第十三話 過去へ(光(あきら)とアピン)
この先からは、タイ王国中世の章に入ります。皆さん。よろしくお願いします。
「おはようございます」という、朝の挨拶が気持ちのいい、タイの病院の個室で光は目が覚めた。念のための検査入院だったが、光はその病院で左目のカルマの目について、調べてもらっていた。医者は(珍しい、目だね。色素が赤くなっていると思ったが、目により多い、血液が流れているため、目が赤くなっているのでは?)という、医者だったが、左目の脳と繋がる神経の数が、右目より若干多いこと以外は、かえって左目の視力は少し落ちていた。でも、(物珍しいものでもない。)というのが医者の意見だった。やはり、異能の目は、異能の者しかその能力も分からないのであろう。という、マリニーさんの結論だった。
「マリニーさん、今日、俺退院するよ。」と光が言うと、マリニーも納得したようだった。しかし、昨日の王立図書館での戦いを見ていた、職員の証言と、光の目から見た、蜘蛛の化け物は、明らかにそのスピード感が違うようだった。光には、はっきりと蜘蛛の化け物が見えていたのに、目撃情報によれば、ものすごく早い何か?が、自分たちを絡め捕っていって、その化け物が、蜘蛛の化け物であると分かったのは、蜘蛛の巣を見たからだった。
とすると、光の考えの(時間を操れる能力)という、考えは強ち外れてはいなかった。それを、マリニーさんに相談すべきか?光は、悩むのであった。
しかし、一番相談すべき人物が光の目の前にいた。(アピン)には相談すべきだと考えた、光は、アピンと食事に行くことにした。久しぶりに日本食が食べたかったので、アピンに御馳走することに決めた。
「アピン、日本料理を食べに行かないか?」
「うん、お腹空いてたところね」「行こう、光」
と食べることになったら、突然目が輝きだした、アピンにだった。そしてタクシーで、タイの伊勢丹に行くことになった。タイ語で伊勢丹は「ディセタン」と言い、イとジの間の音を出さなければ、タクシーでいくことは 困難である。光は、通訳はアピンに任せきりであった。
そして、日本料理屋につくと、さっそくメニューを見て、注文を始める。光は、タイのシンハービールを頼んだ。少し飲まなければ、話せなかったからだ。もしかしたら、自分が絶対無敵の能力を持ってしまったかも知れないなんて、恥ずかしくて飲まなければ言えなかった。
「アピン、もし自分が時間を操れるとしたら、どうする?」と光が切り出すと。アピンは、「光の能力の事か?」と聞き返す。
「そうだね。俺の能力の事だ」
「それなら、いい方法があるよ。」とアピン。
「私たち、つまり紀元9世紀だっけ?その能力で、竜と少年がであった時代に行き、カルマの目を少年が授かったかどうか?確かめればいいだけの事じゃないの?」というアピン。
「良し、行ってみるか?」という、光だった。
時間を操れる能力を発揮しようとする、光だったが、中世に行って、何をしようというのか?
ではでは。<(_ _)>^^