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冥王に拾われた

拙い文章だとは思いますがよろしくお願いします!

〜冥界の泉〜


「さて、転生の魂はこれで終わりかな」


 ここは冥界。

 魂の管理者たる冥界の王にして冥王。

 役割として常々魂を浄化し転生させ、生命の循環を営んでいる。


「冥王様、申し訳ありませんがまだ魂が残っておられます。どうやら今し方到着したのでしょう」


「見落としてたか。それを浄化し終わりにしようか」


 冥王は魂に触れた。


「!!!?」


 ピリっと今まで感じたことのない波動がヒシヒシと伝わる。

 魂を何万年も見て来たがはじめての現象だった。


「冥王様、一体これはなんなのでしょうか? 私もお使えして初めて見る波動ですが」


「………私も見たことがないけど、どうやらこの魂の想いなのかも知れないね。魂は自我を持たないけど生前の想いが強いのかもしれない。そして何より」


「何より?」


「どうやらこの魂には私と同じく【王】たる資格を持つのかもしれないね。何万年生きて初めてだけど」


 普通の魂はヒトには見えない。

 冥王であり、冥界であるからこそ認知出来る。

 ただ、魂は浮遊しているだけでそれを主張しない。

 冥王たる自分だからこそある程度干渉出来る。

 だからこそ、この魂には興味が出た。


「どうされるのですか、冥王様」


「そうだね。冥王としてルール違反かもだけどこの冥界で転生させるよ。この魂の先を見てみたい」


「そうですか、この冥界も賑やかになりますね」


 彼女はそういうと一歩後ろに下がる。

 冥王は確認した後、魂に向けて転生をかける。


「年齢や体格はこれくらいから始めようか。その方が色々学べる」


 魂は光りを放ち、地面にちょんと落ちる。

 そして、その光りが消えた瞬間。

 僕は目覚めた。


「ん……?」


 目が覚めた。

 見慣れない景色が瞳に映る。


「え? ここは? 僕は一体……」


「覚醒したようだね」


 周りを見ていると急に大きな男性が僕の前に現れた。

 言いようのないとてつもない何かを感じさせながら。

 その後ろには女性もいる。


「大きい……。いつのまに周りが大きく?」


「あぁ、君はいま背が縮んでいるんだよ。年齢にしたら5歳くらいだね」


「え?」


 僕は慌てて自分の体を見た。

 全てが小さくなっていた。

 いま自分のある記憶では確か20歳を超えていて、大きかったはず。

 だが、どうして?


「生前の記憶が多少あるみたいだね。名前は覚えているかな?」


「え、名前は橙里。如月橙里(きさらぎ とうり)。えっとあなた方は…?」


「我が名は冥王ハデス。この冥界の王をしている」


「わたくしは冥王様の身の回りの世話人を拝命しておりますエンネと申します」


 思っていたより凄い人だった。


「冥界……。僕はどうしてここに?」


「それは橙里、貴方が死んだからだよ。そしてその魂は天界で振り分けられ転生出来る者と出来ぬ者に分けられる。出来る魂のみがこの冥界へと送られる」


「そうなんですか、ということは自分は転生というのをするのでしょうか?」


 僕の問いに冥王様が頷きで応えたあと。

 もう一つ告げた。


「ただ、こうして冥界では魂に実体を与えない。ついてきて」


 冥王様は泉から離れて歩き出す。

 僕は言われたとおりについていった。

 冥界はとても澄み切っていて綺麗な場所だった。

 ゴミ1つなく、理想郷といっても過言ではない。

 ただ、その周囲に浮いてるのが気になる。


「橙里、君はこの周囲に浮いているのが見えるかい?」


「えと、あのふよふよしてる白い感じの、ですか?」


「やはり見えたんだね。それが魂だよ。転生を待っている間にこうやって浮いている。中には転生せずにこの冥界に居る魂もある」


 転生出来る数は1日に決まっているそうだ。

 だからこそこうやって待つ必要がある。

 それも理由があり、この冥界で魂は浄化され時を待つ。

 その浄化が大事だということ。


 けど、歩いていて疑問に思う。

 魂以外、自分と同じ人が居ない。


「ここはお2人だけなんですか?」


「そうだね。先も言ったが私は魂の管理者だからね。エンネは私の世話人をしてもらうために残ってくれているからこれ以上は居ないよ」


 話しながらも歩みを止めず綺麗な泉を後にする。

 ずっと感じて思うのは、ここは本当に綺麗で不純物など全くなく混ざりっ気のない世界。


「だったらなぜ僕はこうして実体化してるんでしょうか?」


「それはね、君に王の資質を見たからさ」


「王の資質?」


「そう、王。元来、人間種では国のトップを王として戴いている。人間種を導く存在だね」


「だとしたら僕以外にも王の資質っていうのは沢山いるんではないですか? 歴史を紐解いても王は何代も続いていますし」


 その回答に冥王がふと笑を溢した。

 何かおかしなことを言ったのだろうか。


「たしかにそうだね。神々に才能を与えられ稀代の為政者たる者もそうだし、その子供だってそうだね。私が言っているのはそういう王じゃない。正真正銘の冥王や覇王と呼ばれるくらいの素質。私の後継者たる素質と言ってもいいね」


「改めて思うとゲームみたいな感じですね。冥王とか覇王とかって。もしくはよくある異世界へのチート転生みたい感じですかね」


 僕の言葉に冥王とエンネさんは少し微笑んでいた。

 何故だろうかと思う。


「ある意味ではそうかもしれないね。もし君に私の後継者としてやってみると思うのなら橙里の身体を特別に強くしてあげよう。ただ」


 よくある異世界転生者チート物語の流れだ。

 けど、何故そこで溜めるのだろうか、間を。

 嫌な予感がする。


「ここで特訓してもらうことにはなる。そしてここで得た能力などを次に別世界で活かしてもらい、後にその世界で冥王として活動してもらいたいんだ」


「別の世界で、ですか? ここのではなく」


「そうだね。別の世界の魂まで手が足りなくて困っていてね。その世界はなぜか魂の転生が出来ず、子供が中々生まれないんだ。お陰でこちらにも影響があって現状、転生待ちなんだ」


 そこらじゅうに魂が浮遊しているのはそれが理由みたいだ。

 でも疑問に思うことがある。


「僕がわざわざ別世界に行ってる猶予はあるんですか? 聞いてる感じですと結構緊急な感じですけど」


「理由は2つあるよ。1つは冥王をするなら知らない世界の人間や動物などに触れる、1つはまだ数百年は大丈夫だろうから、という判断だね。もちろん、橙里がしてくれるならという話ではある」


 僕は考える。

 もし、話に乗らず断ったらおそらく周りの魂と同じように転生を待つ。

 それとも冥王になるためにここで特訓するか。

 うん、考えるまでもない。


「わかりました。ここで特訓します!」


「良かった。ならここで別世界に行っても死なないように特殊訓練といこう。神様なら楽して能力貰えるかもだけど、ここは冥界だからね。頑張ってもらうよ」


 こうして僕はこの冥界で異世界に転生するまで

 想像よりも過酷なトレーニングが始まろうとしていた。

次回は冥界訓練です!

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