親友
-日常-
僕はとある中小企業の営業をしている。
といっても中途採用であるし、正確にはまだ正社員ではない。そもそも営業は肌に合わないと思っている。
ではなぜ就職したのか?した、というよりも"せざるをえなかった"からだ。
以前はマンガ喫茶に勤めていた。僕が好きな物に囲まれて過ごす時間は、非常に至福であり、これを公私共に満喫というのだろうって感じだった。
そうだ。僕はヲタクである。自負していい。その辺を歩く女性や、祭り上げられている女優なんかよりも、アニメの中の〇〇ちゃんの方が可愛いのだ。
友達はパソコンの中の折の合う仲間だけだ。
ただ一人だけ"親友"がいる。
親友なんて本来、何人もいるものではないだろう。彼は中学の時に転校してきて、僕の隣の席になった。
容姿端麗で高身長、おまけに性格と頭までいい。天は二物を与えるのだ。
しかし欠点がある。その美貌により周囲には女子が絶えない。
複数と付き合うとかではない。取り巻きが必ずいるって事だ。それ自体が僕にとっては欠点なのだ。
だって、そのせいで僕との時間が邪魔されたりする。
いや、僕はあくまで〇〇ちゃんラブでありBLに興味はない。そういう意味じゃない。
単純に親友との時間を割かれるのが嫌なだけだ。
今思い返しても、彼を取り巻く女子の中に、僕を見てる子がいるなんて、あの頃の僕には...自信なんて全くない僕には分からなくて当然だった。
ましてや、その視線は異様なまでに強いものだったんだから、なおさら驚きだ。




