音のない場所から
風にめくられた
タオル
ぶつかり合う長袖
橙色のきらめき
眉をひそめる私
腹の奥からにじんだ
窮屈さに
すっかりやられて
床に伏した
大したことはないと
笑われたけれど
大したことかどうか
なぜわかるのか
埋没された安らぎの夢ばかり見て
なくなったことより
もし、あったとしたらの世界が
勝手に発車してゆく
私を置いて
風にめくられた
タオル
ぶつかり合う長袖
眉をひそめる私
ぬくもりのない部屋
こめかみに伝った雫
宙に浮いた喜びが
頬を撫でていく
嘘でもいいから
YESと言ってほしい