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街の万屋

 アルドリアールから船で3時間ほどの距離に、グリーンブリッジという国はある。

 アシロは漁船の船長さんにお礼を言うと、港からグリーンブリッジに降り立った。海の近くだからか、風は強く吹き、アシロの首元にあるマフラーをたなびかせている。

 これから向かうグリーンブリッジの最大都市、“ヴェール”。アシロはそこで異能者の情報を集める予定である。

 今いるここはヴェールから数十キロ離れた小さな街。ここからヴェールまでの交通手段は、馬車か、一時間に一本出ている鉄道しかないようだ。


 アシロは30分ほど歩き、街のはずれの鉄道の駅に行くと、時刻表を確認した。

 しかし、ちょうど5分前に始発が出てしまっていたので、1時間ほど、駅の近くを観光することにした。

 「おにーさんっ!そのなりはよそ者だよね?うちの店寄ってかない?」

 街を歩いていると、後ろから肩を叩かれ、アシロより少し背の高い女性が笑顔で立っていた。

 「うちね、いろんな物売ってんだよー!ね?少し寄ってってよ!」

 女性に腕を引っ張られ、路地を抜けて少し歩いたところにある、小さな店に連れて行かれた。

 「私万屋のミントっていうの。おにーさんはグリーンブリッジ初めて?だったらいろいろ揃えないと。ヴェールに行くんだよね?だったらこれは必須だよ」

 ミントと名乗った女性はアシロの手に薄いデジタル端末を渡してきた。

 「これね、公共の施設に入るためのデータが入ってるの。本当はこの端末、ヴェールにしか売ってないんだけど、高いんだよね。だからその半額で売ってるってわけ。別に危ないことしてるわけじゃないから安心して!」

 アシロは興味本位で聞いてみることにした。

 「ちなみにヴェールで買うといくらなんですか?」

 ミントの口から出た金額は、アシロの旅資金から出すと相当痛いものだったため、買うことにした。

 「グリーンブリッジは金持ち国だから色々物価が高いんだよ。さあ、他に何かいる?」

 色々見て、アシロは数日分の食料と水、宿が見つからなかった時のために厚手のフード付きポンチョ、六大陸の時間がわかる腕時計を買った。ミント曰く、他で買うとすごく高いらしい。


 「じゃっ!お買い上げありがとう、気を付けてね!」

 ミントは出会った表通りまで、笑顔で手を振り、見送ってくれた。

 アシロは手を振りかえし、先ほど買った腕時計をグリーンブリッジの時間に合わせ、結構時間が経っていたことに気付いた。

 

 急いで駅に戻ると、駅の椅子に座って時間まで鉄道を待った。

 甲高い音のベルが鳴り、鉄道が駅に着くと、アシロは鉄道でヴェールへ向かった。

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