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詩集「今はまだ無題」

夕陽を背にしてぼくはゆく

作者: 木下秋

遠く 地平線のかなたに 夕陽が浮かんで居る


その眩しさは 優しく 暖かで いつまでもそこに とどまって居たくなる


いつまでも…… いつまでも 眺めて居たくなる



でも ぼくは意を決して立ち上がると くるりと踵を返して そこからゆっくり 歩き出す



夕陽を背にして ぼくはゆく



おかあさんに手を引かれながら 歩くこどもとすれ違う


ともだちとお喋りをしながら 歩く学生とすれ違う



それは かつての自分だった


でも ぼくはそちらを見ない 脇目も振らずに ただ前だけを見てゆく



夕陽が頭を照らして 暖めてくれるけれど ぼくは絶対に 振り返りはしない


後ろ髪を引かれる様な気持ちは 正直少しはあるけれど でも でも決して 振り向いたりはしない 前だけを見て 一歩一歩を踏みしめながら ぼくはゆく



それが正しい道なのか まちがった道なのか それはまだ わからない


あたりはだんだん暗くなって 不安になったり こわくなったりもするけれど


でも 口を真一文字にむすんで 涙をこらえて ぼくはゆく



その場にとどまるよりかは ずっといい


座り込んでしまうよりは ずっといい



あるく


ひたすらに


ただ前だけを見て


恥ずかしがらずに


背を伸ばしてあるく



夕陽を背にして ぼくはゆく



その先ではきっと 朝陽が昇るから

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