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タイに行きタイ物語  作者: 冬の終わりに
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第二部 第四話 地獄の行進

400人の乗客の中には、お年寄りや持病を持たれている人や、子供も居る。パイロットと機長さん達は、近くの村までの、最適コースを探すのに苦労しているようだ。そこに京子きょうこが、割って入った。


久留巳くるみ君、この子が犯人を取り押さえてくれた、あきら君だよ」


京子きょうこ!勤務中は、名前で呼ぶのは辞めろと言ってるだろ!」とパイロットの一人が言う。


「お二人は知り合いなのですか?」とあきらは、不思議そうに聞くと。。


「おうよ。何とこの久留巳くるみ君と私は、婚約しているのだ、ははは。婚約者をちゃんと守りたまえよ(笑)」と自分で言う、京子きょうこだった。


そして、あきらをパイロットと機長に紹介した京子きょうこは、ルルと共に、乗客に非常食を配って回るのに、手伝いに行った。


あきら君。犯人を捕まえてくれてありがとう。私が機長の室谷むろやだ。」


「私は、副操縦士の、石神いしがみ久留巳くるみです。よろしく」


「私と、石神いしがみは、少し先まで言って、どのルートが最善か?調べてくる」「ここに発煙筒が、あるから救援が来たら、救援機に知らせるために君が持っててくれないか?あきら君。」


「解りました。それまで、この犯人の銃ですが、これで何とか皆さんを守ります。」


その時だった、現地の住民と思われる、人影が近寄ってくる。あきら達は、ほっと胸をなでおろすが、その緊張のほぐれた時間は、ほんのわずかだった。相手は、自動小銃マシンガンを持った、武装ゲリラだった。そして、ゲリラは、銃口をこちらに向けた。


(皆殺しにするつもりだ)あきらは、とっさにそう思い、カルマの目の力を使い、時間を止めた。そして、相手の懐まで、走っていき、草薙剣くさなぎのつるぎで、峰打ちにして、意識を奪った。


武装ゲリラの偵察部隊であろう。全員で4人しかいなかった。ここにいてはまずいと思ったあきらは、機長の室谷むろやさんに、すぐに出発するように、具申した。


「そうだな。あんなマシンガンで、打たれたら、こっちの装備では、歯が立たない。」と室谷むろやさんは、解ってくれたが、あきらの超人的な行動が、気になっていた。


それはそうだ、相手が見えて、撃ち殺されると思った瞬間に、あきらが敵をなぎ倒していたのだから。しかし、味方になってくれるのなら、これほど心強い味方は無い、つまらない詮索せんさくは辞めておこうと思う室谷むろやだった。


「皆さん!機長の室谷むろやです。これから、近くの村まで歩いていきます。そこまで、足の弱い方、お年寄り、お子さんを守りながらの、後進になります。道のりは早くても3日。今も見ていただいたように、全員が無事にたどり着けるとは限りません。それに、ここにいると、武装ゲリラの人質になってしまいます。何とか、頑張って生きぬきましょう」と言うと、400人の乗客は、ざわつき始めた。


「ここで、救援隊を待つわけにはいかないのか?」という、意見が大半だったが、それではゲリラの思うつぼである。


室谷むろやや、スチワーデェス達が、客を宥めてまわる。その時、ルルがあきらの元に

やってきて、「私、道案内できるよ。ゲリラのいない道で、皆が安全に通れる道」。あきらは、ルルが言っていることが、良くわからなかった。そうするとルルはこう付け加えた。


「私の魔眼まがん昆虫とお友達になれる、魔眼まがんだから(笑)」と言うと、一匹の美しい蝶々(ちょうちょ)が、ルルが立てている、人差し指に止まって、まるで笑っているようだった。


そして、蝶は上空高く飛び上がり、ある方向に飛び始めた。そしてルルも「こっちだよ」と言い、蝶の行く方向に歩き始めた。その様子を、あきらと一緒に見ていた、室谷むろやも「あきら君、どうせ、ダメかもしれないのだ、彼女にかけてみよう。」と言い、400人の生きるか死ぬか?地獄の行進が、始まった。



普通なら、もうとっくにゲリラの人質になっているか、撃ち殺されているところだが、

あきらとルルのお陰で、持ちこたえる一行だった。

400人の命を預かる、あきら達。果たして、救援を呼びに行くことは出来るか?

次回をお楽しみに^^

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