~絵の中から~
「あら、和さん?どうしたの?」
「あの、先生、これ・・・。侑乃が・・・。」
そう言うと、千冬先生はハッとしたように、私を見た。
「完成させて逝ってしまったのね。」
先生がぽつんと言った。「少し見させてもらうね」
先生は、手紙を読みだした。先生の手紙は封筒と、はがきサイズの白い紙だった。
「和さんにお話してほしいか・・・。」
先生が言った。「侑乃さんの最後の言葉ね・・・。分かった。」
先生は封筒に手紙を入れた。
「和さんは知らなかったでしょうけど、侑乃さんはよく美術部と文芸部に来ていた
の。いらっしゃい・・・。」
先生に連れられてきたのは、美術準備室だった。
「ここでいつも絵を描いていたのよ」「こんなところで?」
「ええ。美術室で描けばいいっていつも言ってるのに。
ここがいいって言ってきかなかったのよ・・・。」
先生は少し笑った。「これはすべて侑乃さんの作品よ」
それは、全て女の子の絵だった。私の横顔の絵も何枚かあったが、
それより多かった女の子の顔は私の見覚えのない顔だった。
「先生、この子は誰ですか?」「さあ、教えてもらったことがないのよ」
「そうなんですか・・・。」「でもね、この子の絵を描くたびに泣いていたの」
「・・・。」
侑乃、あなたは私に何を伝えたいの?




