第十八話 戦いを見つめながら。
「ただいま、皆。」と光が、言うと皆が寄ってきた。その動揺っぷりは、流石の光もビックリするくらいだった。
榊原が言う「光君。君達が、マフィアに連れて行かれたって、マリニーさんが、言うもんだから、ビックリして、どう救いに行こうか、策を練っていたところだったんだ。」
「皆、ごめん俺のせいで、色々巻き込まれて、今までの不幸はこの左目のせいだったらしい」
「じゃあ、もう光の周りに不幸が起こってきていたのか。。。」「もっと考えてカルマの目の力、使っていかなけりゃあな」
「いや、もうその心配はいらなくなった。この日本刀、がカルマの目業の部分を消してくれるそうだ」
「え?」「それって、まさか、日本の国宝の草薙の剣じゃない?
「今気が付いたけど、光君、何時からそんなに、タイ語が上手くなったの?」
「あ、ちょっとね。」と、まさか過去へ行って、真理まで知ってしまったなんて、どう説明して良いか?分からない光であった。
「まぁ、タイ語は簡単だからな(笑)」と笑いが起こるった。この辺は、南国の人たちである。
「それにしても、この剣どうしたの?結構な値段のものよ」とマリニーが言う。
「これも、ちょっとね」「でも、もうマフィアに怯えて逃げ回らくて、良いからな皆。」
皆は、全く状況が、飲み込めていないが、それじゃあ、お祝いをしようと言う、まぁ、何ともお気楽なムードに一気になった。この変化に、あのスージーと言う、マフィアがいかにタイ人から恐れられた、謎のマフィアのボスだったかが、よくわかる光であった。
そして、近くの屋台で、飲もうということになった。
その夜。
光もお酒が入っていい感じで酔っぱらっているが、皆楽しんでいるようで、良かった。今夜は、光のおごりである。もう、物価は高くなっているので、内心ひやひやしている、光だったが、今は楽しもうと思い、大いに飲んでいた。
その時だった。近くで、銃声がなっていることに皆気が付き、酒を飲む手が、止まった。
「この音。銃声か?」「近いな?」
「光行かない方が良い。もうこの国は、泥沼の戦場に変わりつつある。タイの経済成長も、もしかすると、ここまでかもしれない。外国資本が、どんどん他国に行っている。最大の投資国だった、日本も撤退を考えているそうだ」と榊原が言う。
光は、考えた。民間の人達が、巻き込まれていたのなら、光は、その人の為に戦う覚悟が有ったが、しかし、これは、政府軍と反政府組織との、政治的な戦い。そこに入る勇気は、光には、無かった。と言うよりも、政治利用されるのが、嫌だったのだ。
そして、草薙の剣を持って、考えていた。少し酒気の混じった息の中で、ずっと、座って考えている。マリニーは、酔っているのか「日本人って、考えるのが好きよね~~」と少し文句を言い出す始末。光は、そんないつも優しいマリニーさんが、このタイの、行く末を嘆いているような気がして、ならなかった。
ここで、説明すると、光は、完璧に時間の流れを操作出来るようになっていた。もし、この力が、光だけの物なら、光は、世界とでも相手を出来るだろう。そのカルマの目の力により。しかし、その力をある一国の為に費やし、政治利用されるのは、まっぴらごめん被る。と言うところだが、それで救われる人が居るならとも思い、悩んでいた。苦しんでいた。
しかし、今度の選挙だけは、民主的な方法で。と言う、皆の強い思いだけは、伝わっている。そんな人たちが、自分を利用するわけが無いと思う。光は、今度の選挙だけまでだ。と言う結論に至った。
「良し、皆 飲もう!」と銃声をかき消すように、皆に叫んだ。
次回、光達の選挙を妨害せんと、政府組織が、光達を狙う。
そして、光のチートな力が、爆発する。
お楽しみに。^^