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領地会議ならぬ村の集会

「なんかゲームみたいな感じ」


 頭に映像としてあるステータス画面。

 スキルは現在ないみたいだけど、その隣に取得可能スキルってある。

 とりあえず今は習得しない。


 なぜかって?

 まだどういう世界かわかっていないし。

 何よりまだ5歳だから。

 様子は見る必要はある。

 まぁ精神年齢はもう何百歳な気分だけど。


「トーリ〜、お母さん、今からお父さんと領地会議にいくけど一緒に行く?」


「いくー」


 ちょうどいいかと思った。

 ここがどう言うところなのかはまだわからなかったし。

 領地会議ってなるとある程度話聞けるし。


 僕は両親に連いていき、集会所みたいなところに一緒にはいる。

 道中あったのはほとんど田畑だった。


 ある程度予想できるのはだいぶ田舎だ。

 そして年齢層も高く、若い世代は少ない。


「おや、トーリくんも連れてきたんだね」


「ええ、家にお留守番させるのも、と思いまして」


「こんにちわー」


「はい、こんにちわ。そうだね、なんもないしね。あ、ユリィちゃんも来てるよ」


「あ、そうなんですね。トーリ、しばらくユリィちゃんと遊んでてね」


「はーい」


 僕はそのユリィの方に近付いていく。

 可愛らしい桃色の髪で僕の一個下の女の子。

 巷で言うなら幼馴染になる。


「お、トーリくん。ユリィを頼むよ。ユリィ、トーリくんと遊んでてね」


「うん! とーりくん、あそぼ」


 この領地内では年の近い子供は僕ら2人。

 子供がいるのはかなり珍しいとのことだ。

 そのため、ずっと一緒にいる事が多い。

 ある意味兄妹みたいな感じだね。


 僕らは遊んでいると、大人達が会議を始めた。

 僕はそれを聴きながら、ユリィと遊ぶ。

 ある意味器用だろ。


「領民は全員揃ったみたいだな。定例会議を始めようとおもう」


 揃ったのは十数名程度。

 どうやら全体的人数は40人も居ないみたいだ。

 中々の少なさ。


「来月、周辺領地たちとの領主会議についてじゃが、やはり話されるのは領民の高齢化や国への帰属についてじゃ」


「子供が産まれなくなってますし、ここらより南の未開地の地域の探索も上手く進んでませんし、まだまだ国に属するのは難しいですよね」


「それは他の領地でもそうじゃろう。なんとか他国から侵略はないがこの先はわからないし、他の領地とも上手く連携出来たらいいのじゃが……」


 どうやら領地とはあるがある意味集落なんだろう。

 それがいくつかあって、中々連携できない。

 そして国に属していない。


 未開地もあるため、どうも上手く出来ないなど、割とむずかい問題みたいだ。


「とーりくん、これであそぼ」


「ユリィちゃん、これ好きだね」


 石をおいて相手の石の色を変えるゲーム。

 転生前にあったオセロというゲームに似ている遊びだ。


 僕は石を置きながら、再度大人たちの話に耳を傾けた。


「魔物も多く生存してるしね、この村には戦えるスキル持ちも少ないし、何より開拓していける能力はないし。領地に行き来するのも危ないから八方塞がりってやつだよね」


 なるほど、魔物が外にいるのか。

 戦える人も少ないからこれ以上発展しないと。


「村長のところの倅も戦闘系スキルあったよな?」


「持っとるには持ってあるがあやつ自身あんまりスキルは扱えんよ。持ってても棒術スキルだけじゃ。あてにはならん」


「うーん、用心棒とか雇うしかないのか、国に頼むしかないのかってところだけど……」


「用心棒を雇うほどの財政もないし、国に属してない事態でそれは難しいだろう」


「あ、とーりくんのかちだー!」


「ぼくの勝ちだね、ユリィちゃんつよいね」


 ゲームをしながら話を聞いてたけど、割とこの村危ない感じだね。

 少ない財政と少ない村人。

 ある程度状況が理解ができた。


「他の領地も似たようなものなんだし、なんとか出来たらいいんだけどね。あとは財政をどうするかだけど、それは村長がなんとかしてくれてるからこの村はいけてるけど」


「いや、みんなのおかげじゃ。幸にも畑だけはあるからの、この村の大半は農業スキルを会得できとる。レベルは高くないが多少なりの農業ができてるからの」


「村のみんなを食わしていけるだけはあるんだけどね。それに……」


 すると男性は僕たちを見た。なぜ?

 それにつられ、会議に参加しているメンバーがこっちを見た。


「そうじゃの、この奇跡の子たちを守っていかないといけんしの」


「???」


 なるほど、そういうことか。

 今の親は血のつながらないけど大事にしてくれてる。

 ユリィに関してもこの世界では中々生まれないのに子供が産まれ、さらに女の子。

 それはこの世界からしたら奇跡か。

 まぁユリィはまだわかってなさそうだけど。


「そういや、トーリのスキルは何かわかりそうかの? 大体は親族の持つスキルに近いことが多いからユリィはある程度予測は出来るが……」


「いや、まだなんともってところですね。相手のスキルを見ることは難しいですし、見るための道具もないのでトーリに申告してもらうくらいしか」


 そうか、スキルは自己申告系みたいだね。

 ただ、見るための道具ってのがあるみたい。

 ということはいま自分のスキルを取ってもわからない。


 ある意味これはミソだね。

 わかってしまうと何かあった時に不利。

 身近な人たちや信頼のおける仲間ならって所だろうか。


「何かわかったら教えておくれ。勿論、常識の範囲で良い」


「わかりました」


「では、これで本日の会議は終了じゃ。また次回までに何か打開案あれば伝えてくれ」


 これで解散か。

 ある程度知れたのは収穫だったかな。


「トーリ、帰りますよ」


「ユリィも帰るわよ」


 僕たちは親に呼ばれたのでゲームを片付ける。

 そして、またね、と言ってその場を離れることになる。


「とーりくん、またねー」


「ユリィちゃんも」


 なんというか将来が楽しみな女の子だ。

 色んな意味で。


―続く―

だいぶ時間かかってしまいました。。

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