜の花がちりばめられ、香りが漂う。
「あ、この香り好きかも。」つい長風呂になってしまった。
「大丈夫ですか?入りますよ。」声とともに入ってくる音がする。
「待っ…」髪を洗おうとしたところだった。急いでバスタブに戻ったら、なぜか足がつかない。
おぼれそうになっていたところを子犬のように抱きかかえられた。
「大丈夫ですか?」
「あの私、はだか」後ろ向きに抱えられているから見えないはず…。
「僕が洗いましょうか。」「いえ…結構です。」私はゆっくりとバスタブに下され、ロイさんは颯爽と出て行った。
「もうやだ…」顔を覆いうなだれる。
すぐにこうしてはいられないと急いで全身を洗って、お風呂から出た。
「すみませんでした。お風呂どうぞ」顔を背けながら、声をかけた。
急いでいたため、髪から水が滴っている。
ロイさんは私の手を引きソファに座らせた。肩にかけていたタオルで優しく髪を拭かれる。
「自分でできますから」
「僕にやらせてください。すぐに終わりますから」優しい手つきが眠気を誘う。
「おやすみ。僕の・・・」
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ひと撫でるごとに自然と髪が乾いていく。
最後に、ひと束取って髪に口づけた。ベッドに運び、おでこに親愛のキスを贈る。
「はやく僕のものになって」
浮かべた笑みは妖艶だった。




