表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悲しき夢  作者: 九十九
1/3

プロローグ

 嫌な夢を見た。


 暗い闇の中、ここがどこなのか分からず泣きじゃくる幼い自分。


周りの闇が深くなり飲み込まれそうになったところで目が覚めた。


 幼い頃の記憶、幼い頃のトラウマ。誘拐されて、暗くて狭い部屋に監禁されたあの頃の記憶。


 あの事件から10年は経っているけど、未だに夢を見るし閉暗所恐怖症になった。


 それでも、あの人が助けてくれたから死ななかった。今はあの人の為になることをするのが生きる目標だ。


 嫌な汗でべたついた服を着替えて朝食を準備する。


 あの人の朝食は決まって白米と味噌汁、あとは甘く味付けをした卵焼き。いつも朝食が完成する頃に起きてきて、食卓について二度寝をしてしまう。それが日常の光景だった。


 けれど今日は違った。


 朝食が完成しても起きてこない、少し待ってみても来る気配がない。珍しく寝坊してしまったのかな?そう考えてあの人の部屋へ向かった。


 あの人の部屋は二階に上がってすぐの部屋、扉には名前の書かれた札がかかっている。部屋中から小さくあの人の声が聞こえる、着替えているのなら勝手に入るのはまずい。ノックをして声をかけた。


 「朝食ができましたよ、冷めてしまう前に食べてください」


 中から返事はなかった。さっき聞こえたのは寝言だろうか「入りますよ」と声をかけてから部屋の扉を開けた。


 予想は的中していた、あの人はベッドで眠っていた。しかし、その顔は青白く精気が無かった。そして小さく呻き声聞こえる。


 普通ではないその様子を見てすぐに119番に連絡した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ