美少女との出会い
店を出てから、また適当に街をブラブラしていた。
保護者、保証人がいないんだ。覚醒者というヤツになるしか方法がない。
でも、きっかけがなぁ。
っと、考えながら歩いていると何やら路地裏の方で騒がしくしていたのを発見した。
路地裏の方へ入ってみると、女の人一人と何やら不良みたいな男が一人いた。
「なぁ。いいだろ?俺と楽しく遊ぼうぜぇ」
「困ります・・・やめてください・・・人を呼びますよ!」
「いい加減にしろよ?その可愛い顔に傷なんてつけたくないだろうが?!」
「いや・・・ぁ」
見てはいけないものを見てしまった気がする。仕方ないよな。
「ちょっとすいません」
「あ?何だお前?」
「いや、何だか騒がしかったんでちょっと気になって・・・」
「助けてください!」
「うるせぇよ!黙れよ!この女!」
(バシ!)
「キャ・・・!」
不良みたいな男が女の人を叩いて女の人は地面に座り込んでしまった。
何だか分からないけど、少し腹が立った。
「ねぇ・・・ナンパしてんでしょ?強姦みたいな真似すんなよ」
「あぁ!お前ケンカ売ってんの?!」
「そうだよ」
「そうかよ!」
すると男が僕に殴り掛かってきた。
僕は簡単に殴られてしまった。
このままやられたら女の人が酷い目に合わせられるのは目に見えてるし。
倒れる訳にはいかない。
って思った時だった。急に身体中から力がみなぎってきた。
「オラ!口だけか!」
(ドカ!)
「うるさい」
男はまた殴り掛かってきたが次は簡単に避けれた。
そして思いっきり殴り返した。
「グアァ!!い、いてぇ!!」
「まだヤルの?」
「あぁ?!誰に口聞いてんだ?!」
男は突然、懐からナイフを出してきた。
でも全然負ける気がしない。
まだまだ力がみなぎってくる。不思議だ。
「オラァ!死ねや!」
男がナイフを僕に向けてきた。
僕はナイフを取ろうと手の平を前にした。
(ドーーン!!)
「え?」
「ガァァァ!い、いてぇ!」
突然男が吹っ飛んだ。何もしていないのに。
「お、お前、もしかしてか、覚醒者か?!」
(ん?お!これは使える)
「そうだ。これ以上、しつこく暴挙に出るなら、やられる覚悟もあるんでしょ?」
「か、勘弁してくれぇ。覚醒者と戦って勝ち目がある訳ねぇ」
そう言うと不良みたいな男は一目散に逃げた。
「あ、あの・・・ありがとうございます」
「あ・・・いえいえ。よかったですね」
「あ、あのさっきの男が吹っ飛びましたが貴方は覚醒者なんですか?」
「いや、どうなんだろう?」
「え?でも、さっきの男が吹っ飛びましたけど・・・。覚醒者としか思えません」
「実は、覚醒者かどうか分かってないんだ・・・」
「ど、どういうことですか?」
(あ・・・こっちの世界は覚醒者かどうか分からないなんて言ったら変だったんだ)
「あ・・・じ、実は記憶喪失になっちゃって・・・覚醒者がどうとか、どういう契約するのかとか、全然分からないんだ」
「そ、そうだったんですか・・・あ、あのよかったら家で食事でもどうですか?先程のお礼もしたいですし・・・覚醒者の事だったら私のお父様も覚醒者なので話をきけば色々思い出せるかもしれませんし」
僕は素直にお邪魔する事にした。
夕ご飯代も浮くし・・・何より覚醒者の事が聞けるならぜひって感じだ。
「じゃ、お言葉に甘えて・・・」
「じゃ、行きましょう。あ、私、千里・・・本堂千里っていいます」
「あ、僕は望月優っていいます」
千里ちゃんかぁ。可愛い顔をした子だなぁ。
はっ!!いかんいかん!!
とか思いながら僕は千里ちゃんに付いて千里ちゃんの家に向かった。