表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイに行きタイ物語  作者: 冬の終わりに
29/35

第二部 第八話 新たなる、理(ことわり)

あきらは、タイに向かう、バスの中にルルと共にいた。あきらは、正直ショックだった。あの凄まじい惨劇を自分が作り出してしまったことを、忘れてしまいたかったが、現実に起こってしまった。いや、起こしてしまったことを、今さらどうあがいても、その事実を消すことは出来なかった。唯一の救いが、警察が証拠不十分で、あきらの罪を問わないとしたことだった。


あきら何か食べないと、体に悪いよ」


あきらの事が、心配で付いてきてしまったルルが、心配している。


「食べたくないんだ、ルル、仕事に戻った方が良い、俺に着いてきても、また酷い目に会うかもしれないからな」


あきらは、ルルと目を合わせずに、そう言った。目を合わせないのは、ルルの事を嫌っているわけではなかった。ただ、自分の罪を追った目をルルに見せたくなかったからだ。しかし、あきらは、草薙剣くさなぎのつるぎだけは、身に着けていた。それは、カルマの目の業が、怖いのではなく、それに巻き込み、苦しむ人の姿を見たくなかったからだ。


湿度の高い、暑い空気があきらやルルの周りにまとわりつき、悲しい気分と一緒にイライラした気持ちも入り始め、あきらは、どうしていいか分からず、ルルに大きな声で「もう黙ってくれ、構わないでくれ」と叫んでしまうのであった。


あきら……」


ルルは、席をあきらの隣から少し離れた席に座った。


その時だった、サングラスをかけた、一人の男がバスの進行方向を塞ぐように、立っていて、止まれという、合図を送っている。しかし、バスの運転手も気が荒いのか、止まらずアクセルをふかし、男に突っ込んでいく。その瞬間、バスの前方から後方、まで、何か見えにくいものが飛んだと思ったら、バスが、真っ二つになって、ひっくり返った。そしてバスは、止まった。男があきらに近づき、何か話しかけようとしたとき、ルルが、あきらと男の間に、虫の壁を作って、あきらを隠し、あきらを逃がそうとする、そして、少し遠くにいたのか蜂の大群がこの男めがけて、襲いに行く。それに気が付いた、男はすっと消えてしまった。まるで、瞬間移動でもするかのように。


あきら!」ルルがあきらに近づくと、あきらは、受け身を取らなかったのか、気を失っていた。


ルルは、あきらのお知りに足長バチを、三匹ほど止めると三匹一斉に「射せ」と命令した。


その瞬間、痛みであきらは、飛び起きルルがあきらに説教を始める。


あきら!何やってるの?!自分がやったことを悔いてるの?あきらは、立派に戦ってきたよ。」と説教をしながら、ルルは泣き始めた「あぎらが、そんなんじゃあたし あたし」と言うと、大声で泣き崩れてしまった。


それを見て、あきらは、自分の顔に思いっきり、平手打ちをする!(バチーン)という大きな音が、周りに鳴り響いた。そして、あきらは、いつものあきらに戻った。そして


「ルル!ありがとな!やっと目が覚めたよ。」「もう心配させないからな」


あきら!」と泣いて、あきらに飛び掛って抱き着いた、ルルであった。


「急いで、タイに行こう!」とあきらが言うと、壊れたバスの時間を戻して、治してしまった。


「凄い!」とルルもちょっと驚いてしまった。


そして、ルルがジャングルから、薬草を昆虫たちに運んできてもらい、怪我した人たちの治療をしてから、バスは再び、走り出した。


あきらは、心の中で思った(ガンデンダー)(あの言葉を聞いた瞬間、また、今までと違った、別の世の真理を知ってしまった気がする)


と、新たな力の覚醒というか、今の力の応用が、幾通りも出来るようになったと確信するあきらだった。


しばらくすると、タイとミャンマーの国境の川が見えてきた。


「ルル、もうすぐタイだ!」


と久しぶりに笑顔を見せる、あきらにルルも笑顔で返した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ