危険
千里「さぁ、着きましたよ」
優「や、やっとですか・・・」
家に着いていったものはいいけど、ゆうに3時間は歩いた。
千里ちゃんは慣れているかもしれないけど、僕には最高にきつい試練だった。
家は少し立派な二階建ての一軒家だった。
どこをどう見ても住宅街だ。
アビスに異世界と言う事を聞いていなかったら、自分のいた世界のままだと勘違いしたまま混乱して生きていたんだろうな。
とりあえず僕は千里ちゃんの家にお邪魔する事にした。
優「お、お邪魔しまーす」
千里「フフ、緊張しなくても大丈夫ですよ(笑)今はお父様もお母様も不在なんで夕方には帰ってくると思いますけど」
優「え?!」
(一つ屋根の下で男と女が二人きりだなんて・・・!)
千里「今から、食事の用意をするんでそこら辺にかけて寛いでいて下さい」
優「え?あ、は、はい!」
とは言っても、大金持ちとは言わないが、そこそこのお金持ちの家なんだろう。
家具やソファーなんか見た目で豪華な物だって分かる。
寛いでって言われてもなぁ。でも、立ちっぱなしっていうのも逆に失礼だろうしなぁ。
僕は、緊張しながらも豪華なソファーに座り込んだ。
それから1時間が経った。
優「千里ちゃん、遅いなぁ」
もう少しで夕方だけど、1時間も顔を見せないなんておかしい。
それもそうだ。今日知り合ったばかりで突然家に招いた客だ。
普通チョコチョコ見にくるだろ。
ちょっと気になったので僕はキッチンに向かってみた。
優「こ、ここだよな。キ、キッチン部屋?金持ちの考える事はよく分からん」
(ガチャ)
勝手に入るのもどうかと思ったが一応中に入ってみた。
優「!!!」
僕は驚いた。キッチン部屋に千里ちゃんがいない。それどころかとんでもなく荒らされた跡があった。
すぐに直感した。千里ちゃんに何かあったんだと。