~侑乃の頼みごと~
私はふと気付いた。机の引出しから何かが出ている。
その引出しを開けると何枚かの封筒が落ちてきた。
一つ目の封筒の宛名には私の名前が侑乃のものであろう字で書かれていた。
私は震える手で封を切った。
「拝啓、篠崎和様。和。きっとあなたがこの手紙を読むころには私は死んで
るよね?突然あなたの前から姿を消してごめんなさい。怒ってるかな?」
「怒れるわけないじゃん。侑乃」
「でも和のことだから私が死んだのは自分のせいだって思ってるよね。
あんたは優しい子だから。でもね、私が死んだのはあんたのせいでも
他の誰のせいでもないよ。あいつのせいでもないんだ。」
「じゃあ、なんで??何で死んでしまったのよ!?」
私は思わず叫んでしまった。希空さんに聞かれたかと焦ったが
今思えば、仕事に行くと出て言ったんだった。
今日は病院で読み聞かせをするのでごめんねと言われたんだったなと
ぼんやりと思いだす。
そして私は読むのを再開する。
「私が死んだ原因はないんだ。ないって言ってもそれは自分以外の誰のせい
でもないってこと。そう、私が死にたいって思ったんだよ。
もう何の未練もないなって思えたんだよ。あんたみたいな親友もいて。
颯みたいな優しい奴がいて。幸せだなって思えたから。
死のうって。死ぬならきっと今なんだ。って思ったの。
それが約束だったから。悔いのない人生にするのが私と私のあんた以外の
もう一人の親友との約束だったから。」
ここで一枚目が終わった。全部で6枚ほどあって2枚目には少ししか書いて
いない。
「和に最期のお願いがあります。私が書いた手紙を封筒の宛名に
書いてある人の元へ届けて下さい。それから手紙を読んでね。
一枚目以外には全て名前が書いてあります。届けた人のところの手紙を
読んでください。そこにはあなたに最期まで言うことが出来なかった
エピソードが書かれていたりします。言わなかったことごめんなさい。
なんならいろんな人に私のこと聞いてもいいよ。
最期に私のことを知ってもらいたい。そう思ったの。
漣くんに頑張って告るんだぞ!」
とてもこれから死ぬとは思えない。なんで?
私は涙をこぼしそうになったが侑乃の頼みごとをかなえるため。
一つ目の封筒を見た。そこには希空さんの名前が書いてあった。




