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扇の偉才は逆襲する  作者: one reon
清龍女子野球部編
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球の青空野球教室 その3

球の青空野球教室 その3


「ほーい、懲りずにまた始まりやがりました。第三回、球の青空野球教室! ふぉー!!」


「おまえの情緒は一体どうなってやがんだ。顔が無表情な分、まじで不気味だぞ!」


「うるせえ。二日で十一失点に人権はねえ」


「てめえ、毎度毎度挑発してきやがって、今日こそは許さねえぞ」


「はいはい、怖い怖い」


「て、てめえ……」


「えークソヤンキーはスルーの方向で、早速今回のゲストに登場してもらいましょう。学校一の問題児、会話をする際には下ネタを挟まずにはいられない歩く下ネタ製造機! 佐藤優菜先輩です!」


「はーい! よろしくねー!」


「いや、下ネタ言わんのかい!」


「うるせーチンポは黙ってチンポしごいてろ」


「何言ってんだ! てか俺の名前いつの間にかそれで定着させないでください!」


「えーこの通り、今回は若干下ネタが多くなるとは思いますがご了承ください。苦手な方はチャンネルの変更を」


「歩けば下ネタ、座れば下ネタの大和撫子なので」


「意味わかんねえし、大和撫子を汚すんじゃねえ!」


「は? 何言ってんのこの金髪、しかもむっちゃタメ口だし。ねえタマこいつどう思う?」


「しゃしゃるな童貞、といった感じです」


「おーそれだ!」


「それだじゃねえ! 球もこの人に影響されすぎなんだよ!」


「えー早速本題ですが、今回のテーマは理想のピッチャーについてだそうです」


「切り替えはえーってレベルじゃねえぞ……こっちがもたねえわ」


「じゃあ私じゃない方がよかったかもね。唯先輩とかならこの辺はすごく語りそう」


「たしかにそうですね。そこのヤンキーはどう思いますか? 理想のピッチャーとは」


「あ? そりゃーボールが早くて、コントロールが良くて、三振が取れるピッチャーだろ!」


「なるほど。しょうもない意見をどうもありがとう」


「ああ? んだと?」


「優菜先輩はどう思いますか?」


「そうだね。普通はピッチャーって大きく二つのタイプに分けることができるんだけど。タマは知ってるか」


「はい。ストレートなど主体で空振りを取る本格派、それから正確なコントロールと変化球で相手を躱す技巧派です」


「そそ、そして最近では技巧派と本格派を併せ持つハイブリッドなピッチャーも出て来た。どのタイプのピッチャーでも良いピッチャーには共通して持っているものがある。龍一、それは何だと思う?」


「強い気持ちっすか?」


「ははは! そうだね、強い気持ちも必要だけど大事なのはそこじゃない。タマはどう思う?」


「勝てるピッチャーです」


「そう! そういうこと! どんなにボールが遅くても、どんなにコントロ―ルが悪くても、どんなに変化球が曲がらなくても、勝てればそれで良い! 勝てないピッチャーに価値はないんだ!」


「なんかそれって、すごい結果論っていうか、過程は重要じゃないんすか?」


「龍一の言わんとしていることは分かる。もちろん勝率を上げるには過程も重要だ。しかしそれではダメなんだ! 勝負の世界はすべてが結果論、特にこと高校野球ではどんな名門校でも一回負ければそこで終わり! 私たちは勝つことでしか自分たちの強さを証明できないんだ!」


「だから、勝てるピッチャーが理想ってことすか」


「そういうこと。どう? 少しは勉強になった?」


「ま、まあ少しは」


「どうだタマ。こんなんでいいのか」


「はい、ありがとうございました」


「す、すげえ。そういえば珍しく優菜の姉御が真面目だ。明日は雪かこりゃ」


「何言ってんのおまえ?」

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